「ヒカルの碁」10巻の数々の熱戦と成長譚~4人独走から上位陣星の潰し合い!反則勝ちのヒカル、伊角と共に揺らぐメンタル…末恐ろしいヒカルの伸びしろ、執拗にこだわるアキラの苦悩~

前回までのあらすじ

ヒカルはまず1勝し、学校が2学期に入っても連勝は続き6連勝は伊角いすみ越智おち・和谷・ヒカルの4人です。越智おちは家にプロを呼び指導碁を打って貰う等祖父が教育熱心です。今度アキラを呼ぶ事にし、アキラヒカルが6連勝している事を知り、越智おちからの依頼にヒカルを意識して是非行きますと息巻きます…

4人独走から上位陣の潰し合いへ…

ヒカルは次は椿と対戦、全く臆する事無くなり、昼休憩では社会人組が厳しい現実を語らい悲惨です。そんな中ヒカルは堅実に椿に勝利します。第8戦まで4人は全勝を続け、第9戦でついに和谷も負けます。越智おちは最終戦ヒカルと当たると確認し、明日の夜はアキラが指導碁に来ると勇みます

アキラヒカルが自身に近づいてきている事に冷や汗をかき、越智おちの本気モードに手をユルメず勝利、感想戦をし、今日はヒカルは敗れたと知りアキラは驚きます。明らかにヒカルを意識しているアキラにイラ立つ越智おち、もう来なくて良いと突き放します

ヒカルの1敗は体調不良もあり、佐為は体調・精神面万全で望めばヒカルにも十分勝算はあると話します。第12戦は無敗の伊角いすみとで、いよいよ上位陣の潰し合いが始まります。ヒカルは例の掌に勝ち印を押し、伊角いすみとの勝負に挑みます。伊角いすみヒカルよりまさっているという自信があるようです

食事時間となり、越智おちヒカル達の打ち筋を見て伊角いすみ優勢も持ち時間を半分以上使っている事に驚きます。越智おち伊角いすみアキラとの事を話し、彼がまるでライバルの情報が欲しいみたいに執拗だった事、三か月前に対局した事を「昔の話だな」と言っていたと話し、伊角いすみもつい力が入ります

アテ間違いからの打ち直しが二人に悪影響を及ぼし…

越智おちと話をしていて、伊角いすみ秀英スヨンとの一局を見てからあの時のヒカルに勝つ自信がないと感じます。更にアキラが追っているのは未来のヒカルだとも感じ、弱気になるなと喝を入れ午後の部が始まります。越智おちは勝負が決しヒカル達の対局を見に行くと、伊角いすみ優勢ながら持ち時間を使い切った事を悟ります

ゴールが見えてきた伊角いすみは気持ちを静めろと肝に命じますが、ヒカルの陰にアキラ秀英スヨンを見て何とアテ次の一手で相手の石を取る状態(アタリ)にする事間違えてしまいます!指が離れた後の打ち直しを犯し、これはその場で反則負けです。ヒカルは分かっていながら躊躇し、どうしても1勝が欲しい為葛藤します

結局伊角いすみが負けを認めますが、後味は悪いです。第13戦でも引きずり伊角いすみ和谷に敗れます。一方得意のフク相手にヒカルも昨日の碁を引きずり9目半負けを喫します。家に帰るとヒカルは荒れ、逆転を狙う手があったのに目の前に反則勝ちがぶら下がって確実な1勝が欲しくてしがみついたと反省します

佐為伊角いすみの代わりに続きを打とうと提案、自分の力を信じる強さが欲しい、強くなりたいというヒカルの決意から、佐為は黒星ひとつふたつ払う価値が十分あったと説きます。第14戦は越智おちVS和谷となり、決戦前に伊角いすみの事で火花を散らします

雨の中対戦は始まり、ヒカルは勝利、越智おちも勝利です。更に伊角いすみフクに負け3連敗です

プロ試験本選終盤へ

越智おち祖父と打ち、アキラの噂話をし、全勝合格への壁は伊角いすみだと聞かれますが状況は変わってきています。第15戦、越智おちは相手の伊角いすみに正直ガッカリだと蔑みますが、伊角いすみは黙れと一喝します。越智おちは気張りますが、伊角いすみはその強さは認めてもお前に敵わないと思った事はないと強気です

自信を取り戻した伊角いすみは始終強気で越智おちはついに敗れます。伊角いすみはまだプロ試験は終わってない、成長するのはヒカルだけじゃない、自分の力を信じようと自信を付けます。越智おちはトイレに籠り涙します。これで越智14勝1敗伊角12勝3敗和谷13勝2敗ヒカル13勝2敗本田12勝3敗奈瀬8勝7敗福井8勝7敗という勝ち星となります

気落ちする越智おち祖父アキラを呼ぶ事にします。第16戦で辛くも勝利した越智おちヒカル奈瀬に勝利ですが心って難しいなと心身の安定の大事さを感じています。第17戦ではヒカル本田に敗れたものの、勝った本田は半目差で後半完全に押され負けたと思ったと語り、ヒカルの伸びしろが恐ろしいです

ヒカルは翌日うなされながらもその一局一局が何かを残して育んでいくと佐為は感じます。越智おちは翻意しアキラを呼ぶ事にし、3週間だけは先生と呼んで貰おうかとアキラは強気です。アキラ秀策の棋譜を並べる方が有益だと説きます。また、ヒカル秀英スヨンの一局を再現し、ヒカルの真の実力に驚く越智おちアキラはその為にボクが来たと諭します

第18戦、椿は7敗と後がありません。第20戦での戦績は越智19勝1敗和谷18勝2敗ヒカル17勝3敗伊角17勝3敗本田17勝3敗小宮15勝5敗足立14勝6敗片桐14勝6敗椿13勝7敗となります。第21戦では奈瀬本田に勝ち、椿和谷に、片桐ヒカルに負け最早脱落です。椿ヒカルをバイクに乗せ、爆音で何を言っているのか分からない中プロになるのはおめェに任せたと話します

越智おちアキラがそこまでヒカルに入れ込む事に納得がいかず、そこで2年前の互戦を再現し、あまりの打ち筋に越智おちは黒が2年前のヒカルだなんて誰も信じないとまで言いますが事実なのです。アキラは人に初めて見せたとし、ヒカルって何者?と問う越智おちにボクもそれが知りたいと返すところでこの巻は終わります

まとめ

特に成人した外来にとってはこの長く厳しいプロ試験への道は困難極まります。院生ならともかく、仕事を辞して挑んだり地方から交通・宿泊費も馬鹿にならない等ただでさえ毎試合真剣勝負なのに、本当に厳しいものだと感じさせます

上位陣は星の潰し合いとなる中、伊角いすみとの一戦でヒカルは劣勢ながら伊角いすみの反則を目にし、反則勝ちが脳裏をよぎり、事実伊角いすみは負けを認めます。この事は二人ののちの手合いにも影響する程のものでした。やはり勝負事だけにフェアに勝ち負けは付けたいところです

ヒカルは1敗も許されない中、先日の不戦勝ちの件もあった事ですし、楽して勝てるなら…と考えてしまいますが、その事でメンタルに影響が出ては本末転倒です。囲碁の世界は本当に精神面が強くないと勝てない事が分かる描写でした

上位も絞られ、いよいよ終わりが見えてきたプロ試験本戦、最終戦にヒカルという越智おちはあまりにアキラヒカルを意識している事に疑問を感じていましたが、2年前の互先の打ち筋を見せられ考えを改めます。当然佐為が打ったものですが、いつまでもアキラには重く伸し掛かっているのです…11巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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