「ヒカルの碁」1巻の数々の熱戦と成長譚~ヒカルに藤原佐為が憑依し囲碁の道へ…神童:アキラに2勝し、父:塔矢名人も警戒する程のヒカル(佐為)の実力~おまけ記事アリ☆

はじめに

異色の碁をテーマとして扱ったヒカルの碁は、連載当時非常に稀な題材だったものの大人気となり、囲碁の世界を漫画を通して普及したその功績は大きい作品です。累計発行部数2500万部を超える人気作に、今回はスポットを当てていきます

ヒカルに藤原佐為ふじわらのさいが憑依

蔵でお宝探しをしていたヒカルは碁盤を見つけ、そこから藤原佐為ふじわらのさいが憑依する事になります。佐為さいはイカサマがきっかけで入水し、魂は成仏せず、碁盤に宿りあの本因坊秀策にも憑依していたのです。怨霊に憑りつかれたヒカルは泣く泣く碁をやる羽目になります

碁好きのじいちゃんと一局打つ事になり、140年ぶりに打つ佐為は感慨深げです。佐為の指示に従いますが上手く行かずじいちゃんは去ってしまいます。囲碁教室に行き、そこで弱い者イジメしている阿古田佐為は怒り、ヒカルは彼のズラを取ってしまいます

先生はある記者が棋士に将棋の歴史上一番強い人を問われ羽生さん当時と答えた中、囲碁のそれは江戸時代の本因坊秀策だと答えたと話します。自販機やテレビに興味津々の佐為ヒカル阿古田をからかい先生の怒りを買います。そこで碁会所を勧められ訪れると年配者の中に子供アキラがいます

同じ6年生だと悟り塔矢アキラと碁を打つ事になり、佐為の指示の下打つとあのアキラが力量を計っているようだと驚きます。結局2目差でヒカルが勝ち、彼が過去一度も対局した事が無いのを知り戦慄します

永遠のライバル:アキラ

ヒカル佐為の存在から変わり始めます。全国こども囲碁大会に臨むと、非常に盛況で活気があります。ヒカルは対局中の者に鋭い指摘をしてしまいひと悶着起こします。何とか放免され、ヒカル塔矢名人とぶつかり佐為神の一手に最も近い男ーとチェックします

ヒカルの鋭い指摘について塔矢名人も納得し、それほどの打ち手ならいずれ我々棋士プロの前に現れるだろうとします。一方アキラは先日のヒカルのまるで指導碁のような打ち手を分析し驚き、ヒカルが囲碁大会にいるのでは?という話から会場へ向かいます

追い出されたヒカルアキラは外で落ち合い、ヒカルの手を見ていつも碁石に触れている訳でもない事を悟ります。アキラは将来プロになるつもりで、賞金稼ぎにもなると話します。しかしヒカルに侮辱されたと思い込んだアキラは怒り、この世界の厳しさを身に染みて分かっているようです

アキラはプライドからか今から打とうと誘い、妙に古い定石を打つ…’’秀作のコスミ’’もそうだと警戒します。コミハンデがない時代だから好手とされたもので、そこに付け入るスキがあるというのです

塔矢名人と対局

地下鉄で移動時にヒカルはたった2目差だった事を指摘すると、佐為は指導碁だったのだと返します。佐為アキラの実力を買っており、成長したら獅子に化けるか龍に化けるか…と警戒します。再度碁会所で2人は瓦戦ハンデなしで勝負となり、ニギってヒカルが当たり黒のコミ5目半となります

鬼気迫るアキラは鋭い一手を放ち、佐為は本気を出しアキラ中押し自分の負けを宣言で勝ってしまいます。アキラは父に褒められた2つの凄い才能を誇りにまっすぐ歩いてきたのに見えない大きなカベがあると感じます。あくる日ヒカルが碁会所に行く事を躊躇していると、先生塔矢名人が会いたいと言っていると連れて行かれます

アキラを2回も破ったヒカルの実力を知りたいと一局打つ事になり、石3つで対局、圧倒的存在感の塔矢名人相手にヒカルも碁打ちを覚えたかに見えましたが、佐為に操られたと感じ途中で逃げ出してしまいます。塔矢名人はヒカルの才能を感じつつ、最後の一手だけ異彩を放っていたとします

碁打ちが満足に出来ず落ち込むヒカルですが、あかりに葉瀬中の創立祭に誘われ、そこで指導碁を打つ男の子を見つけます。簡単な指導碁ではヒカルの手にあまり、どんどん難易度を上げますがものともしません。すると着物姿の男が横槍を入れ将棋の方が100倍面白い、アキラ等オレに負けたサイッテー野郎だと豪語するところでこの巻は終わります

まとめ

ヒカルの碁の優れている点は、決してマニアックな対局内容に終始せず、物語優先で、そこにドラマチックに佐為というSFチックな存在が際立つ構図としている事でしょう。囲碁の対局内容ばかりだと少年ジャンプ読者では理解が追いつかないと考えに考えられた展開なのです

ヒカルはあるきっかけで佐為に憑依され、囲碁の世界に入り込みます。佐為の言う通りに打つとあのアキラを負かせてしまう程の強さなのです!佐為は自己主張はするもののあくまでヒカルの隣にいる別人格として助言するに留まり、言いなりという訳でもなく、その事が今後のヒカルの加速度的成長が生まれる所以です

塔矢親子にも認められる程の強さを誇るヒカルですが、実質佐為の力です。そんな中葉瀬中の創設祭で指導碁をしている男の子と碁を打ち、新手の男も現れます…2巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

おまけ

本巻で碁会所の描写がありましたので、本レビュー筆者は福島囲碁会館に取材に行って来ました。囲碁はルールの理解が難しく、初心者の方向けの入門講座や教室等が各地で開かれており、熱心な囲碁ファンは脚を運んでいるようです

昔は職場の休憩時間に囲碁を嗜む方も多かったようですが、時代の変遷と共にその立ち位置は変わりつつあります。ヒカルの碁ブームは確かにあり、当時の人気は凄まじく、どうやったらプロになれるか?と問い合わせもあったそうです!アニメの再放送も望まれているようですが、現実的には厳しいでしょうか?(サブスク等で今もアニメは観る事が出来ます

全国にある碁会所を旅しながら周るご趣味の方もいらっしゃったそうですが、コロナ禍やAIの発展等で競技人口もだいぶ減少傾向にあるようです。その分頭角を現すと倍率は下がっている訳ですからチャンスはあるとも言えます

将棋や野球界でヒーローの登場で盛り上がりを見せていますが、囲碁界にもそういった方が今後出てくれば、日本古来の伝統文化として再注目される事もあるかもしれませんね。こちらも今後漫画で描写ありますがネット囲碁等間口は広くなっていますので、興味がある方は身近な碁会所・囲碁教室に脚を運んでみても良いかもしれません

今回快く取材に応じて下さった福島囲碁会館の皆様、ありがとうございました

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