前回までのあらすじ
シャングリラホテル150階にいるレンネンカンプは流石上級大将だけあり正確な射撃ですが薔薇の騎士に拉致されます。3度の失敗に皇帝も許してくれないだろうとレンネン~は自殺し、これを機に同盟に再び宣戦布告するかもしれずヤンはこの事実を隠し首都星からの脱出を急ぎます…

ラインハルトに覇気戻る
帝国の改革は進み、ビッテンフェルトはラインハルトがあまりにも早く頂点を極められたと嘆きます。ヒルダはワーレンの地球教殲滅とレンネン~の拉致について報告します。フレデリカはレンネン~に死に化粧を施し生きている様に装い、新婚生活もエンタメ的な夫婦生活だと期待します(笑)
ヤンはハイネセンを発ち以降二度と生きてこの地を踏む事はありません。諸将は此度のレンネン~について議論し、オーベルシュタインとミッターマイヤーは完全に相反し、ラングが口を挟むとロイエンタールが激昂、上級大将しか出席を許されぬ会議に割り込むとは!と退席させます
屈辱を受けたラングはロイエンタールに復讐すべく弱みを探します。病床のラインハルトはオーベル~の報告に内心レンネン~が失敗する事を期待していた自分に気付きます。御前会議でシュタインメッツがレンネン~の亡骸を収容した旨伝えられ、彼の才気とこの結末に気の毒な事をしたと嘆きます
更に数日後の会議で戦いの時代は終わったと軟化するとビッテンフェルトが檄を飛ばし、ラインハルトは感化され、フェザーンへ遷都し同盟に侵攻し滅ぼしヤンを討ち決着を付けると覇気に溢れます。微妙な立場のユリアンもワーレンの計らいでオーディンに降り立ちます
一方ロイエンタールはある女を家に匿い、キャゼルヌは大将の地位を蹴ってまでしてヤンと合流、ヤンはメルカッツの元に向かいます。ヤンは同盟はいずれ滅びるが、民主共和制の灯を残さなければならないと使命感を感じています
ヤン、イゼルローン奪取が至上命題
レダⅡを哨戒中のカリンが先導し、シェーンコップはあれは俺の娘だと言うのです!アッテンボローに彼はバーミリオン会戦の直前に手紙で母親が死んだと知らせて来たと言い、先方も会う気はないだろうとします。数日後エル・ファシルが独立宣言し、ロムスキー医師はヤン元帥の来訪を心から歓迎すると言うのです
シェーンコップ・アッテンボローの煽りにエル・ファシルとイゼルローンを結び解放回廊とする案をヤンは思いつきますがまだその時期ではありません。ラインハルトはFTL画面越しに此度の所業からバーラトの和約の精神は穢された、実力を持って正すと親征します
この大遠征にヤンはイゼルローンに帰るか…とやっと決意し、まずはエル・ファシルに赴きます。ヤンの誤算はビュコックが同盟最後の死闘を演じる事でした。ユリアンもヤンに合流すべくエル・ファシルに向かいます。ヤンは奇蹟再び、魔術師帰還す!と大々的に報じられ、民衆皆彼を待っていました
ヤンは非常に短い挨拶で済ませ(笑)トリューニヒトのようにはいきません。ユリアンは指令ビルに赴きカリンと遭遇、塩対応でアッテンボローからシェーンコップの娘だと聞き納得します。ユリアンはヤン達と再会、ボリスはフェザーン商人達と資金援助の交渉をしてくれないか頼まれます
イゼルローンを墜としたら話を通してやろうという事で、再奪取が至上命題となります
ユリアン司令官によるイゼルローン奪還作戦
ヤンはロムスキーの自由惑星同盟正統政府という案に不服で、イゼルローン奪還作戦を考案、今回はヤンは離れられないので後進を育てる意味でも司令官はメルカッツとしますが、彼はユリアンを司令官に推薦し、ユリアンも了承します。対するのはルッツ上級大将です
新年を祝い、シェーンコップは白兵戦の経験がないという理由で今回の作戦にカリンを外しており怒りを買います。再奪取に向けユリアン一世一代の大ペテンを開始、皇帝からの異なる指令にルッツはヤンがイゼルローンを狙っていると動きません。第3・4の指令もあり第5の指令こそが本当の皇帝の命令でした
ルッツは動かず皇帝の怒りを買い、挟撃戦が遂行出来ずルッツの動きは重要なのでヒルダに再度出撃の要請をしますが妨害電波で完全に遮断、ユリアンからの偽命令が届きやっとルッツは出撃します。1万5000隻が出撃し、10分の1のユリアン艦隊はイゼルローンに特攻します!
当然雷神の鎚の射程に入りますが暗号文を送信、司令塔がシステムダウンし要塞に侵入出来ます。これがヤンの仕掛けた置き土産だったのです!肉弾戦は薔薇の騎士に任せユリアンは居住区のある一室に赴きキーワードを入力、メインコンピューターとします
ヴェーラー中将はダッシュブルク参謀に変装したヤンの置き土産に捕まり、大慌てで戻るルッツ艦隊にユリアンが雷神の鎚を発射するところでこの巻は終わります
まとめ
原作との違いとして今巻で大きいのはユリアンがイゼルローン奪還作戦の司令官に抜擢される事でしょう。地球→オーディンと見分を広めたユリアンはメルカッツの推薦もあり後進を育てる意味でも若手の抜擢となり、本人も了承し原作とは異なる描写です
また、例のルッツへの偽通信も原作ではバグダッシュが担っていましたが、藤崎竜版ではダッシュブルク参謀に変装したヤンの置き土産として登場します。先述しましたが同じ作品を同じ切り口で綴っても面白くありませんので、こういった改変は歓迎したいところです
ラインハルトが発熱もあり少し日和った感もありましたが、ビッテンフェルトの檄に感化され覇気を取り戻す様はまだまだ彼の尽きぬ野望が成就されていない事を悟らせます。若くして頂点を極めたラインハルトですが、その覇気は衰えず臣下は彼に付いていくのです
気になる描写としてはロイエンタールとラングの確執と、ロイエンタールの女癖の悪さです。復讐の為に弱みを見つけると話していたラングだけに、元々謀反の癖も見られたロイエンタールが悪い方向に向かわない事を祈るのみです…25巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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