前回までのあらすじ
そんなめでたい話にロイエンタールは真逆で実母に目をえぐられそうになった過去を語り、女性に対しては冷酷で有名です。まるで正反対の2人ですが友情の障害にはならなかったのです。ロイエンタールは旗艦ヒューべりオンを確認し全艦前進最大戦速で襲い掛かります
するとシェーンコップの強襲揚陸艦が旗艦トリスタンに衝突、ヤンは撤退し薔薇の騎士に後を託します。艦内に侵入したシェーンコップはゼッフル粒子で銃を使わせず、早速ロイエンタールを見つけ白兵戦を挑みます…

ジーク・カイザー、フェザーンに降臨
金銀妖瞳のロイエンタールの首貰い受ける!とシェーンコップは凄み、上級大将ともなると白兵戦も一流です。ゼッフル粒子充満ながらロイエンタールは死を選ぶと銃を向け、ベルゲングリューンが二度と上官を失う訳にはいかないと割って入ります。引き時となりシェーンコップは泣く泣く撤退します
柄にもなく熱くなり過ぎたと反省したロイエンタールはベルゲン~に感謝します。帝国は撤退しますが、その後も接近と後退を芸術的なまでのタイミングで繰り返し要塞は防戦を強いられます。こうなると彼を仕留めそこなった事を2人は後悔します
一方「ラープ門」突破し本星に急ぐ帝国軍、ケッセルリンクはドミニクの兵を10人程借りルビンスキーに代わってフェザーンの主になると凄みます。ルパートと呼ばれ激昂したケッセルリンクでしたが、兵は通じており全員でケッセルリンクを撃ち、ドミニクも裏切っていたのです
ルビンスキーはトリューニヒトに倣い騒動の間身を潜めます。およそ20億いたフェザーン人のほとんどは脱出し1割弱の貧困層は取り残され、ミッターマイヤーは軍規を重んじ違反した者は公開処刑し民心の信頼を得ます。ラインハルトが到着し、ジーク・カイザー!ジーク・ライヒと兵は湧きます
気の早い事だとラインハルトは自らを皇帝と認めるのはルドルフを越えヤンを倒し全宇宙を手に入れた時です。新年のパーティーでトゥルナイゼンは明らかにラインハルトを意識した言動で目立ちます。フェザーン回廊と同盟の詳細な地図は入手済みで2人は先に出立します
ビュコック、最後の砦として君臨
同盟側ではポレヴィト星系よりさらに奥をユリアン率いる分艦隊50隻が哨戒中です。ビュコックの計らいで少佐待遇で司令官になったユリアンはヤンの昔語りをし、「悪たれボリス・キッド」にフェザーン人だとその秘密を明かされていたのです。その座標に到着すると例のフェザーン商船が大挙して押し寄せて来ます
通信を試みるとそのボリスが現れ、フェザーンが侵略された事を告げられユリアンは巧みに回廊の陰に隠れてミッターマイヤー艦隊が通過、首都星に連絡します。トリューニヒトはまたしても地下に潜伏し同盟はこの国難の今政治的に停止しようとしています
ところが突如アイランズが惰眠から覚醒し国防委員長として彼の内部に死滅していたはずの民主主義政治家としての精神が力強く羽ばたいて立ち上がったのです。ビュコックに一戦交え何とか講和に持ち込むよう進言、ビュコックは55000隻の艦艇とパエッタ・モートン・カールセンで対します
更にチュンがヤンをイゼルローンから呼び戻すという奇策を提案、参謀長として優秀で同盟側の人材にもやっと光明が見えて来ます。パン屋の息子として食べかけのハムサンドを直にポケットに入れる奇行が不可解ですが理由はあるようです(笑)責任は司令部で取るのでヤンは最善と信じる方策を取れと…
その真意は給料分以上に働かせようという魂胆で、ヤンはイゼルローン放棄を即決します。一刻も早くビュコックと合流するのが最善だと…ロイエンタールに強く総攻撃を推すレンネンカンプですが軽くあしらわれ、優秀だが単なる戦闘屋、戦略構想家としてのラインハルトを評価します
ランテマリオ星域会戦
キャゼルヌは要塞脱出作戦=「箱舟計画」と命名、爆弾を分かり易い所に仕掛けこれは囮です。アッテンボローのド派手な作戦も通り、400隻の輸送船と5倍の戦闘艦が同盟領へ向かいレンネンカンプが釣られます。浮遊砲台の的かと思いきやレンネンカンプは逆を突き砲台は消滅、更にアッテンボローを追います
輸送艦を置いて逃げ出し、レンネンカンプが鹵獲すると大爆発、その隙に同盟全軍脱出です。アッテンボローの派手な作戦も艦が足りず民間人も戦艦に乗って貰う事になりキャゼルヌご立腹です(笑)ヤンは一流のロイエンタールに敢えて二流のトリックを置き土産とします
ヒルダは自重を薦めますが、ラインハルトは戦いたいのだと覇気強く、同盟が勝つ唯一の方法は戦場で私を倒す事と看破しています。エルファシルで女子の勢いに押されまくりのヤン(笑)、キャゼルヌは男の墓場たるコチラ側の世界においでおいで…と願います
オーベルシュタインはアムリッツァの愚行を鑑み一路首都星ハイネセンへと進言、ランテマリオでヤンが来ない内に決着を付ける算段です。ラインハルトは双頭の蛇の陣形で対し、諫めるミュラーに後方等というものはないのだと豪胆です。あくまで陣頭指揮を取り士気上がる帝国軍です
キルヒアイスに似たエミールを気に入り、お前の為に勝とうと優しさも見せます。ビュコックはランテマリオの地の利を活かす戦いを考案、窮鼠猫を噛むが如く同盟側の士気も上がっています。帝国VS同盟となりあのミッターマイヤーが押されています!
前衛は殺しまくり孤立、モートン・カールセンが双頭に防御で対しファーレンハイトはがら空きの後ろを狙いますが伏兵の存在を悟り自重します。その伏兵がなんとユリアンで小さな援軍は少しだけ役に立ったところでこの巻は終わります
まとめ
フェザーン回廊を見事通過したラインハルト、原作や旧アニメにはない描写でその違いを見つけるのが毎回楽しいですね!フェザーンにユリアンがいなかった点も、上手くランテマリオ星域会戦の伏兵に結び付け彼の活躍を余さず記す筆致が流石です
やはりロイエンタールには鋭い余りの危うさのようなものが漂い、ミッターマイヤーのそれとは大分異なります。この対比が銀英伝では非常に重要で、今後にも活きて来ますので要チェックです。双璧は結果を出し、2正面作戦ともなれば同盟不利ですが、自由な手腕を振るえればヤンは無双です
ヤンは損な役回りながら給料分の仕事はするとイゼルローンに置き土産をして撤退します。この置き土産が後程効いて来ますので覚えておきましょう。ランテマリオ星域会戦では圧倒的多数の帝国に対し老練+地の利の一点突破を図るビュコック、彼の手腕に期待したい所です…20巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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