前回までのあらすじ
アディショナルは6分で、城西投入で試合を終わらせる気の日本、焦るコヴァルを尻目に志村からカウンターで窪田が猛追、コヴァルの足が出てここで倒れる訳にはいかないとかわした窪田は着地で何と左足を痛めます。接触以外での転倒で、村林は状況から怪我が軽いものではないとし椿が呆然とします…

椿を襲う悲劇
古谷や桐生は以前十字靱帯を怪我した事に重ね、重症かもしれないと危惧します。畑は同僚としてコツコツ結果出し続けてやっと才能が花開いたとこなのにと嘆きます。花森は自身と持田に重ね椿に声を掛けますが聞こえていません。完全に動揺した椿はイエローを貰いFK献上です
切り替えたはずの椿ですが窪田を想うあまり油断しサリバンの突破を許し上手く転ばれ土壇場でPKまで献上、レッドで退場です。コヴァルが冷静に決め4-4同点のまま延長戦、日本に余力はなく4-5で敗れベスト4敗退が決まります
インタビューでは気丈なブランに怪我人でカード2枚を使う厳しいゲームだったと問われ日本代表のフットボールはなかなか面白かったと思わないかい?と返しこのチームはもっと強くなる、W杯予選でのリベンジを期待して貰いたいと締めます
ブランは批判を浴び、敢えてその矛先を自身に向けさせていたのです…帰国し関東圏の代表選手が取材を受ける中そこに椿の姿はなく更に批判されます。夏木と共にひっそりと有里達と合流しETUに帰ります
不味かった取材対応の結果…
SNS等では心無い椿バッシングが始まります。ETUの面々は腫れ物に触るみたいなのも嫌だったから敢えて皆で温かく出迎え、笠野は気を遣いそばに誰か居てやれと告げ、情報も遮断するよう促しますが、協会が帰国取材させなかった事も裏目に出てしまいます
達海は良い意味で相変わらずで、天宮杯1試合後リーグ戦残り4試合で首位と1ポイント差の3位で鹿島との直接対決を残しているとし、全部勝つぞ、この国のフットボールの主役はETUだと凄みます。山井は嘆きつつ平日の午前中でこんだけのサポーターが見学に来てるって事はいい意味でインパクトを残したとします
マスコミ対応に苦慮する有里に達海はどうでもいいだろとぞんざいで、椿に決めさせろとし、夏木も一緒で5分程度で済ませ切り替えさせる腹積もりです。ところが椿はインタビュー中喋れなくなり、椿の心の傷は相当深くOKを出した有里も反省します
折角窪田からの励ましの通知も却っていらない情報が入ってきて滅入る椿、母からの電話にも出られない程落ち込みます。夏木絶好調の中椿はボールすら満足に蹴れず別調整となり、有里は藤澤帰国後にコメント取りをするべきだったと猛省します
椿を欠いた状態で残りのリーグ戦を勝ち抜けるのか藤澤は危惧します。後藤も帰国し苦情のメールの多さに驚きます。後藤は猪瀬と共に決勝を見届け、パクテヒが絡みチョウが得点、実はチョウを狙っていたものの断念してパクテヒを獲得した事が判明します。
韓国贔屓の猪瀬ですが、サリバンが五味そっくりだとし、実はサリバンが椿の動揺を利用してPK獲得したと推察します
天宮杯も決して消化試合ではなく…
結局オーストラリアが延長戦を制して優勝し、後藤は的確な選手補強と育成…ブレないチームの戦い方にアイルトンが象徴なら猪瀬こそが鹿島の心臓だと断言します。宣戦布告もされますが、猪瀬も後藤の手腕を買っているからこその言葉なのです
天宮杯はアウェー徳島、今回はゴローが仮リーダーです。おばちゃんが劇場型詐欺だと喚く中山さんが天宮杯の説明をし諭しますが、パッとしないスタジアムの雰囲気に未だ怒り心頭です。達海は2部で昇格圏内の徳島が控え中心で臨むと読み、こちらも控え中心ながら全員ETUの選手だと称えます
赤崎に加え緑川復帰、熊田・小林・宮野等前半戦ゲームに絡んだ選手の中他は全然試合に出ていないのです。広井は正直に使ってくれなかった達海が好きになれないと語ります。山井は選手をガラリと代えたETUはいつも序盤苦戦すると同意し、選手育成に長けた高杉は優秀だと話します
今シーズン全選手使ったっていう達海の自己満足にも映り出番に恵まれなかった選手の頑張りを知るだけに結果が欲しいところ、緑川が身体を張ってハイボール処理します。ゴローは巧みにコールを変え全選手を激励し、広井は自信を取り戻します。山井は半分以上が今季限りの放出要因だと読みます
今季の躍進は間違いなく達海の手腕が大きいものの、来シーズンに向けての去就が気になる時期、広井は紅白戦だと控え組の指揮は達海なので色々と学んだとサッカーの奥深さを感じつつ、スタメンが控え組以上にグンと伸びた訳で、常に鼓舞し続けた達海にいつの間にか自分の事を諦め切れなくなったと言います
住田も同意し、後半いつものメンバーが出てくる前に前半から圧倒したいと気張り、達海を少しでも後悔させてやると意地の恩返しゴールで答えます!結局達海の掌で踊らされてると自覚しつつ、広井はこれがETUでのラストゲームかもしれないと気合を入れるところでこの巻は終わります
まとめ
今までの好調から一転して地獄を見せたGIANT KILLING、サッカーとは実に恐ろしいスポーツです。窪田の離脱の動揺から我を失った椿を狡猾に利用したサリバン、レッド退場からの逆転劇で、椿はヒーローから一躍戦犯扱いです…スポーツは良い時はいいのですが、失敗はいつまでも叩かれる対象となります
椿を守ろうとした事が却って悪影響し、もやしメンタルの椿は揺らぎボールすら満足に蹴られない状態で代表での経験はこのまま苦いものとなってしまうのでしょうか?注目度が桁違いのA代表で尚エースに君臨する花森が如何に強メンタルなのかも浮き彫りになる始末です
更にETUに話を戻すと、消化試合と思われた徳島戦にもドラマがあり、生き残りを賭けた控え選手の苦悩すら描くのです…一見華やかなプロサッカーの世界ですが、椿の苦悩や控え選手の心境等普段はあまり表沙汰とならない事項にまで克明に描かれ、皆戦っている事が分かります
折角飛躍したシーズンを送っていた椿がこのまま潰れてしまうのか、ETU優勝に向けて立ち直るのか静かに見守りたいところです。57巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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