「銀河英雄伝説(藤崎竜版)」27巻の数々の激戦と成長譚~猛将2人をウナギを捕獲するが如く翻弄するヤンの知略冴える!本戦は機雷原に5つの穴を空け突破する帝国に対し、エスパーのようなヤンの鋭さで諸提督大混乱~

  1. 前回までのあらすじ
  2. ウナギを捕獲するが如くの布陣
  3. 数と資金力に物を言わせ帝国機雷原突破
  4. ファーレンハイト・シュタインメッツに続きミッターマイヤーまでも⁉
  5. まとめ
前回までのあらすじ

ビッテンフェルトメルカッツから降伏の通信が入り、ビッテン~は偵察艇を倍増しアッテンボローと遭遇、一挙攻勢しアッテン~は得意の逃げるフリで「釣り」に成功します。回廊に引きずり込みファーレンハイトも遊兵化し、ヤンは勝ったな…と本隊全速前進し猛虎を檻に閉じ込めるぞと気を吐きます…

ウナギを捕獲するが如くの布陣

黒色槍騎兵艦隊シュワルツ・ランツェンレイターは紡錘陣で突進、回廊内に侵入すると極端に薄い方陣が待ち受け、ヤンは猛獣は檻に閉じ込めるにかぎると完全に包囲してしまいます!ヤンはウナギを捕獲するが如くの布陣でいつも通り皇帝カイザーとの直接対決に持ち込み何とか引き分けにするしか方法はないと…

サメが如くユリアンを狙うビッテン~をスパルタニアンで足止め、カリンの初陣にポプランは「世の中を甘く見る事」と送り出します。無数のビームが飛び交う中カリンポプランの忠告を胸に躍動、1機撃墜し無事生還し、シェーンコップはおてんば娘に乾杯します(笑)

ここでファーレン~が割って入り、猛将2人の猛攻も今度は標的をファーレン~に変更、旧知の仲のメルカッツが対します。ファーレン~は敢えて前進し囲みを突破し反転挟撃を謀りますがメルカッツは闘牛士が如く超攻撃型紡錘陣の片側のみ攻撃し陣形を崩し、ヤンメルカッツが敵でなくて良かったと安堵します

数と資金力に物を言わせ帝国機雷原突破

エミールラインハルトが度々発熱の上キルヒアイスの亡霊を見ている事をヒルダに相談し、たしなめられます。態勢を立て直したビッテン~が再度突進、ファーレン~諸共玉砕の覚悟です。ファーレン~は力尽き、従卒に形見として生命をいのち授け生きて皇帝カイザーにお目にかかれと脱出させます

両艦隊心中するつもりか?と思われた中、ベイオウルフが現れミッターマイヤー到着です。2艦隊を盾としてヤン艦隊は撤退、殿しんがりメルカッツも完璧な対応です。「回廊の戦い」前哨でビッテン~は6220隻、ファーレン~は8490隻を失い、ローエングラム王朝軍の上級大将が初めて戦場にたおれたのです

ラインハルトは敢えてビッテン~に卿らしからぬ失敗をするよりはよほど良い、ファーレン~元帥・・」もそれを望むだろうとし、ロイエンタールから勝利か死かーですか?と問われ勝利かより完全な勝利かだ!と豪胆です。アッテン~ユリアンと回廊入り口に500万個もの連鎖式爆発機雷を敷設します

ロイエン~ミッター~は連名で作戦を打診、全宇宙で5指に入る用兵家の内半数はこちら側だと強がります。15万の帝国軍、ロイエン~は指向性ゼッフル粒子発生装置を5台投入し5つの穴を空けビッテン~・シュタインメッツ・アイゼナッハ・ミュラーと共に中央からラインハルトが突入です

ファーレンハイト・シュタインメッツに続きミッターマイヤーまでも⁉

ミッター~は左翼を後退させ敵の前衛を引きずり込む気ですが、ヤンは逆に左翼が下がった空隙に入り込み、彼の戦術行動は異常なまでの熟練に達しており正に神がかりであったのです。ミッター~は旗艦に戻り最前線に君臨、戦場の雰囲気をガラリと変えます

ヤンマリノ准将に半包囲を狙って来るので阻止せよと最早エスパーの類で、バイエルラインを弄び役者が違います。ミッター~は数が物を言う持久戦の構えですが、ここで例のマリノラインハルトを襲わせ、釣られたシュタイン~ヤンの餌食となりこちらも撃沈です

ロイエン~バルトハウザーヤンの足止めを命じ、ヤンは下に逃げると見せかけて実は一挙急襲を画策、これを読んだのはラインハルトです!高揚したラインハルトキルヒアイスが諫め、この激戦下の折ミッター~戦死の報が帝国軍を戦慄させるところでこの巻は終わります

まとめ

2大英雄最後にして最大の戦いだけに、「回廊の戦い」は非常に苛烈極まる内容となります。前哨戦として猛将2人は華麗にいなされ、莫大な被害とファーレン~戦死という悲劇です。上級大将の戦死に流石のラインハルト陣営もうかうか出来ません

本戦はユリアン達が例によって機雷原を設置、帝国は資金力に物を言わせゼッフル粒子発生装置5台で5つの穴を空け5艦隊が突入して来ます!ヤンはここでも神がかった采配で常に先手を取り、回廊の狭さという地の利を存分に活かし帝国軍を翻弄します

シュタイン~も戦死、激戦ですが、ヤンの綻びを見逃さないラインハルトもまだまだ戦えます。ところがここで双璧のミッター~戦死の報が入って来るのです!2上級大将の死も衝撃でしたが、ここでミッター~まで戦死となると帝国軍の動揺は頂点に達しそうです

ヤンのまるでエスパーが如き采配が冴えまくる巻でした。数において圧倒的な帝国ですが、ヤンという1将のみにここまで苦戦するとはヤンの軍事的・戦略的重要性が浮き彫りとなり、裏を返せばヤン頼みなのが危うさも感じさせます。この死闘の果てに、どんな展開が待っているでしょうか?28巻に続きます…

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