「銀河英雄伝説(藤崎竜版)」7巻の数々の激戦と成長譚~アスターテ会戦終結で負け戦でもヤンを英雄視…ジェシカを助けた代償は半個艦隊で難攻不落のイゼルローン奪取という無茶振り!ヤンが編み出した奇計とは⁉~

  1. 前回までのあらすじ
  2. アスターテ会戦終結
  3. 即席の第13艦隊半個艦隊でイゼルローン攻略の無茶振り
  4. 後のラインハルトの頭脳となるオーベルシュタイン・ヒルダ登場
  5. まとめ
前回までのあらすじ

負けはしないと言われラインハルトファーレンハイトを先頭に超攻撃型紡錘陣形を取り中央突破を図る気です。ヤンは冷静に全艦に戦術コンピュータのC4というフォルダを開かせ、歴史を学んだヤンは勝つ事が出来ないなら「負けない戦い方」で挑むと宣言します…

アスターテ会戦終結

ラインハルトは分断に成功したかに見えましたが、それは擬態で彼はヤンにしてやられたと悟ります。既に2戦している為早く戦いを終わらせる必要があり、早期の決着の為中央突破に出る事を予測し分断されたふりをして二手に分かれたのです。反転したらいい標的になるので前進する他ありません

結果お互いの後尾に襲い掛かる蛇の様な陣形で消耗戦となり、最早負ける事のないヤンは歴史の妙について語り、ラインハルトは撤退を指示、結果2倍の敵に三方から囲まれ2個撃破し最後は背後を取られながら互角に戦ったとキルヒアイスは評価しますがラインハルトは悔しそうです

ヤンもサッと退き、ラインハルトからの通信文に敢えて返事はしませんでした。同盟は惨敗しましたがヤンは英雄と祭り上げられ民衆の目を事実からそらしたのです。アスターテ会戦は帝国の10倍の戦死者を出した同盟でしたが侵入は辛うじて防がれます

ハイネセンに戻るとトリューニヒトの差し金で英雄視されヤンは辟易します…政治ショーに利用されたのです。ラップの死で婚約者のジェシカの心配をするヤン、彼女は遺族の交流会に参加し深く考え自慢のロングヘアを切ってしまいます

即席の第13艦隊半個艦隊でイゼルローン攻略の無茶振り

遺族会でイザコザを起こしたジェシカヤンラップの墓に赴くとそこに彼女はおり改心したかに見えました。ところが慰霊式典でトリューニヒトが煽るとジェシカが勇気を出し発言します。婚約者を亡くした彼女はあなたは今どこにいます?と核心に触れます

安全な場所で煽るだけのトリューニヒトを皮肉ったジェシカ、警備兵に連れて行かれ、彼は憂国騎士団を出動させます。ユリアンヤンは現場へ向かい、襲われるジェシカを巧みに救いジェシカトリューニヒトにケンカ売っちゃったと悪びれません(笑)

ヤンシトレに呼び出され、少将に昇進したヤンは理由を負けたからでしょう?と察します。グリーンヒルパエッタへの作戦案が通っていれば同盟は勝っていたか問われ多分と自信げです。ヤンは第13艦隊の初代司令官として通常の半分の6400隻を率い、何と半個艦隊であのイゼルローン攻略を命ぜられます!

後のラインハルトの頭脳となるオーベルシュタイン・ヒルダ登場

トリューニヒトの勢いを止める意味でも反トリューニヒト派は地位を強化せねばならず、イゼルローン要塞奪取ぐらいの偉業が必要なのです。ヤンは巧みにジェシカの身の安全を天秤に掛け交換条件として微力をつくすと一致します

オーディンではついにラインハルトが元帥杖を授与され元帥府を開設し幕僚を自由に任免する事が出来ます。式典に参加出来ず外で待つキルヒアイスオーベルシュタインが接触、義眼の調子が悪く驚かせます。ルドルフ大帝の時代なら「劣悪遺伝子排除法」に引っ掛かっていただろうと…

イゼルローンに赴任する彼はいずれローエングラム伯の下で戦う日が来るでしょうと予見して去ります。後日ラインハルトにその事を伝えキルヒアイスは何か不吉な予感がします。アンネローゼ邸に赴くとラインハルトは狙われており、2人で倒すと逆に彼女はベーネミュンデの手先めっ!と騒ぐのです

彼女はマリーンドルフ伯爵家の令嬢ヒルデガルドで、アンネローゼが宮廷で出来た初めての友達です。とんだ客人に2人は水入らずの時を過ごし損ね、ヒルダはその事を案じ人の心を推し量る事に優れています。いずれオーベル~と共に頭脳面においてラインハルトを支える存在となっていくのです

旗艦ヒューべりオンでヤンは作戦が盗まれたと帝国の諜報部隊を追う素振りを見せます。シュトックハウゼン要塞司令官ゼークト駐留艦隊司令官両大将は明確な役割分担がなされ仲は最悪、救出に向かうゼークトオーベル~は罠だと進言しますが却下されます

アッテンボローは得意の逃げ芸を披露、傷ついた諜報部隊は実はヤンが放った工作員で上手く要塞に侵入します。シュトック~が諜報部隊長に近づくと彼は実は「薔薇の騎士ローゼンリッター」のシェーンコップであべこべに人質に捕ってしまいます。ヤンが授けた作戦は中枢部侵入と全要塞に催涙ガスを流す事です

ヤンゼークト艦隊から逃げ続け、「薔薇の騎士ローゼンリッター」から成功の報せがあるまで逃げるふりを続けるとし、ムライが失敗したら?と問うと「頭をかいてごまかすさ」と能天気なところでこの巻は終わります

まとめ

いよいよヤンがその明晰な頭脳からあの天才=ラインハルトを手玉に取り撤退させる様は痛快です。どう見てもラインハルト優勢でしたが、ヤンの巧みな戦術でいなしてしまうのがその覇気の無さからは想像出来ない戦術家ぶりでこの対比が絶妙に描かれ銀英伝は輝きます

ラップを亡くしたジェシカは不憫で、民衆を煽って自身は安全な場所から動かないトリューニヒトを皮肉る場面も色々考えさせられます。ヤンの機転で事なきを得ますが、ジェシカの今後の動向も注視しましょう。代償にヤンは即席の第13艦隊半個艦隊の初代司令官としてイゼルローン奪取の無茶振りを受けます

3巻でも語られたように大艦隊でも墜とす事の出来なかったイゼルローン要塞を半個艦隊で墜とす等無茶が過ぎますが、ヤンは奇計の一点突破でこの難題に挑みます。「薔薇の騎士ローゼンリッター」のシェーンコップの身を挺した侵入は成功、要塞全体を催涙ガスで襲う算段です

逃げるふりにかけては同盟随一のアッテンボローの巧妙さが光り、ムライの苦言にもヤンは「頭をかいてごまかすさ」と能天気です(笑)どちらかと言うとシリアスな帝国側に対し、このヤンの存在が同盟側を親しみ深くし、その対比が相変わらず素晴らしいです。8巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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