「GIANT KILLING」16巻の数々の激戦と成長譚~海外移籍を決意した達海を襲う悲劇…ETU混迷期を経て、今再び達海と笠野が再タッグ!例によってキャンプはトンチンカンながら意図を感じさせる内容~

前回までのあらすじ

CMも出来上がり明日から流れる中、肝心の達海がスタジアムに居なかったら…期待に応える為にと津川駒田監督に次節達海をベンチ入りさせ途中からでも出場させろと迫ります…

クラブのゴタゴタから移籍を決意した達海

結局達海は復帰し、CM効果もあってかスタジアムは満員、この仕打ちに怒る笠野津川は観客動員で結果を出しているとし、中断前のこの時期を敢えて選び終わればしっかり怪我を治させると甘い考えで、完全に2人は反目します。笠野はこのままじゃETUは駄目になると感じると、達海の言葉から腹くくれって言ってたのかもなと納得します

結果0-1で敗れ、ロッカーでは深作が荒れフロントとサポの達海贔屓だと怒鳴り散らし、達海は中に入れません。そこにイングランドから達海への正式なオファーが届きます笠野は腹を決め津川のやり方には愛がないと酷評し、全て達海に伝えETUを健全な状態に戻すと豪語します

笠野は好条件のオファーだと正直に達海に話し、依存したETUは達海を食い物にしてお前も組織も駄目になるとし、一緒に沈む事はない、このクラブを出ろと諭します。村越は俺が成長して少しでも達海の存在に近付けるように努力する…と喫したところで寝耳に水の達海移籍決定です

当然選手・サポは反発しますが、達海の決意は固く、津川にもさげすまれながら笠野との固い約束を胸にこのクラブの太陽になると10年前ETUを去ったのです

10年越しの達海と笠野の再タッグ

全てにおいて良かれと思ってした事だとしたら…こんなに皮肉な事はないと後藤達海のプレミアデビュー戦にして現役最後の試合を観ていた笠野の姿を会長永田は忘れる事が出来ないのです。ETUは何とか残留したものの、津川の置き土産で不破が監督となり混迷、達海は契約解除になり行方不明、ETUは2部降格します

笠野はその責任を取って辞任しました。達海が選手生命を絶たれたのは自分のせいだとする笠野達海は自身で選んだ事、後悔はしていないと気丈です。達海笠野がこのクラブでやり残した事があるからフロントに復帰したんじゃない?と問い、笠野の補強リストが的を射ていると話します

全てを背負い過ぎると感じた笠野ですが、達海は自分はあくまで監督で、各々の垣根を越えて自分の役割以上の仕事をするのが理想のクラブの形だとし、それを具現化する器と信念のある人間…笠野が必要だと説きます。笠野を信頼する達海は2人でクラブに帰り、笠野もたまには帰って来るようにすると歓迎されます

キャンプが始まり、各クラブ避暑地の中財政難のETUはシーズン前と同じ東京でキャンプで黒田は荒れます。気分だけでも涼やかにし、要するに練習内容が面白けりゃ文句ねえんだろ?と達海です。藤澤は新戦力の補強の情報もない中達海がモチベーターとして現戦力でシーズン後半を戦い抜く為の自信を植え付けるかがカギだとします

すると笠野もスタンドに現れ、藤澤はチーム戦術の確認と修正…それ以上にひょっとしてこのキャンプは他の意味も含まれている?と感じます。笠野達海と組んで何か企みがあるようです

混迷の!?キャンプスタート

達海が選手に求める事はたった一つだがそれは何かは教えないとし、どうやったらETUが強くなるのか常に考えながらプレーするんだと不敵で、何とスイカ割りっぽい事を始めようと提案します。目隠ししパートナーを決めスイカ割り風ミニゲームが開幕します(笑)

皆おっかなびっくりな中、GKだけあって緑川赤崎への指示は的確です。何で上手くコーチング出来るかが分かってくればこのキャンプの意図が見えて来るとし、赤崎はゴールを決め、2人は罰ゲーム免除、プレーヤーと指示者を交替させます。村越は擦り切れるような残留争いの経験からもっと死にもの狂いでやらなければいけないんじゃないか?と自問します

笠野はフロント陣は何だかんだまとまっているとし、一枚岩のようなチームになるにはもうひと頑張りだな達海と念じます。達海は結果を出した村越にも罰ゲームを指示、強豪との差を見せつけられた後にこんな事やってていいのか?とか思ってたんだろと図星です

達海は試合に勝つ為のチーム力…全部ひっくるめた総合力っていうんならその差は十分埋められるとし、騙されたと思って俺を信じとけと明日から早速何か企みがあるようです。ホテルの同部屋のチームメイトがどんな奴だったかアンケートを取り、部屋割りはくじ引きでジーノのせいで亀井達は外で寝る始末です

達海不在の中後藤は港経済大学と練習試合で全員新しいポジションでプレーして貰うと言い、達海ミスターTとして大学側の監督です。黒田は「ゴール前の黒豹」と恐れられたFWでのプレーにコンバートもあり得ると自信げです。松原は縦の関係を入れ替えながら横は同ポジションで組ませて来ます

当然杉江でポストプレーを選択、例の中井が拾い大学生は躍動、クリアした赤崎は怒声を上げます。ポジションが変わりやり辛そうな選手達、危うい場面を多々作り、杉江が選手1人1人に突き付けられた欠点と向き合えという事なのか?と勘繰るところでこの巻は終わります

まとめ

達海とETU、そして笠野の過去は非常に悲劇的なチーム崩壊という結末を見ます。これ以上達海に頼れないと感じた笠野は敢えて好条件のイングランドのオファーを提示、達海もクラブの現状を鑑み心を鬼にし背水の陣で海外移籍します。当然津川は怒り狂い、経営を投げ出してしまいます

結果達海はプレミアデビュー戦で負傷、最後の試合となり行方不明、辛うじて残留したETUは翌シーズン例の不破が監督で2部降格という最悪の結末となります。達海がいた事で良い意味でも悪い意味でもチームの輪を乱し、出て行けばその存在感が浮き彫りとなり依存しきっていた事が分かります

この悲しい物語があっての達海の古巣復帰だったのです…飄々としていただけにここまで悲劇的な過去があった事には驚かされますが、物語的にも中断期での笠野との再タッグという場面で明かされ、2人の絆が感じられ、是非リベンジを決めて貰いたいと応援したくなりますね!

キャンプは例によってトンチンカンな内容ですが、これにも相変わらず意図がありそうで達海の突飛な考えも結果として出ているだけに選手達も従わざるを得ません。村越杉江は振り回されながらも達海の意図を敏感に察知しようと努力しています…ミスターTの暗躍光る中(笑)、17巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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