前回までのあらすじ
有里は達海がチームを試していると語り、変わったつもりが一番変わらなきゃいけない所が昔のままだったのかもしれないと後藤に話します。これ以上酷い試合やらかすのはサポにも相手にも失礼だと殿山・夏木INで何とよりによって村越が下げられます…

達海まさかの現役復帰!?
雨が降る中浦和は完璧な試合運びで0-1完勝です。これで公式戦3連敗とETUは泥沼で、何シーズン振りか分からないくらい久々に途中交替で下げられた村越は達海に見透かされてたと気落ちする中、サポも応援バラバラ過ぎたと詫び、次までに必ずまともな声援を届けられるように準備しておくと羽田です
するとゴール裏に達海が向かい、上の世代からの人気が凄まじい中(笑)、今日の負けは俺の責任、この借りは必ず返すとし、笠野もやり方次第では引き分けくらいには持ち込めただろうが、問題の本質に向き合わない限り本当の意味で強豪と渡り合える日は来ないと同調します
笠野は第1の変革期は終わった…つまりここから先は第2期の幕開け、新たな挑戦の始まりだと全員の足並みが揃う事も難しいんだよなと感じます。杉江はある人物にチームの危機を語り、それは実は緑川で日本代表や強豪清水にいた彼にETUがこれより上に行く可能性について問うていたのです
翌日7位になったETUの面々がロッカーで若干揉め空気は悪く、杉江は緑川に危機感を感じている事はいい方向に向かっていると諭されていました。緑川の偉大さを改めて感じた杉江が遅れて練習場に着くと、何と珍しく達海がボールを蹴っており、精度も完璧なのです!後藤は現役復帰!?と驚きます
使える選手が少ねぇからだよ
選手兼監督は日本では駄目ですが、選手として再登録ならアリかもなと言う笠野、達海もその気になり有里にとってはプレーヤーとしての達海はもう死んだの!と複雑な乙女心です。村越は何故このタイミングでその考えに至ったか問うと何と使える選手が少ねぇからだよと強気です
チームの精神年齢の低さを指摘し、俺が選手を兼ねればピッチの内外から勝つ為に必要な事を伝えられると悪い話ではないとまで言うのです。当然黒田は反発しますが、選手を獲るか決めんのはGMの仕事だと後藤に委ね、前節不出場組と5対5のミニゲームで入団テストだと張り切ります
すると椿が志願し、更に黒田もコケにされてるのと同じだとミニゲームに名乗り出ます。流石に躊躇する者も多く、達海はコーチ陣中心で組むと言い、そこに何とジーノが自ら加わると豪語し、新旧ファンタジスタの競演です。報道陣も動揺する中笠野はここからは非公開練習だと外に漏らしたくないようです
結局黒田・椿・亀井等VS達海・ジーノ・後藤・松原等となり、椿は実は達海と一緒にプレーしたかったようです。時間は10分・スローイン無しでミニゲームが始まります。黒田がギャーギャー騒ぐ中達海は正確なパスでジーノをアシストです!裏へ抜け出す動き等普段しないジーノ、有能なパサーがいれば出来るのです
椿は達海に煽られプレッシャーを力に変えると奮起、意地の得点です。宮野が椿は変わったと語ると杉江はこのクラブの現状を物語ってると言います。同じ環境にいながらなので椿が特別なのか、俺達が持っているものが先に進む事を妨げてたって話かだと…
達海の覚悟に感化され…
選手達は複雑な心境の中、当の本人はやたら楽しそうで、会長はボールへの臭覚や存在感から現役時代の達海が帰って来たと錯覚します。達海からジーノへのボールは流石に黒田がカットし黒豹シュートですが弾かれ亀井で得点です。感極まる山井に笠野はそんなに昔と同じように見えるかいと現実的です
日本代表にだってなってやると達海の独壇場は続き、高度なスキルからのシュートを椿が食らいつき止め、そこから上がって自身で得点します。ここで達海は足が痛み出し、ジーノは達海が選手達の名誉を傷つけて焚きつける事で始めたゲーム、途中降板なんて許されないと非情です
残り3分でボロボロの達海、さっきまでの羽が生えたようなプレーが嘘のようです。達海の提案で、笠野は無理したら皆の前でまたぶっ壊れる事になりかねないと言うとそうなったらむしろ好都合と語っていました。プロでやれる事の喜びとその幸せな時間は永遠に続く訳じゃねえって事を…
結局6-1で現役組の圧勝でしたが、達海は今日をもって正式に選手を引退するとし、有里が今は監督という凄い仕事があると涙ぐむと確かにやり甲斐はあるがプレーに勝る喜びを俺は未だ知らない、フットボールって文化の主役はお前達選手だ、最高の職業だよと語ります
多くの夢を語り、現役選手には皆の憧れのプロフットボーラ―なんだぜ?と託します。痛々しい達海の姿に選手達はその覚悟を悟ります。杉江は時間が無い中10分貰いチームの危機と意識のズレについて語り、先日の発言を丹波は謝り、赤崎は負けた時立ち返る位置を高く上げようぜって事だと同調します
達海が選手を大人になろうとしないクソガキって言ったのはそういう部分だろと理解し、達海に恩を仇で返してるようなもんだとし、降格ラインでの戦いを強いられてきた中での今シーズンの好調です。達海のメッセージも受け取り、色んな人の思いを背負っている以上次のステップに進めなきゃいけないと…
村越はこの原因を作ってしまったのは自分で、そのチームを立て直す為に頑張ってくれてる奴等がいる中で今俺のすべきことは…と熟考し、達海に一選手に戻りたい、キャプテンマークを次の者に託したいと志願するところでこの巻は終わります
まとめ
この漫画の主人公は監督の達海です。現役時代ETUのエースとして君臨した姿を再び現役復帰して読者に見せるのは意外性と言い今までの達海の言動からもアリかもしれないと感じた読者の方も多かった事でしょう。事実そのプレーは現役時代を彷彿とさせ、選手も見惚れるくらいです
ところが残酷なのは達海にはそれを全うするだけの足の状態にないという事実です。どんなにプレーしたくても出来ない…達海はサッカーに係わる多岐に渡る人々の中で、選手が一番幸せで最高の職業だと断言します。それだけ儚く、それだけ命を賭して捧げるだけの価値があるものだと…
達海の身を削る覚悟を見た選手達はその思いに感化されます。タイトルを獲る事だって可能なのです。諦めざるを得なかった達海の無念と選手の意識のズレは皆の胸を打ち、1人緑川に相談していた杉江がチームに語り掛けます…村越はチームをこうしてしまったのは自分の責任だと気付き、何とキャプテンを他の者に託したいと志願します
このまま連勝街道でジャイキリ達成!で終わらせないのがこの漫画の面白いところで、チームの浮き沈みと共に達海の強い思いを受け継ぎ、選手達は現役でいられる事のかけがえのなさを実感します。夢半ばで散った者も多い中、背負っているものも大きくなります…ここでの大変革に期待したいですね!31巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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