「銀河英雄伝説(藤崎竜版)」8巻の数々の激戦と成長譚~難攻不落のイゼルローンを奪取するヤンの魔術とは⁉カストロプ動乱をキルヒアイス華麗に解決!フォークの大規模侵攻作戦にヤン辟易…意外にもトリューニヒトも反対~

  1. 前回までのあらすじ
  2. ヤン、難攻不落のイゼルローン要塞を奪取
  3. カストロプ動乱
  4. フォーク立案の総動員数3022万の大遠征
  5. まとめ
前回までのあらすじ

アッテンボローは得意の逃げ芸を披露、傷ついた諜報部隊は実はヤンが放った工作員で上手く要塞に侵入します。シュトックハウゼンが諜報部隊長に近づくと彼は実は「薔薇の騎士ローゼンリッター」のシェーンコップであべこべに人質に捕ってしまいます。ヤンが授けた作戦は中枢部侵入と全要塞に催涙ガスを流す事です

ヤンゼークト艦隊から逃げ続け、「薔薇の騎士ローゼンリッター」から成功の報せがあるまで逃げるふりを続けるとし、ムライが失敗したら?と問うと「頭をかいてごまかすさ」と能天気です…

ヤン、難攻不落のイゼルローン要塞を奪取

ムライは「薔薇の騎士ローゼンリッター」が信用ならないとしますが、ヤンは絶対の信頼を寄せ、実際要塞から発光信号で銀色ノ女王ヲ奪取セリと連絡、ムライの正論も鑑みヤンは特攻します。ヤンは万が一ラインハルトがいた場合を恐れていましたが、彼は今オーディンで不在が功を奏しました

オーベルシュタインのみヤンの作戦を看破しましたがゼークトは拒否、ヤン艦隊は要塞内に侵入し捕虜の数は200万人を超え、ヤンは「雷神の鎚トゥールハンマー」を斉射、敵艦隊1500以上消滅、一方的な殺戮です。降伏勧告の上逃げよ、追撃はしないとこれはヤンの長所であり短所です

ゼークトは武人の心をわきまえず死して名誉を全うすると返信し、ヤンは怒りフレデリカに旗艦識別させ再度斉射、オーベル~は離脱しイゼルローン陥落の報で両陣営悲喜こもごもです。要塞を好かないラインハルトは今度は逆に敵の出口になったと危機感を煽り、敵が来たら私が駆逐すると豪語します

第13艦隊はムライ参謀長パトリチェフ副参謀フレデリカ副官フィッシャー副司令官・艦隊運用の名人シェーンコップローゼンリッター連隊長アッテンボロー伊達と酔狂がモットー等一癖も二癖もある猛者揃いで巨大な武勲を引っ提げ凱旋です。ハイネセンで巨漢のパトリチェフの影に隠れてひっそり帰還、中将に昇進したヤンは何と退役届を提出します

歴史研究家志望なのでようやく本道に戻れると晴れ晴れ、平和を満喫すると永遠ならざる平和を享受します

カストロプ動乱

一方銀河の何処かで自治領主ルビンスキー補佐官ケッセルリンクが帝国と同盟の現状を報告、ヤンは第一線に戻されるだろう、ローエングラム伯との戦いは続くと読み、勝利するのはルビンスキーだと豪胆です。フレーゲルの陰謀で今度はキルヒアイスに無理難題を押し付けられ、カストロプ動乱に赴くとそこにヒルダが現れます

ヒルダの父が捕まっており、マクシミリアンは意外な軍事的才能を発揮し帝国の一角に半独立の地方王国を建設するつもりです。隣家のマリーンドルフ伯はフレーゲルの差し金で話し合いに行きあべこべに囚われたのです…キルヒアイスヒルダを副官待遇でそばに置き、ジークとはアンネローゼしか呼ばせないとそこは強情です(笑)

