前回までのあらすじ
連れていかれ義母の天照はもう長くないと言われます。滝行を行っていた歌仙の下へ行き、歌仙はいずれ亡くなる両親の没後2人の元に戻れると考えていますが、洋二は哲雄が離婚しに来たと見抜いています。車内から離婚届を見つけており、その事実に歌仙が愕然とします…

旺盛な郷一郎の性欲
哲雄は遮られ話は途中で終わり、哲雄は連れていかれ、零花は監視付きで車に戻ります。状況から零花は歌仙を連れ出そうと決意します。哲雄は未来のオガミメを連れて来てくれて感謝していると洋二に言われ、離婚届について何か訳アリだと悟られます
零花はトイレを装い見張りを川に蹴り落とし逃げ出します。すると郷一郎に見つかり天照に抱き締められ、死臭が漂い「私は近々死ぬ」と言われ魂は娘や孫の子供に乗り移ると言い零花は郷一郎に連れていかれ子を産み落としてくれれば良い、わしが種付けしてやろうと迫ります
郷一郎は足払いをし、零花に覆いかぶさりこの村には14人のわしの子供と31人の養子がいるとし46人目の子供を零花か歌仙に産ませるつもりです。零花は信に負けた悔しさから今回は絶対に負けたくない為、村に残りたいと嘘を付き、零花が跡を継ぐんならそれでいいと宥められます
月夜見は零花の監視をしていましたが、零花がオガミメになるので身の回りの世話をするよう指示され教団の一味だったのです。月夜見は零花のマンションから引っ越し手続きで優しくされ、信者じゃなくても外にも優しい人間はいる、だったら本当に教えは必要なのか?と感じます
月夜見・小沢の思惑
ところが村に戻り風邪を引いている事がバレ母にお尻を叩かれこの村の生き方の方が正しいと貰った熱冷まシートは使っていませんでした。洋二は「教団の現状維持」を目論む教祖と望みが違い哲雄と利害が一致した為零花を教祖のところから連れ出す事にします
村に窪達が現れ、洋二もお互いの事を把握しており哲雄を捕まえる為に来たと言われ村民と一触即発、窪達は一旦退散します。洋二は哲雄に釘を刺し監視を続け、困った哲雄に庭から明かりが点滅、モールス信号で小沢だと分かり、彼のポケットWIFIからスマホが使えメッセージのやり取りをします
小沢は連中を殺せば終わる、殺るなら手伝いますよと薄情で、哲雄の諭しも聞き入れません。零花は滝行も行い早い就寝時に小沢が接触、「家族一丸となって戦おう」と哲雄の伝言を伝えます。小沢はオガミメになれたら教団員をアジテート出来る可能性があるとし哲雄に家族一緒に逃げる準備を始めておくという零花からの伝言を少し曲げて伝えます
志野はライフルを手配すると窪に伝え、小沢と繋がっている甲斐もその事を伝えます
教団の実態が徐々に明らかに…
8年前小沢の母の誕生日に父は反社から足を洗いフリーライターをしていましたが、小沢の目の前で首を折られ死に目撃証言だけでは立証にも乏しく事件的に行方不明で処理されます。犯人は窪で、住み込みで働いていた甲斐は志野の組に入り父の仇を討つ為ずっと計画を練っていました
小沢は地面に爆弾を設置します。零花はオガミメになる修行を積み、哲雄は最悪家族三人過去も名前も捨て知らない土地で人生をやり直そうと決意します。監視で動けない哲雄は小沢に歌仙の居場所を突き止めて貰う事にします。零花の元に月夜見が現れ零花もずっと教団員に監視されていたと悟ります
夕方小沢は歌仙の居場所を特定しますが、ワザと見つけられないと嘘を付きます。夜零花にも接触し事情を話し心を開かせると月夜見が小沢を取り押さえます!零花は咄嗟に嘘を付き小沢も口裏を合わせますが話は最初から聞かれており、小沢は脚に隠したナイフに手を掛けます
すると零花は突如謝りますが嘘だとバレており、流れでナイフを掴み自身の腕を斬ると脅し、零花の覚悟を悟った月夜見は小沢を解放します。小沢は作戦が一個消えたと爆弾に細工をし目視確認出来る場所で潜伏します。先に胡蝶達が現れ、半グレではない為小沢は再度仕掛けを施します
胡蝶は教祖と接触、歌仙のオガミメ就任祭りを明日の夜実施するつもりです。窪は徐々に村と資金源について把握し、志野に新興宗教だと告げ郷一郎と天照夫婦がカルト教団の頭だと報告します。志野は「和服の鳥栖」に濱家を送り込んでおり、半グレを誘導、店の帳簿を手に入れます
更に警備会社を上手く使い胡蝶の自宅にも侵入、金庫から盗み、中には村の住民の物と思われる貯金通帳やカード300枚が出て来ます!総額6億の他に海外への送金で総額50億以上と分かり、典型的なマネロンの手口です。志野が窪にこれは戦争だ!と煽り、哲雄は一人軟禁され焦る場面でこの巻は終わります
まとめ
郷一郎の尽きぬ性欲から子種を増やす典型的なカルト教団の様相を呈し、更に歌仙か零花にまで子を産ませようとは最早呆れる他ありません。オガミメは寿命間近という事で焦りもあり、「教団の現状維持」の為に身内で事を済ませようとする等人道的に許されざるものです
モテ期の零花に近付いてきた小沢・志楽久もそれぞれ思惑があり、これでモテ期に近付いてきた男全員が不埒な輩だった事が判明します…明らかに異常でしたし、伏線としてここに繋がるのは見事です。小沢はやや哲雄寄りに見せかけて個人的な復讐もあり窪を始末したいようです
窪は巧みに教団の資金源について洗い、典型的なマネロンで巨額の資金を洗浄している事を志野に報告、半グレとして全面戦争の構えです。哲雄の凶行を知る窪と知らない洋二、仲間と見せかけて個人的恨みを抱える小沢等複雑な人間関係の中、誰が主導権を握るのでしょうか?12巻に続きます…
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