前回までのあらすじ
達海が椿に見切りを付けようとする中、村越は揺れる椿に監督やチームから認められた選手だから試合に出続けられていると勇気づけ、椿の目の色が変わります…
揺れ動く椿の葛藤
藤澤はちぐはぐな攻撃に点差以上に両チームに差が出始めたのかもしれないと感じます。夏場に強い黒田を他所に、他の選手は疲労が色濃く、残り1枚のカードを切るか試されますが、達海は様子見る方に賭けるともう少し選手を信じます。裏を取られた椿はトップスピードの細川に追いつく速さを見せます
逆にカウンターとなり、動かないジーノは赤崎を走らせ、更に椿が上がり汚名返上のチャンスです。期待に応えようと気張る椿のシュートは無情にもバーに嫌われます。子供サポは盛り上がり椿コールが起こり、ゴローは弾幕を掲げます
一方次節当たる山形は佐倉が対策を練っています。達海に憧れる佐倉はケンにおだてられ、似たサッカー観を持つ者としてせめぎ合う事が山形の躍進に繋がると信じています。丹波INで赤崎に替わって右に入り、村越がSBに下がり堀田ワンボランチ、椿は高い位置を保ったままの4‐1‐2‐3です
丹波が釣り椿の突破は効果的で、渋滞する中ジーノは広い所を広く使えばいいじゃないかと清川のスーパーミドルが決まります!左サイドばかり攻め込まれ、神戸は逆サイドのケアがおろそかになり守りに追われたのです。決意新たな椿ですがここでイエローで次節出場停止です
過酷な正GK争い
結局痛み分けのドローとなりETUは半分は引き分けとはいえ6戦連続無敗です。佐倉は意気込みを熱く語り、ケンに褒められ顔真っ赤です。試合後椿は子供サポの所へ感謝を告げに来ます!コータは俺達の応援はちゃんと選手に届くんだと喜び、ゴローも挨拶されたと気付き改めて1人でもサポやると気張ります
緑川は全治3か月で今シーズン絶望となり、佐野と湯沢の正GK争いとなり特殊なポジションです。ゴールマウスを守れるのはたった1人、想像を絶する過酷なポジションだと後藤は感じます。達海は山形を分析しやり口は俺と似てるかもしんねえけど嫌な奴っぷりでは負ける気はしないと豪胆です
相変わらず1人居残り調整していた椿に山形の印象を聞くとだいたい達海と同じ中、1人ミスが多いもののそれでも上手かったと意味深です。佐倉も徹夜し対策を練りお互い低予算クラブだけに監督の負担は大きいです。今回はベンチ外は居残りとなり、新幹線でアウェー:山形に乗り込みます
中位・似た者同士監督対決
ETU対山形は大入りで、山井は相変わらずひねくれた物の見方で藤澤困惑です。佐倉はからかわれながらも選手からの信頼は厚く、メンデスは熱く語りなんだかんだ一枚岩でまとまっています。監督同士挨拶し、お互い寝不足な中佐倉は自信げです
いつも出ていた緑川・椿不在の中チームは村越の声でまとまり、山形もケンの一声で結束します。序盤全員自陣まで下がり守りを固める山形、この夏エースのブラジル人FWを移籍で失っているだけに攻撃力は半減し、固められた壁を達海がどう崩しにかかるかが見ものです
達海の指摘通りジーノから世良への裏への飛び出しはオフサイドありません。世良のセンタリングは防がれますが、ショートコーナーから石神のミドルと怒涛の攻撃です。更にショートコーナーを赤崎→杉江ですがGKに止められます…いい形で攻めたものの山形の堅守光ります
椿不在の中ETUがどう山形を崩すかが肝で、ジーノは素朴な丸岡を手玉に取り夏木はトラップミスも却って絶好球です。そのままボレーというところでメンデスに身体で防がれ一気にカウンター、管野ですが山形のFW2人は転げまくって笑いを誘います
ジーノは相変わらず丸岡を翻弄し、中盤の村越・堀田と共に熟練の連携を披露、縦に仕掛け挟まれる夏木を世良がナイスフォローし外の堀田に打たせますが山形が気合のこもったディフェンスで凌ぐところでこの巻は終わります
まとめ
神戸戦では不動の正GK:緑川の負傷交替でGKという特殊なポジションにスポットが当たります。このようなアクシデントに加え、加齢や移籍等がないとなかなか頻繁に出番が回って来ないのがGK、正に相手の不幸にチャンスがあり、出たら出たでポカが出来ない等強靭なメンタルが必要です
緑川の場合ミスが多くてポジションを失った訳ではないのですが、加齢もあり3か月の離脱は痛い所でしょう。それでもベテランらしくチームを盛り立てる姿は大人で良く出来たGKと言えます。他の選手は別のポジションでの出場も可能な中、一つのポジションを争う唯一手が使えるGKは本当に過酷です
なんだかんだ6戦負け無しと調子が良いETUはアウェーで山形と当たります。オールスター戦でも似たサッカー観を持つと語っていただけにやり辛いですが、チームの駒やスタイルとしては攻撃的なETUに対し堅守の山形と明暗分かれ、椿不在でも一方的なETUのサッカーです
そんな中佐倉を慕い一枚岩となる山形は結束しており固い守備を誇ります。今巻辺りから今まで以上に試合描写が多くなり、ぺージ数が試合内容に割かれる時間が増えGIANT KILLINGの描き方も若干変わって来ており、人気も出て長期連載が可能になった賜物なのかもしれません…20巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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