前回までのあらすじ
ヤンが何故今なのか問うとライバル視するフォークは楽観論で利敵行為とまで言うのでビュコックは怒ります!フォークの弁舌は続きシトレを校長と慕うヤンにフォークの様な輩に大勢の命を預ける事は危険だ、君が軍の最高地位につけば彼の様な存在を淘汰出来ると相変わらず重すぎる難題にヤンが辟易します…

同盟大侵攻も帝国の焦土作戦に…
イゼルローン失陥の責任で三長官が辞表を提出、皇帝はラインハルトを呼びますが、彼は自ら功績を立てた訳ではないと固辞しオーベルシュタインの免責も勝ち得ますがキルヒアイスは危険視しています。皇帝はラインハルトに権限を与え過ぎだとリヒテンラーデに諭されますが、滅びるなら華麗に…と破滅的です
オーベル~はフェザーンの存在を語り、ラインハルトは同盟侵攻の報からロイエンタール・ミッターマイヤー・ビッテンフェルト・ルッツ・ワーレン・ケンプ中将を招集、オーベル~に作戦を説明させます。同盟史上初めてとなる銀河帝国本土への侵攻作戦への対策です
同盟は見事回廊出口を越えますが、敵影は見つからず有人惑星を制圧、物資が不足し配給する事になります。キャゼルヌはロボスに開放地区の拡大に伴い物資が膨大となりこれは帝国の焦土作戦だと見抜きますが消極案として却下されます。帝国から解放された人数が1億を超え、軍の物資が圧倒的に不足します
パトリチェフが何とか民衆を抑えますがいつ暴動を起こしてもおかしくない状況、軍は空腹と焦りで徐々に疲弊していきます
両軍提督の個々の力の差
同盟政府は結果が出るまで物資を送る事に決まり、ラインハルトはキルヒアイスに輸送部隊を襲うよう命令、全滅させ勝利確定し各提督と乾杯し大規模攻勢に打って出ます。民衆は暴徒化しヤンの読み通りでウランフに即時撤退を勧め、ビュコックはフォークと言い争い彼はヒステリーを起こし病気療養となります
ビッテンフェルトの「黒色槍騎兵」は攻撃特化の高速艦で構成されウランフを圧倒、ヤンもケンプに足止めされます。アル・サレムはミッターマイヤーの「疾風ウォルフ」に何も出来ず、ビュコックにはロイエンタールで奇をてらう複雑な陣形で翻弄、ビュコックも塹壕を使い善戦します
ワーレンは実直に、忠誠心篤いルッツはボロディンを追い詰め自決させミッターマイヤー・キルヒアイスの活躍で第7~9艦隊も圧倒、唯一善戦しているのがヤンです。ケンプを撤退させるも新たな艦影はキルヒアイスの大軍です
アムリッツァに両軍集結
ヤンは敵右翼にスパルタニアンを出し揺さぶりをかけ、女たらしのポプランの戦闘艇に整備士は細工をします。ヒューべりオンは4名の撃墜王を抱えており、戦争もスポーツの様に考える神経の太さですが、ポプランは機銃の照準が狂っている事を悟り離脱します
揺らぎもしない敵にヤンはU字陣形の中へ誘い込む他ないとフィッシャーに連絡、ここでロボスより全軍アムリッツァに集結という無茶振りです!ウランフは最期まで抵抗し旗艦「盤古」で殿、ビッテンフェルトに葬られます。敵の集結に意図を悟ったラインハルトは5万に減った同盟とアムリッツァで対します
ポプランは照準が狂っていた事に怒りシェーンコップに宥められます。ビュコックからウランフの死を聞いたヤンは肝を冷やし、食欲がなくフレデリカも心配しますがブランデーなら飲むと言うのでユリアン同様連帯して体を慮ります。ロボスはかつては有能でしたが40代を越え衰えが目立ち過ぎます
グリーンヒルは2人の重用の失敗を感じ、衆愚政治の腐敗に落胆します。帝国VS同盟の構図となり、数が圧倒的に足りないとヤンは嘆くと共に、計算的に数が合わない事に気付き、事実恒星を回って背後からキルヒアイスが迫り、ヤンはその事を恐れ機雷を設置、それすら読んでいるラインハルトでこの巻は終わります
まとめ
同盟の大規模侵攻にラインハルトが授けた作戦はオーベル~による焦土作戦で、ワザと現地の物資不足から同盟軍に支給させる事で混乱を起こさせ、事実解放軍なのに物資が不足し暴動が起こり自滅します。撤退は目に見えており、そこに乗じてキラ星が如く帝国提督陣が躍動します!
ビッテンフェルトの「黒色槍騎兵」は諸刃の剣とはいえ攻勢時は誰も止める事が出来ず、当然双璧と謳われるミッターマイヤー・ロイエンタールは優秀、片腕のキルヒアイスに加えケンプ・ルッツ・ワーレンと隙がありません。各個撃破戦法で善戦したのはヤン程度で、同盟は壊滅的ダメージを負います
ここで無能なロボスはアムリッツァに集結を命令、この無茶振りに同盟提督は大わらわで、何とか集結出来たものの5万隻まで減っています。7万隻の帝国にはまだ余剰戦力の可能性があり、それはキルヒアイスで恒星の裏からグルッと回って背後を狙っているのです…ヤンの機雷もラインハルトに看破されています
結果的にフォークはヒステリーを起こし病床で作戦自体に無理があった同盟、敵地で絶望的危機に陥ります。頼みの綱は最早ヤンしかいません。ラインハルト(オーベル~)が描いた作戦案が実を結びそうな中、同盟のヤンの孤軍奮闘が期待されます…10巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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