キルヒアイスは艦隊を二手に分け挟み撃ちとし、自身は策士等ではないと謙遜します。カストロプに逃げ帰ったマクシミリアンは同盟に亡命すると全財産をかき集め、罪が軽くなる事を望んだ部下の手で殺され残余の者は降伏します。あっけなく解決しラインハルトも満足、フレーゲルはまたしてもしてやられます

ラインハルトは今回の事でキルヒアイスとタイプの異なる陰謀や騙し合いが出来る参謀が欲しいと強く望むようになります

フォーク立案の総動員数3022万の大遠征

オーベル~が面会を求め、キルヒアイスしかいないのにお人払いを…と不可思議です。覇業を成就するには様々な異なるタイプの人材が必要でしょうとし、キルヒアイスは下がりオーベル~は私を貴族からお買い下さいと請います。例のイゼルローン逃亡の件で立場が悪くなっているのです

義眼を取り外しルドルフ大帝を憎んでいる、銀河帝国は滅びるべきだと毒づきラインハルトキルヒアイスに反逆の言辞があったと逮捕を命じますがキルヒアイスが撃てない事も織り込み済みです。ラインハルトは明け透けない彼を気に入りチャンスを与えます

数日後ブラウンシュバイク領地で反乱が起き、これはオーベル~の差し金でこの非情さにラインハルトは卿を貴族どもから買おうと交渉成立です。一方ヤンは平和を満喫しているとシトレより連絡があり、何と退役届を食べられてしまいます(笑)総動員数3022万の大遠征を行うという大作戦だと…

この作戦はフォーク准将の立案で、政治家を味方に付け議会で賛成多数で帝国領への侵攻が決定してしまうのです。意外にもトリューニヒトは反対でこの出兵が上手く行くとは思っていない嗅覚の持ち主です。幕僚達にもせがまれヤンは重い腰を上げ統合作戦本部ビルに赴き、会議は燦燦たる顔ぶれが揃います

シトレ統合作戦本部長ロボス総司令グリーンヒル総参謀長コーネフ作戦主任参謀ビロライネン情報主任参謀キャゼルヌ後方主任参謀ルフェーブル第3艦隊ビュコック第5艦隊ホーウッド第7艦隊アップルトン第8艦隊アルサレム第9艦隊ウランフ第10艦隊ボロディン第12艦隊ヤン第13艦隊と続きます。フォークが作戦を説明、ウランフへの返答も抽象的過ぎてビュコックは行き当たりばったりだと看破します

ヤンが何故今なのか問うとライバル視するフォークは楽観論で利敵行為とまで言うのでビュコックは怒ります!フォークの弁舌は続きシトレを校長と慕うヤンフォークの様な輩に大勢の命を預ける事は危険だ、君が軍の最高地位につけば彼の様な存在を淘汰出来ると相変わらず重すぎる難題にヤンが辟易するところでこの巻は終わります

まとめ

華麗にイゼルローンを奪取したヤン、その魔術師ぶりが光りますが、彼はこの手土産を機に退役を申し出ます。イゼルローンが同盟の手中になった今、平和を享受すべきだと彼は本当は戦争嫌いで歴史研究家志望なのです。この辺が徹底的にラインハルトのそれとは異なります

帝国側ではカストロプ動乱がありこちらもキルヒアイスが華麗に解決、ヒルダの父も救われます。ここで第3勢力の存在とオーベル~の売り込みがあり、前者は自治領主ルビンスキーが不気味です。オーベル~は非情で陰謀・策略に秀で、ラインハルトは負の面も含め覇業には必要な参謀だと仲間にします

オーベル~は好き嫌いが分かれる人物ですが有能な事には変わりなく、事実ラインハルトの下実績を積み重ねていくのです…一方平和を満喫するヤンの平穏はすぐ終わり、今度は逆に同盟の大規模侵攻を立案、首謀者はヤンをライバル視するフォークです。壮大な計画ですが穴だらけで、トリューニヒトも反対とは意外です

ヤンは今回の出兵には反対ですが流れに逆らう事は出来ず、シトレは君こそトップになって同盟を変えて欲しいと願いますが、ヤンにはその器量はなく、また難題を押し付けられます…9巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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