「銀河英雄伝説(藤崎竜版)」26巻の数々の激戦と成長譚~イゼルローンのスローガンは「民主主義万歳‼」より「くたばれ皇帝‼」がしっくり!2人の英雄の最後の天王山=「回廊の戦い」へ…猪武者=ビッテンフェルトが釣られ戦端が開かれ~

  1. 前回までのあらすじ
  2. 民主主義万歳ビバ・デモクラシー‼」より「くたばれ皇帝カイザー‼」の方がしっくり
  3. 2人の英雄の最後の天王山=「回廊の戦い」へ
  4. 「釣り」に成功するアッテンボロー
  5. まとめ
前回までのあらすじ

エミールは凄い戦いでしたと興奮し、他の銀河系でも何処へでもお供します!としラインハルトは銀河系だけで充分だと満足します。マル・アデッタ星域会戦は終結し、その僅かな時間の後皇帝カイザーにイゼルローン失陥の報が、ヤンビュコック・レベロ訃報が届き歴史の激流はその激しさを増していきます…

民主主義万歳ビバ・デモクラシー‼」より「くたばれ皇帝カイザー‼」の方がしっくり

2元帥が緊密に連携し役割分担したと読むロイエンタールですが、ヒルダヤンの性格上それはない、各々の個人プレイだとしルッツは謹慎を命じられます。一方ヤンは紙コップを潰し珍しく激昂し、2人ビュコック・チュンの人柄から誘拐同然でもお連れすべきだったと悔いフレデリカに慰められます

ムライ達が5000隻以上も戦艦を引き連れ到着し、ファイフェルから例のウイスキーを預かります。カリンシェーンコップに会い、真の目的=父親としての責任を問い興ざめされ、母を愛していたか問い愛してもいない女を抱くには人生は短すぎるだろうなとされカリンは失望して去ります

ビッテンフェルトファーレンハイトは殴り合いから意気投合し親友となります(笑)ラインハルトは歴史上初めてハイネセンの地表を踏んだ銀河帝国皇帝となり大部分の市民は従順な中僅かながら民主共和制への忠誠心を放棄しなかった者もおり、ラインハルトは立派だと占領行政は寛容を持って進められます

レベロ殺害を行った者は特にファーレン~に命じ厳罰に処し「冬バラ園の勅令」で同盟市民は民主共和制は軍事力によって敗れたのではなく1個人の器量に敗北したと衝撃を受けます。こうして同盟は滅亡し帝国の敵はヤンのみとなり2人の英雄の最後の激突「回廊の戦い」めがけて歴史の風が吹き込んで来ます

ユリアンが持ち帰った地球教徒のデータを今やっと検証し、ボリスにフェザーンを調べさせユリアンはデータをワーレンに渡しておりオーベルシュタインが地球教の残党を掃討します。アッテンボローの「民主主義万歳ビバ・デモクラシー‼」よりポプランの「くたばれ皇帝カイザー‼」の方がしっくり来て以降「皇帝万歳ジーク・カイザー」に対抗します

2人の英雄の最後の天王山=「回廊の戦い」へ

ヤンの麾下に集った兵力は2万8840隻にも及び数だけなら過去最大級ですが3割弱が修理や整備が必要、2割が新兵達で訓練が必要です。アッテン~は伊達や酔狂で革命戦争をやっているとイゼルローンには反骨精神のような気風が存在し事態が深刻な程却って表面的に陽気になりヤンのお陰です

冬バラ園を気に入ったラインハルトは宿舎としますが近くで爆発があり、無差別テロの見方が強くキスリングに連れられ脱出します。オーベル~は地球教徒の仕業だと見抜いており憂国騎士団アジトを急襲、掃討しルッツは「フェザーン方面軍司令官」とされワーレンと交替、歓送迎会が行われます

