前回までのあらすじ
城西では’’狂犬’’と言われる京谷が帰って来ます。8月末土曜、10月の代表決定戦までの間に関東へ練習試合に来れるのは後2回と貴重な時間です。月島は烏養からタイミングが大事と言われ、烏野メンバーの技の精度がみるみる上がっていきます
音駒と「ゴミ捨て場の決戦」を東京体育館でーと誓い、月島は社会人チームとの練習で赤井沢にドシャットを決めにやけます…
破天荒な条善寺のお祭りバレー
再び仙台市体育館に赴いた烏野排球部、春高宮城県代表決定戦でIHの雪辱を誓います。すると以前清水に絡んで来た男子がおり、条善寺は1回戦の相手なのです。トイレ前で及川・岩泉・牛島と鉢合わせする日向、火花を散らします。女王:新山女子高校は颯爽としており、田中は知り合いがいるようです
白鳥沢・城西・伊達工が順当に駒を進める中、お祭りチーム:条善寺の登場です。月島は兄からスポーツグラスをプレゼントされ、早速装着して日向は羨ましがります。いつものメンバーの烏野、旭の強烈なサーブで崩しますが、アンダーで返すところをエンドラインから強打で照島が加点します
更にネット際で足を使って上げるなど身体能力が高いのです。するとお返しのように日向がスパイダーマンばりの三角跳びから西谷が返球し加点、どちらも運動能力が高く、烏養は最後まで遊び倒せるか勝負だなと気張ります
まだマトモに攻撃を決めていない烏野ですが、日向の速攻が決まり徐々に競った試合となります。伊達工の作並は知り合いがおり、条善寺は練習の半分以上’’2対2’’の試合をひたすらやっているらしいと話します。山口は「勝負事で本当に楽しむ為には強さが要る」と烏養が言っていた事を思い出します
予測不可能で楽しい条善寺の攻撃に翻弄されつつ、影山は冷静にツーをブロックしますが、顔面で受けており出血します。止血の為菅原が替わります
後ろに澤村がいる安心感
すると併せて日向も下げ成田が入ります。影山がいない中日向より菅原との相性が良い成田投入という考えです。照島のジャンプサーブが決まりテンション上がりますが、澤村は冷静です。菅原・成田も機能し、応援すると共に日向・影山はライバルだと燃えます
同時多発位置差攻撃は菅原版でも旭が華麗に決めマッチポイントです。すると何と条善寺も同時多発位置差攻撃を仕掛けて来ます‼しかし即出来る訳もなく、1セット目は烏野です。武田は条善寺の横断幕がチームの感じと合っていないと指摘します
条善寺の3年マネ:三咲はその事を後輩から指摘され困ります。2セット目から日向・影山コンビも復活です。早速速攻を仕掛けますが当たらず、澤村のナイスカバーで返球、更に照島のスパイクも澤村は上手く捌いて日向が加点、’’土台’’なら作ってやれる、存分にやんなさいよと抜群の安心感です
条善寺は今の2年と同時に監督が代わり練習内容もガラッと変わって結果も出します。3年は引退しますが三咲は春高まで残っています。烏養の的確な指示もあり烏野は条善寺の攻撃に順応し始めます。攻め気なものの焦っている条善寺は徐々に引き離されます
’’次世代小さな巨人’’達による空中戦勃発
TOで三咲は3年の奥岳が言っていた「必ず’’楽しくない’’時間はやって来る」と指摘し、我慢して最後までちゃんと遊んでみなさいよと檄を飛ばします。逆に清水はそういった口出しはあまりしないタイプです。17‐11で烏野リードです
ここからブレイクを挟み条善寺の常軌を逸した攻撃が冴え追い上げます。日向の攻撃について行けてない中ブロックに跳ばずレシーブで対応、抜群の身体能力を活かして加点します。しかし日向は1ランクレベルが上がり、速攻時に視野が広がり空いているポイントに的確にスパイクを打ち返します
日向は今度は至近距離でレシーブされ、澤村から指摘され新・必殺技:フェイントでマッチポイントです。この状況で条善寺は同時多発位置差攻撃を仕掛けますが、照島のスパイクはアウトで勝負あり、らしいラストです。烏野は準々決勝進出となります
条善寺の監督はあいつらの事を分かってるのは俺より三咲だとし、総崩れせずに済んだ…流石3年だと褒めます。1年マネ:栗林に後を託し、三咲のマネ人生も終わります。伊達工の青根は日向に明日お前を止めると宣言します。その前に噂の和久谷南に勝たなければなりません
音駒に近いものがある和久谷南対策をし、澤村がフォローすると言うと安心感は人一倍です。家族応援で盛り上がる和久南、烏養はウチと相性悪いと分析します。試合開始、早速日向の速攻が決まりますが、和久南は全く慌てる様子がありません
澤村は上手に日向達を煽り士気を上げます。逆に和久南は熟練の時間差攻撃で返します。中島は巧みにブロックアウトを誘い、烏養はかつての’’小さな巨人’’にプレースタイルが似ていると評します。日向のようにとてもよく見えているというより工夫してんのは’’角度’’じゃねえか?と分析します
この’’次世代小さな巨人’’達による空中戦勃発の中、ウチの王道エースもお忘れなくと澤村は影山に声掛けます。事実日向に釣られ2枚ブロックを旭が撃ち抜き加点します。和久南の主将もなかなかの’’土台’’っぷりを見せ競る中、ラリーが続き何とか烏野が返球し加点しますが、交錯したのか頼りの澤村が起き上がれないところでこの巻は終わります
まとめ
今巻のポイントは2つあり、条善寺の3年生女子マネ:三咲と烏野主将:澤村の存在感が挙げられます。まず三咲は同級の主力3年が引退し後任の栗林もいる中春高まで残る選択をします。普通なら一緒に引退を選ぶところでしょうが、色々と思うところがあったようです
条善寺は今のお祭りメンバーの2年と同時に監督も代わり、今までの質実剛健と謡われたプレースタイルが一変し結果も出します。乗れば良い意味で機能するこのお祭りプレーですが、烏野の多彩な攻撃力には抗えません。また、バックに澤村が常にいる事が烏野に安心感を生みます
条善寺の過去も未来も知る三咲は複雑な想いもあったでしょうが、現状を受け入れ、変わっていくチームの未来を後輩に託します。高校の部活動はこのように選手の入れ替わり等で劇的にチームカラーが変わる事があり、それも全て人が成すからと言えるでしょう
漫画の華として描かれるマネですが、ハイキュー!!は決して恋愛ものとしてのそれでは描かないことに徹しており、そこが却って清々しくあります。また、今巻随所でその存在感を示していた澤村が交錯するアクシデントに見舞われます
スポーツものの主将は身体的に秀でていたりカリスマ性があったりするものですが、ハイキュー!!の場合澤村は傑出する才能はないものの抜群の安定感があり信頼されています。そんな’’土台’’である澤村にもしものことがあったら…考えたくもない展開です。14巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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