前回までのあらすじ
歌仙が現れ、何と入学して追って来たのです!哲雄の小説をバイブルとして、犯人に感情移入しており、入部希望し圧巻の演技を披露、部員達にも気に入られます。歌仙は親が決めた相手と結婚する事になっており、歌仙が哲雄と結婚したいと言い哲雄は刷り込みで惚れられたと思いフッてしまいます
その話を聞いた零花があたしが生まれないじゃん!と怪訝に思います…

鳥栖夫婦の馴れ初めとは!?
同大学の演劇サークル仲間の2人、哲雄は歌仙をフッており、理由は自身の境遇から来る家族を持つ事への恐怖です。意を決して自身の境遇を打ち明けた哲雄、劇は完成し卒業公演は好評に終わり歌仙は哲雄を自宅に招待し料理をもてなします
非常に素朴な味で感動した哲雄は決心し歌仙にプロポーズし同棲を始めます。しかし胡蝶から監視されており、歌仙の学費は打ち切られます。更に哲雄の会社に事実無根の抗議電話が殺到し新入社員初月なのに連日会社への謝罪と説明に追われます
続いて深夜のピンポンダッシュが酷く、経典まで置かれる始末、哲雄は一緒に村に行く事にします。尾行され村内へ着くとマキビシでパンクさせられ、2人は襲われ離れ離れになります。教祖に会い経典に従い逃げも隠れもせず挨拶に来たと言うと体よく遮られ返事を求めるなら別途料金が掛かると言われます
教祖は拝金主義と言われ村は労働と等価交換しているだけでタダではないのに哲雄は何もしていないので日本円で払えと無茶苦茶です。法を重んじる哲雄に対しそんな自主性のない凡庸で薄っぺらい男に大事な娘をやれるかと語ります
歌仙必死の狂演
更に歌仙の母がオガミメとして生霊を乗り移らせて語っており、哲雄はこの狂った村の正体はこの男の狂気だと感じます。いつしか10万5千円にまで上がり払えないなら泥棒だと洋二に捕まえさせます。軟禁された哲雄は洋二から契約書にサインを求められ、併せて「教団への入会届」も渡されます
いつしか寝ていた哲雄は起こされ、朝餉を出されますが、ここでエンドレス経典という拷問を受けます。支離滅裂な読経は続き、やっと冷めた朝餉を食べようとすると別の女が現れ更に苦行は続きます。このまま軟禁が続けば会社が不審がると迫る哲雄に洋二は退職届を出しといたと滅茶苦茶で更に拷問は続きます
一方歌仙は母から無理矢理婿を用意され、禊の滝行をやらされ風邪を引きます。翌朝具合の良くなった歌仙は巧みに火事を起こし共の女を言いくるめ脱出、哲雄の下へ行き火事を消火すると偽って連れ出します。哲雄は改めて結婚しようと言い、村に戻って教祖は無理だが信者なら説得出来ると強気です
顔の広い村人は富子で、一番信者を呼べるので、歌仙は得意の演技でオガミメに成り切り本当に憑依したかのように振る舞い、死んで家族を憑依させる芸で信頼を勝ち取る2人の台本です。哲雄は迫真の演技で宣い、反感を買うと歌仙が巧みに哲雄を気絶させ、この結婚はお告げであり人類の安寧の為にその身を捧げると…
安元の死で状況が一転
この三文芝居も歌仙の演技力で信者は皆信じ、歌仙は洋二と共に教祖夫婦を説得、すると信者達も大勢現れこの村の教えはすばらしい、2人の結婚を許してあげて欲しいと請い、教祖は流れで従い結婚を認める方向になります。洋二は哲雄に血判書にサインを求め、内容として以下のものがあります
①将来的に村に住む、②子供が生まれた場合いずれ村に戻す、③哲雄が社会的罪を犯せば離婚、④経典を読み続ける事等滅茶苦茶な内容です。とても即決出来る内容ではなく、3日間放置され、結局その条件にサインして結婚が認められたというくだりを全て零花に打ち明け流石に零花も引きます
村に向かう車内で覚悟を決めた哲雄は零花を安元に守って貰うのがベストだとし、今まで犯した罪を正直に今告白しようと尋常じゃない汗を掻き、ラジオの1曲が終わったら話そうと決意すると突然安元が半グレ取り調べ中に殺されたニュースが入りこれで状況は一転します
併せて薬師寺が殺人幇助で逮捕され、内通者だった事が判明、哲雄は思い直し警察に電話し安元は哲雄の事を秘密裡にしていたようで時間の猶予が出来、ファミレスで寄り道し村へ向かいます。今日はマキビシもなく中に侵入出来、洋二が待っています
連れていかれ義母の天照はもう長くないと言われます。滝行を行っていた歌仙の下へ行き、歌仙はいずれ亡くなる両親の没後2人の元に戻れると考えていますが、洋二は哲雄が離婚しに来たと見抜いています。車内から離婚届を見つけており、その事実に歌仙が愕然とするところでこの巻は終わります
まとめ
今巻では鉄の結束を誇る鳥栖夫婦の馴れ初めが明かされます。学生時代演劇サークルで一緒だった哲雄は歌仙と結婚しようと同棲を始めますが、村からの嫌がらせが続きます。参った2人は正式に結婚しようと村に入りますが、村は教祖の元異質を放っており一筋縄ではいきません
所謂カルト教団のようなもので、もしかしたら国内にもこんな教団があるのかも?と思うと非常に恐ろしいですね!哲雄の意志は固く、歌仙得意の演技が冴え信者を騙し、上手く結婚まで漕ぎつけたのですが、あの鳥栖夫婦にこんな過去があったのかとは驚きと共に、鉄の結束も納得の展開です
流石の零花もこの話には驚愕し、ついに哲雄が自身の罪を打ち明けようとすると安元死亡のニュースが入って来て風雲急です。元々はぐれ狼的な安元はどうやら単身動いていた為内情を知る者が薬師寺程度で、その薬師寺すら殺人幇助で逮捕の為哲雄の真相に警察は辿り着けていないようです
意を決して内緒のまま村に侵入する哲雄ですが、真の目的:離婚を洋二に見破られており先が重いやられます。年老いた両親が亡くなれば歌仙は自由になれると考えていますが、胡蝶や洋二等一族の魔の手もあり一筋縄ではいきそうもありません…11巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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