前回までのあらすじ
トリューニヒトは幼帝の亡命を高らかに宣言、同盟全土に騎士症候群が蔓延します。ヤンはローエングラム公の策略かもしれないと看破し、事実ラインハルトは通信で気高く罪人に懲罰を加えると宣言、宣戦布告です。帝国同盟問わずラインハルトとヤンの直接対決を想起します…

「神々の黄昏」作戦
オーディンのフロイデン山岳地帯に居を構えたアンネローゼをヒルダが尋ねます。ラインハルトは彼女がテロの標的になる事を心配しており、アンネローゼは昔語りをしヒルダはこのつつましく美しい女性が今日の世界をつくったと悟ります
ジークから人生と生命とそれ以外の全てまでも奪った罪深い女だと蔑み、ヒルダは護衛の件を懇願しアンネローゼは受け入れます。ラインハルトは諸将を集め同盟への武力行使=「神々の黄昏」を提案、オーベルシュタインは例のフェザーン商人を脅しフェザーンの居場所を聞き出そうとします
ボルテックは本星から出るフェザーン人は頭に爆弾を仕込まれていると自爆もオーベル~は中和磁場で無傷です。死に際異教徒と呟いたのが気になります。フェザーンではルビンスキーがケッセルリンクに実子だと告げ、彼は親子だからではなく能力をかって補佐官に任命されたと信じています
デグスビイ主教が現れ、その場を後にしたケッセルリンクは愛人のドミニクを抱き全て奪ってやると誓います。ラインハルトの宣戦布告を見直しヤンはイゼルローンに拘らずいきなり同盟の真ん中に現れるぐらいやってのけそうな気がすると推察します
ラインハルトは皇帝の廃立を発表しカザリンが生後5か月の女帝となりゴールデンバウム王朝最年少かつ恐らく最後の君主です。双璧による大演習・艦隊運用演習が行われ未曾有の大遠征が始まります
イゼルローン・フェザーン両回廊を同時侵攻
第1陣、第2陣、第3陣、第4陣と続き、同盟は震撼しますがイゼルローンとヤンの存在でそれ程危機感は感じていません。11月ロイエンタール艦隊36000がイゼルローンに現れます。一方ミッターマイヤー艦隊以下は~回廊とは真逆の位置に向かい、何とフェザーン回廊を目指すと宣言、オーベル~が発見したのです
同盟の意表を突き要塞とヤンを無力化出来る「神々の黄昏」作戦の骨子で巧妙に隠れている確かに通れる細い道がありミッターマイヤーが先陣を切って進みます。ロイエンタールはベルゲングリューンに大いにキルヒアイスと比べろと諭し派手に射程外から遠距離攻撃で仕掛けます
ベルゲン~は2人の違いを感じ、彼の乱世の英雄といった風にそれもいいと感じます。ルッツが半包囲に周りヤンはアッテンボロー・フィッシャーに迎撃させるとルッツは「雷神の鎚」射程内に突撃、乱戦となります!実はユリアンはイゼルローンを離れており辺境に異動となってしまったのです
ユリアンにヤンは単独行動で極秘任務を指令、マシュンゴと共にハイネセンへメルカッツを送りポレヴィト星系という辺境に行く事になります。ミッターマイヤーは道なき道を進み無人防衛システムに阻まれ指向性ゼッフル粒子装置を送り込みますが破壊され、仕方なくヤンの例の氷塊戦法で打開します
途中地球教徒を拿捕し、「ラープ門」は決して抜けられぬとどうやら関所のようです。「ラープ門」の流体金属層に10万を超える浮遊砲台が出現、ミッターマイヤーはロイエンタールの方がまだ楽な気がすると冷や汗です
ロイエンタール旗艦にシェーンコップが侵入
極めて複雑な地形で1個艦隊がギリギリ入るかどうかという所、ミッターマイヤーはミュラーと2艦隊で当たって良いか許可を申し出、ラインハルトは盾で防いで槍で突くと看破し了承します。ルビンスキーは万が一に備え脱出の準備をし、ケッセルリンクはデグスビイに取り入ります
ミッターマイヤーはミュラーを円筒陣で盾とし中央突破、反転し挟撃というこれしかない案で進め、ヒルダはミュラーの汚名返上も兼ねていると見抜きます。防御磁場全開で守りミッターマイヤーが特攻、何とか突破し挟撃で「ラープ門」を撃破します
ユリアンはメルカッツと別れビュコックに会いヤンの幼帝の亡命の件からもフェザーン回廊からの侵略について話し、吾々でフェザーン回廊の同盟側出口を発見するよう協力を申し出ます。ここで双璧の過去が明かされ、戦場で意気投合した2人、プライベートではミッターマイヤーがエヴァに7年掛けて求婚します
そんなめでたい話にロイエンタールは真逆で実母に目をえぐられそうになった過去を語り、女性に対しては冷酷で有名です。まるで正反対の2人ですが友情の障害にはならなかったのです。ロイエンタールは旗艦ヒューべりオンを確認し全艦前進最大戦速で襲い掛かります
するとシェーンコップの強襲揚陸艦が旗艦トリスタンに衝突、ヤンは撤退し薔薇の騎士に後を託します。艦内に侵入したシェーンコップはゼッフル粒子で銃を使わせず、早速ロイエンタールを見つけ白兵戦を挑むところでこの巻は終わります
まとめ
「神々の黄昏」作戦は同盟の意表を突く大胆な作戦で、原作や旧アニメでは実在し描かれて来たフェザーンは未だ見ぬ地として藤崎竜版では描かれ、特に簡易に突破出来たミッターマイヤーが非常に苦労して「ラープ門」を撃破した事が克明に記されます
第3勢力としてのフェザーンはルビンスキー・ケッセルリンク親子の思惑もあり両陣営を巧みに誘導し均衡を保とうと操っていましたが、ボルテックも死にオーベル~の魔の手が忍び寄ります。この時期原作ではユリアンはフェザーン弁務官武官として訪れる訳ですが、藤崎竜版はポレヴィト星域という辺境への異動という差異です
同じ物語を全く同様に描いても面白くありませんし、漫画だから出来る改変はここまで内容が多くの人に理解されている銀英伝ですから歓迎したいですね!本丸と見せかけたロイエンタールも容赦なく盛大に陽動しますが、お互いの旗艦から釣られ、特にシェーンコップ達薔薇の騎士はトリスタンに肉薄し得意の白兵戦です
一見非の打ちどころのないロイエンタールですが、女の影も付き纏い何か不穏な空気も漂います…彼の動静には今後も要注意です。本職=白兵戦でシェーンコップは華麗なロイエンタールを葬る事が出来るのでしょうか?19巻に続きます…
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