『MASTERキートン』第1巻おすすめエピソード3選|平賀・キートン・太一、考古学者にして保険の調査員、果たしてその正体は!?

「MASTERキートン」とは

この作品は考古学者とイギリスの大手保険会社、ロイズの保険調査員を兼業し、実は元SAS(イギリス陸軍の特殊部隊)のサバイバル教官である平賀・キートン・太一の活躍を描きます

基本一話完結で1990年頃の世界情勢や考古学、サバイバル技術などの豊富なうんちくが魅力です

作画は「MONSTER」や「20世紀少年」など大ヒット作をいくつも世に送り出した浦沢直樹が務めておりテレビアニメにもなりました

番外編に「キートン動物記」、続編に「MASTERキートン Reマスター」があります


「MASTERキートン」第1巻の目次

CHAPTER:1 迷宮の男

CHAPTER:2 天使のような悪魔

CHAPTER:3 小さなブルーレディー

CHAPTER:4 ダビデの小石

CHAPTER:5 黒と白の熱砂

CHAPTER:6 砂漠のカーリマン

CHAPTER:7 背中の裏街

CHAPTER:8 遥かなるサマープディング


「MASTERキートン」第1巻のおすすめエピソードベスト3!

3位 CHAPTER:1 迷宮の男

「風の強い場所では、銃より原始武器…
たとえば投石器の方が、はるかに有利な場合があるって教えたでしょう」


記念すべき第1話!

日本の大学で考古学を教えるうだつの上がらない講師の平賀・キートン・太一

休講ばかりで生徒に呆れられ、考古学者ゆえの収集癖から教務課の職員を怒らせます

そんな彼の副業が世界最大の保険組織、イギリスのロイズの保険調査員です

ロイズは個人に保険取引の場を提供する企業で、保険金も個人が支払います

太一は保険金を受け取る人物が怪しいとのことでギリシアのアテネに行きました

転落死したレオン・パパスは過去の軍事作戦の失敗をネタに当時の上司のオックス・ベイヤーに脅されて海から引き揚げた美術品を彼に献上します

しかし彼の故郷のお宝をこれ以上渡すわけにはいかないと保険金の受け取りをベイヤーに指定しました

ベイヤーは保険金だけでは満足せず、次はパパスの愛人ソフィアを狙うのでキートンは彼女を連れて逃げます

キートンはアーチ状の石造りの建築物を崩し、お玉とセロテープで作った投石機でベイヤー一味を倒しました

そしてベイヤーは思い出します

キートンが自分がSASの入隊試験のサバイバル技術の教官(マスター)だったことを・・・

この作品の魅力が全て詰まっていた最高の1話でした

2位 CHAPTER:8 遥かなるサマープディング

「でも、おばあちゃんの故郷は…
ミントの香りのする所だったんだ…」


田舎の別荘でキートンこと太一は父の太平、娘の百合子とともに休暇を過ごします

百合子は父と祖父が妻に逃げられたのに未練たらたらであることを持ち出し、それを解決することが合宿のテーマだと言い出し2人を無言にしました

太一と太平は互いに貶め合い、太平の元妻パトリシアが作った思い出の料理を太一はサマープディング、太平はそばだと言い、それぞれ作ることにします

太平はそばを打ち、仕上げに極上のわさびをもらいに行きますが水が枯れているためわさびは全滅していました

太一はサマープディングの仕上げにペニロイヤルミントを探し、パトリシアのミント畑を見つけますがそこの水がなくて枯れかかっていました

太一と祖父は夜を徹した作業で風力発電で水を引く機械を作り近隣住民に喜ばれ、百合子は父と祖父をほめられ感じ入ります

太一は妖精ミンスの伝説とミントには思い出をより強く保つ薬効があることを語り、母パトリシアが実家に戻ったのは太平の女癖の悪さに呆れたのではなく単に故郷が恋しくなったからではないかと思うのでした

ダメ親父な太一、太平親子が知恵で田舎を救い、そして太一の母パトリシアへの理解が神話を絡めて深まる構成になっている何とも凝った、魅力的なエピソードです

1位 CHAPTER:6 砂漠のカーリマン

「水をやれ!
水を飲ませてやれ
あいつは、カーリマンだ」


中国、タクラマカン砂漠の近く、コータンに遺跡の鑑定人としてキートンは行きました

そこはウイグル族の土地で、長老は神であるアッラーの声がこれまでの戦いが聖戦だったこと、祖先の偉大な歴史を学べと言うので発掘隊に協力したと言います

そして発掘された壁は英雄サーディクの聖墓の上に立った礼拝場の跡だと言い、お告げは間違いではなかったと言いました

しかし、発掘隊は成果を急ぐあまりにその壁を破壊してしまいます

それを見た長老はショックで死んでしまい、息子のアブドラ・アバスは発掘隊の代表4名と太一をタクラマカン砂漠に着の身着のままで放置し、罪は砂漠が砂漠と言いました

アバスは部下になぜそうするのかと問われ、英雄サーディクは部下が子供を殺した際、腰布1枚で砂漠に行きアッラーの裁きを受けた結果、4日後に砂漠の英雄(カーリマン)として生還したことを話します

彼は1人になった際、それは迷信だとつぶやくのですが、キートンは持ち前のサバイバル技術で全員を生かしていました

木の根をかじったり、穴とビニール袋で水分を得、そしてネズミをとって食べたり靴や水筒を作ります

しかし、街道まで残り3㎞のところで彼らの動きはなくなり、アバスは死んだものとして彼らを手厚く葬るよう部下に命じました

その時、部下が動きだしたと報告します

キートンは手製の槍を杖代わりにアバスらの方に向かい、槍をかまえました

その様子を見てアバスはキートンをカーリマンと認め助けてあげることにします

ウイグル人でありながらイギリスで西洋合理主義を学んだアバスはそれでも自分たちの英雄ディルムッドの信じたい気持ちは捨てられないでいました

そんな彼に対し、足手まといを連れながらサバイバル技術で身をもって英雄ディルムッドの逸話が可能であることを示したキートンに胸が熱くなる名エピソードです


「MASTERキートン」第1巻の他のエピソード

他に面白いエピソードに百合子が初登場しキートンが無神経なレスリング部員を黙らせた回があります

娘の前で少しいい所を見せたキートンにほっこりさせられました

聖書に出るダビデの石像の真贋を暴く回はなるほどと思わされ、鳥を模した道具の意外な使い道も面白かったです

自称キートンの妹が現れた回もありましたが動物とは、人間とは何かを考えさせられる切ない回でした

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