向かう途中ワーレンは義手が故障し遅れると会場が爆発、シルヴァーベルヒが死亡しオーベル~・ルッツも負傷、「地球教徒狩り」への報復と思われます。ルッツを見舞いクララに夢中でワーレンは呆れます(笑)ハイネセンの精神病院でも火災がありフォークが脱走、オーベル~は相次いだテロ事件に地球教徒の厳しい弾圧を行います

ラインハルトは度々発熱もある中ヤン屈服を目論み、ヒルダも親征に賛成しミッターマイヤー皇妃カイザーリンであるかのような威厳を示したと評しますが、ロイエン~は彼女が俺を警戒しているとし、皇帝カイザーがあの覇気がある限りは裏切る訳はない(才幹において皇帝カイザーに劣っているとは思わない)と不敵です

皇帝カイザーヤン一党掃討の先発にビッテン~・ファーレン~を命じ大遠征軍の新発準備を完璧に整え、イゼルローンの反対側にはメックリンガーが布陣し背後をやくします。「回廊の戦い」はC字型に貫きイゼルローンが陥落すればO字型の巨体で宇宙を抱きすくめる事となります

思いがけぬヒルダの賛成に最後の戦いだけ曲げられるのも寝覚めがお悪いでしょうとし、キルヒアイスを引き連れていくように見えたヒルダは疲れているようです…ヤンロムスキーを多様な政治的価値観の共存こそが民主主義の精髄ですよと諭し、文民政府に足を引っ張られる危機を回避します

「釣り」に成功するアッテンボロー

カリンは今回が本格的な出撃となり、工具をばら撒きユリアンと遭遇、嫉妬が感じられシェーンコップの件で言い争いとなり、キャゼルヌユリアンが不器用だと感じオルタンスも同調します。ユリアンは寝室で大声を上げ、ヤンは言わば半熟だと久しぶりに2人で語らい、ユリアンはこの事を死ぬまで忘れません

ビッテン~の幕僚が和平を申し出るよう進言しビッテン~は一蹴し、ファーレン~の降伏勧告の勧めを真に受けアッテン~と舌戦となりメルカッツは挑発は有効かもしれないとします。「回廊の戦い」前哨戦メック~ヤンの3万隻に臆し牽制と分かっていながら後退、後顧の憂いがなくなりヤンは反転します

ビッテン~メルカッツから降伏の通信が入り、ビッテン~は偵察艇を倍増しアッテン~と遭遇、一挙攻勢しアッテン~は得意の逃げるフリで「釣り」に成功します。回廊に引きずり込みファーレン~も遊兵化し、ヤンは勝ったな…と本隊全速前進し猛虎を檻に閉じ込めるぞと気を吐くところでこの巻は終わります

まとめ

タイミング的に絶妙ながら各々の個人プレイだったイゼルローン奪取ですがヤンビュコック達の人となりから懺悔します…結果イゼルローンが民主共和制最後の砦となり、皮肉にも賛同者が集まって一大勢力となります。3割が修理が必要、2割が新兵ですがそこは魔術師の手腕発揮で約3万隻と過去最大規模です

ラインハルトヤンとの最後の直接対決だと意気込み、あのヒルダも止められませんが度々起こる発熱が不穏です。あの覇気があれば従うというロイエン~覇気がなければ…という点が不可解です。オーベル~は地球教徒一掃に奔走しますが、フェザーンで爆破テロに遭いルッツと共に負傷します

ヤンの活路は狭い回廊内に帝国を誘き出す事で、挟撃の憂いを全艦隊出撃でメック~に後背のオーディンの事を想起させ撤退に成功、後顧の憂いがなくなり、更に猪武者のビッテン~アッテン~が煽り戦端を開かせ思惑通りです。これがミッター~ではそう上手くは事が運ばなったでしょう

黒色槍騎兵艦隊シュワルツ・ランツェンレイターの勇名は世に轟いていますが、諸刃の剣で脆い一面もあります。ヤンにしたら御しやすい相手で、上手く煽り狭い回廊に引き込めれば勝機はあります。2大英雄の最後の天王山「回廊の戦い」を見守りましょう!27巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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