前回までのあらすじ
秘宝島殺人事件…航一郎は本物の碧とのやり取りを語り、復讐に手を染めたとしますが、金田一は自分の不幸を他人のせいにするガキだと断言します
やり直しのきかない人生はないと諭し、2人は穴から脱出、「悲報島殺人事件」は終焉を迎えます。茅のハコの中身があの時だけ銃で本物は分からないという謎が残ったままです…

「悲恋湖」リゾートモニターに赴くと惨劇が…
同級生の初Hに色めく金田一(笑)、橘川茂から「悲恋湖」リゾートモニターの誘いが来て金田一は即決します!去年まで生徒会長で美雪と噂になった東野英治もおり、九条章太郎の案内でバスへ、河西さゆり、倉田壮一も一緒です。悲恋湖リゾートは広大で横浜市に匹敵する広さです
ボロイ吊り橋を渡り下が引っ掛かる金田一(笑)、偽名とバレ甲田征作は優しく、香山聖子は権利ないと言い九条は橘川は権利放棄とします。散歩すると湖が赤くなり東野は悲恋湖伝説について語ります。すっかり東野‐美雪・金田一‐河西ペアが出来上がっており、香山三郎はカップル出来たと囃し立てます
小林星二にいつき陽介と個性的なメンバーで夕食、ここでラジオから刀丸猛人が脱獄したと臨時ニュースが入ります。翌朝外で朝食を取るとカラスがおり、いつきが木を蹴ると倉田が落ちて来て殺されており、顔がメチャクチャでいつきは「ジェイソン」に殺られたと先程の死刑囚の仕業のようです
電話も繋がらず特に香山夫婦は儲け話が水の泡だと異常です。唯一の吊り橋が燃やされ閉じ込められます。皆疑心暗鬼に陥り、三郎は単身森を脱出しようとして行方不明、いつきは他人の尻拭いで命を落とすなんざごめんだ…とロッジに向かうと中がメチャクチャにされており、冷蔵庫から三郎が見つかります
いつきはこの緊急事態もこんな体験なかなか出来るもんじゃないと取材を始め、皆から疎まれます
’’カルネアデスの板’’とは⁉
金田一は九条に冷蔵庫の中身が減っていない事を確認し、「ジェイソン」が口にしなかった事を訝しります。孤立を却って楽しむいつき、河西に嫉妬した美雪が東野と居ると迷子になり、罠で矢を左足に食らいます!幸い甲田が治療しますが傷が深くあと2日持ちこたえられるか…金田一は荒れますが美雪は気分が悪いです
この状況でも絵を描く小林、ボートの絵から責任を感じた東野がリゾート村の開発会社の社長が父だと言い、一人ボートで助けを呼びに行きます。いつきは「敵」は外ばかりじゃないと意味深です。美雪との誤解も解け動機について考える金田一、甲田はリゾート施設の会員権が抽選で2名にプレゼントされると明かします
甲田には暗い過去があるようで、’’カルネアデスの板’’ですよ…と意味深です。ボートが戻って来ると東野が顔がメチャクチャで殺されており金田一は自分のせいだと苦しみます。美雪は酷い熱で金田一が氷を取りに行くと小林がおり、例のラジオについて何か分かった事があるようです
ものの数十分で小林も殺され、「死にぎわの伝言」は消されており金田一は「ジェイソン」ではなくこの中に犯人がいると断定、ところが全員にアリバイがあります。いつきは聖子の鞄がルイ・ヴィトンで浮き川を渡ったと指摘しますが聖子は水恐怖症で洗面器に顔もつけられません
金田一は美雪が橋をずっと見ていたという’’偶然’’の上に成り立っている推理だといつきを諭し、「犯人」は用意周到で狡猾な’’知能犯’’とします
「脱獄囚ジェイソン」の超意外な正体とは⁉
金田一は今夜はロッジに全員集まって朝を待とう!と提案しますが、皆懐疑的です。金田一は小林の絵から東野が腕時計をしていない事に気付き、動機を探ります。すると共通項として三積ヶ浦でのタンカーと豪華客船の衝突事故に関係している事実が判明します
美雪の容体が悪化しタオルからいつきの本名が樹村信介だと分かり金田一は9人の招待客を繋ぐもう一つの「糸」を掴み謎はすべて解けた…と確信します。ジェイソンは巧みに誘き出され金田一の術中にハマり取り押さえられます。盗聴器で’’殺し’’の機会を伺っており、一人ずつ顔が見え犯人でない事が分かります
金田一はステレオのカモフラージュの為ロッジを滅茶苦茶にし、テープの「偽ニュース」を流し「脱獄囚ジェイソン」は最初から存在しなかったのです!三郎の死体を冷蔵庫に詰め込んだ本当の訳はロッジに「ジェイソン」が侵入する理由が欲しかったからだと…
「木の葉を隠すなら森の中に隠せ」の言葉通りで、更にこのメンバーの共通項=オリエンタル号沈没事件に関わっている事を明かします。しかも全員のイニシャルがS・Kでついにジェイソンの顔が割れ、それは死んだはずの東野でした!身代わりとなったのは橘川だったのです
東野の腕時計は橘川の腕に合わず、その事から気付いた金田一ですが、東野は小泉螢子の形見だから手放さなかったとし、甲田は例の「カルネアデスの板」で見殺し緊急避難で罪に問われなかったのです。これ以上ボートに乗せたら沈んでしまうと突き放し、彼女の遺体はS・Kのキーホルダーを握っていました
東野は開き直り爆薬をリモコンで皆ドカンだと脅し、金田一に甲田を殺す様仕向けるも、美雪が螢子と被った東野は錯乱しボートで単身爆死し悲恋湖が赤く染まっていきます。5人もの死者を出した事件も幕を下ろし、いつきは美雪が螢子そっくりだった事を明かし、実は妹で決して結ばれぬ愛だったのです
美雪が同じような目に遭ったら?と問うと金田一は2人とも助かる方法を考えると諭すところでこの巻は終わります
まとめ
今回の事件で秀逸なのは犯人の動機でしょう。徐々に明かされる事実と共に死んだはずの東野がジェイソンだったのは驚きでしたが、オリエンタル号の事故から東野は乗船したイニシャルS・Kの人物に標的を絞り込みます。リゾート施設の会員権というエサに食いついた9人の中に金田一がいた事は東野の誤算でした
金田一少年の事件簿は基本的に動機が存在する作風で、その復讐劇として見立て殺人等が多く取り入れられます。人を殺すという重さから後述する高遠遙一は別格として、悲しい過去を持ちその恨みから凄惨な犯行を行うケースがほとんどです
人は誰しも恨みを持って生きています。特に昨今は生き辛い世の中になって来ました。是非このような凄惨な殺人劇は漫画内だけで起こって貰い、純粋に推理を楽しむ為のエンタメとして存在して欲しいものです…7巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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