「銀河英雄伝説(藤崎竜版)」21巻の数々の激戦と成長譚~2人の天才の一騎打ち実現!奇策に対し陣容充実のヤンがミュラーも押しのけ王手!トリューニヒトからのメッセージで急転直下の大どんでん返し、勝ちを譲られたラインハルト~

  1. 前回までのあらすじ
  2. ラインハルトVSヤンの一騎打ち
  3. 4度も旗艦を代えた提督=ミュラー
  4. 「バーミリオン星域会戦」の意外な幕切れとは⁉
  5. まとめ
前回までのあらすじ

ノッて来たところで各提督で包囲殲滅する算段です。ヒルダはウルヴァシーに残させ、本隊はゆっくりハイネセンに向かい必然的にヤンと相対する事になりヤンでも勝率は5割に満たないと全将兵に半日間の休暇を与え、ヤンはなけなしの勇気を振り絞りフレデリカに求婚します!

神々の黄昏ラグナロック」作戦の最終決戦…バーミリオン星域会戦が始まろうとしています…

ラインハルトVSヤンの一騎打ち

フレデリカは2人の年金を併せたら老後も食べるには困らないとトンチンカンで(笑)、ヤンは返事を請いOKを貰い言葉が出ません。ロイエンタールは不敵でベルゲングリューンは自重を薦めます。ヒルダは憂慮しこっそりラインハルトに邪魔にならない場所から観戦する気です

ラインハルト紙の束にワインを垂らし薄い紙でも数十枚重ねればワインを吸い取ってしまうとこれは陣形の例えです。バーミリオンでほぼ同数の2人の鬼才が正面からぶつかります。万華鏡のような前例のない陣形にヤンは方陣で対し、受け身型の司令官なのです

ヤントゥルナイゼンの綻びを見逃さずモートンに凹陣形で半包囲させ大混乱、ヤンは円錐陣に再編し中央突破を図ります。ところがこれはラインハルトの意図した機動的縦深陣の終わりなき奈落です。突破を繰り返しても新たな敵が現れパイの皮を剝くように次の防御陣が現れます

ユリアンが強行偵察型スパルタニアンで敵の陣形を見に行き、左右12段ずつ24段の横列陣をカードの様に配置、1枚ずつスライドさせ前にしか進めないように仕向けており、ブリュンヒルトを確認したユリアンは直接ラインハルトを倒すしかないとヤンに報告します

4度も旗艦を代えた提督=ミュラー

空戦隊の消耗激しく、コーネフの死を知ったポプランは疲労の極みで怒り俺の時は戦艦が半ダース必要だと凄みます。アッテンボローの提案に乗ったヤンは十二の小艦隊に分かれ翻弄、ラインハルトは艦隊を一つにまとめモートンを集中砲火、その隙に残りの艦隊が攻撃しやすくなり無駄死にではありません

ヒルダミッターマイヤーの元へ急ぎ、ラインハルトが負けると確信します。ブリュンヒルトを守ろうと陣形が崩れ、ヤンは全艦隊で半包囲、アルトリンゲン・ブラウヒッチ・トゥルナイゼン壊滅です!ラインハルトはそれでも退く事を拒み、ブリュンヒルトが剥き出しとなり窮地もここでミュラーの援軍です

ヤンは敢えてミュラーを通し半包囲とし、旗艦リューベックを捨て結局ミュラーは4度も旗艦を代えた提督としてその勇名を後世に伝える事になります。後方のラインハルトを狙って小艦隊が動き出し敵艦隊にムラが生じアッテンボローは特攻、ついにその砲列がブリュンヒルトを射程内に捉えます

「バーミリオン星域会戦」の意外な幕切れとは⁉

ここで首都星よりメッセージが届き、トリューニヒトは同盟は帝国に全面降伏する事に決定したと無情です。無条件停戦を命令され、シェーンコップは無視してこのまま全面攻撃なさい、3つのものを手に入れられると諭します。これはヒルダミッターマイヤーにハイネセンを突かせたからです

ロイエンタールと協力して統合作戦本部ビルを破壊し降伏勧告、アイランズヤンに託そうとしますがトリューニヒトは狡猾に彼の汚い過去を暴き、ビュコックが実力行使に出ると地球教徒に襲われ同盟政府は降伏します。ヤンはそのもあるが私のサイズに合った服じゃなさそうだと従います

あと一歩というところで停戦を申し出てきておりラインハルトは勝利を譲られたと悟り、足かけ12日間に渡った「バーミリオン星域会戦」は終結します。2人の直接対決は死傷率7割を超える軍事上の常識を超えた正に死闘だったところでこの巻は終わります

まとめ

一見ラインハルトの作戦は完璧に思えましたが、魔術師ヤンはそれすら看破する手腕を発揮します。アッテンボロー・フィッシャー・メルカッツ・カールセン・モートン等キラ星が如く役者が揃いラインハルトの分散作戦は裏目に出ます。途中ミュラーの善戦もありましたが、勝敗は決したかに見えました

アッテンボロートリグラフ旗艦がついに…というところで無情のメッセージはトリューニヒトの同盟全面降伏という通達でした。当然勝ち戦に特に野望多きシェーンコップヤンを焚きつけますが、ヤンはそのもあるが私のサイズに合った服じゃなさそうだと従い本当に彼らしい結末です

今まで自身の力で勝ち取って来たラインハルトにしたら勝利を譲られたと気が気ではありませんが、ヒルダの献身がなければ命を落としていた所です。ヤンの野心のなさやトリューニヒトの情けさなさ、ヒルダの献身等幾つもの伏線が絡まってのこの結末には、何かやるせなさと共に不思議な納得感もあります

夢の直接対決はヤン優勢も結果帝国に勝ちを盗まれ、またしても不敗神話を更新したヤンも野心のなさが仇となり勝利を不意にします…お互い言いたい事は多々あるでしょうが局地的には同盟が、大局的には帝国の勝利という形です。22巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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