「銀河英雄伝説(藤崎竜版)」17巻の数々の激戦と成長譚~ヤンとメルカッツ完璧な挟撃でケンプ撃退!ガイエをぶつける奇策も時既に遅し…9割を失い帝国久々の大惨敗も、幼帝亡命で逆に宣戦布告の好機に~

  1. 前回までのあらすじ
  2. ヤンとメルカッツ、完璧な呼応
  3. 意外にも寛大だったラインハルト
  4. 幼帝亡命でラインハルト、宣戦布告
  5. まとめ
前回までのあらすじ

パトリッケンと入れ替わり包囲されるもミュラーはほぼ損害を出していません。名将は引き際をわきまえており、メルカッツはサッと退きケンプはイライラしラインハルトに「我が軍有利」と報告します

ラインハルトは極端な話要塞に要塞をぶつけて破壊しても良かったのだと豪胆で、双璧を援軍に向かわせ、後方に下げられたミュラーの元にヤンがイゼルローンにいないという噂が入ります…

ヤンとメルカッツ、完璧な呼応

更にバグダッシュより虚偽の情報操作がなされたと証言があり混乱しますが、ミュラーヤンは要塞にいないと確信、勝手にイゼルローンの向こう側に3000隻配置しますがケンプの逆鱗に触れ副司令の立場から従います…結果的にミュラーは誤った判断をしてしまうのです

結局ケンプは要塞周辺にまとわりつき執拗な波状攻撃をかけ続けるという最早長期戦の構え、ここでヤンの5500隻が到着します。ヤンも攻略に要塞に要塞をぶつける策を使わなかった事を安堵します。ケンプミュラーを呼び出し援軍も含めケンプ艦隊で仕留める算段で、ミュラーの言葉も受け入れます

ケンプ・ミュラー艦隊が後退し駐留艦隊が飛び出し、メルカッツユリアンの言葉を入れて慌てて要塞に戻るフリをします。流体金属内に待機し援軍と示し合わせて挟み撃ちにするのです。ヤンは相対速度をゼロに保ち後退、ケンプが猛追してくるのでフォーメーションDで円筒陣で遊兵率極小、攻撃が集中します

ケンプは前進しか選択肢はなく、今度はフォーメーションEで漏斗ろうと状に変形、包み込まれます。ケンプを助けようと外からミュラーが取り囲み防壁となり、逆に火力が増大、数で劣るヤンピンチですが、呼応するように後方からメルカッツが現れ完璧なタイミングで挟撃です!

ヤンは敢えて逃げ道を作りガイエに帰らせ同盟は圧倒的勝利を手にします。ここでやっとケンプはガイエをイゼルローンにぶつけてしまう作戦を思いつきます。メルカッツは最大の功労者はユリアンだと謙虚です。ガイエが動き出したのでヤンキャゼルヌに連絡、連携して対処します

意外にも寛大だったラインハルト

艦隊は稼働中の通常航行用エンジン・進行方向左端の1個だけに集中砲火し、ガイエは推力軸が傾きスピン、ここで「雷神の鎚トゥールハンマー」の直撃でケンプミュラーに詫びておいてくれと言い残し力尽きます。ガイエの脱出用シャトル専用ボートでは醜い争いが起きガイエは爆発、衝撃波でミュラーも瀕死です

双璧に助けられたミュラー、大神オーディンも照覧あれ!とヤンへのリベンジを誓います。帝国は9割も失いルビンスキーは力のバランス的に丁度良いとほくそ笑みます。激昂したラインハルトですが、提督達を集めミュラーの報告には意外にも懐の深さを示し寛大でした

ケンプは上級大将に昇進、ラインハルトを諫めたのは死んだキルヒアイスだったのです。シャフトは別件で逮捕、ケンプ家族にはメックリンガーが報告に向かいます。ヤンは過労がたたり風邪を引き、ユリアン特製のホットパンチにご満悦です

幼帝亡命でラインハルト、宣戦布告

要塞対決を終えオーディンは短い平和の中、ヒルダベーネミュンデを見かけます。隠遁生活を送る彼女の元に例のフェザーン商人が現れ、幼帝陛下を魔の宮殿から救出すると仕向けます。計画の盟主はレムシャイド伯で、実行犯はランズベルク伯とシューマッハ大佐です

勝手知ったる新無憂宮ノイエサンスーシベーネミュンデ皇帝陛下像から隠し通路が出現、フェルナーはこの情報を聞きつけますがオーベルシュタインはワザとそのまま幼帝を誘拐させる気です。巨大地下迷宮を進み彼女は皇帝との過去を思い出し、シューマッハはフェザーン人を信じるなと慎重です

陛下のお寝間の真下から直接向かうと幼帝は荒れており、ベーネミュンデが腕を食いちぎられても忠誠を誓い彼は従います。即ケスラーからラインハルトに報告があり、主犯3人の顔も割れますがヒルダランズベルク伯のロマンチストぶりから幼帝だけがターゲットで裏にフェザーンが絡んでいるとはオーベル~です

オーベル~はこの機に皇帝を廃棄するのですと冷徹で、ヒルダは危険視しこの男と戦わねば…と感じます。フェザーン商人ケスラーに捕まり、1か月後正式に軍人になるとユリアンは張り切り、ヤンフレデリカよりトリューニヒトから重大な緊急演説があると告げられます

トリューニヒト幼帝の亡命を高らかに宣言、同盟全土に騎士症候群ナイトシンドロームが蔓延します。ヤンローエングラム公の策略かもしれないと看破し、事実ラインハルトは通信で気高く罪人に懲罰を加えると宣言、宣戦布告です。帝国同盟問わずラインハルトヤンの直接対決を想起する場面でこの巻は終わります

まとめ

ミュラーヤン不在と確信しますが副司令という立場から自重し、ケンプに従います。結果ヤンメルカッツの見事な挟撃に遭い勝敗は決しました。ここでやっとケンプは発想の転換=要塞に要塞をぶつける事を思い付きますが時既に遅しでヤンに見抜かれガイエごと藻屑と消えます

9割を失う大敗にラインハルトは激昂しますが、ミュラーは得難い人物とし寛大でしたキルヒアイスの諫めがあり、彼は死者にしか心を開かない哀れな人です。オーベル~も冷徹だけにヒルダがその代わりとなれるかが肝となりそうです

一時の平穏も同盟には先の大出兵の大敗で軍事力に余裕がなく動こうにも動けません。ここで風雲急なのは幼帝亡命の動きです。原作では既に毒死しているベーネミュンデをここで起用する独自要素も取り入れ、例のフェザーン商人にほだされ3人は幼帝を誘拐します

当然オーベル~は気付いており、ワザと泳がせトリューニヒトに扇動させ、ラインハルトは大義名分を得て宣戦布告です。いよいよラインハルトVSヤンの直接対決が現実味を帯びてきました…是非ヤンに自由な手腕を発揮できる裁量を与えて欲しいものです。18巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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