前回までのあらすじ
ヒカルはまず1勝し、学校が2学期に入っても連勝は続き6連勝は伊角・越智・和谷・ヒカルの4人です。越智は家にプロを呼び指導碁を打って貰う等祖父が教育熱心です。今度アキラを呼ぶ事にし、アキラはヒカルが6連勝している事を知り、越智からの依頼にヒカルを意識して是非行きますと息巻きます…

4人独走から上位陣の潰し合いへ…
ヒカルは次は椿と対戦、全く臆する事無くなり、昼休憩では社会人組が厳しい現実を語らい悲惨です。そんな中ヒカルは堅実に椿に勝利します。第8戦まで4人は全勝を続け、第9戦でついに和谷も負けます。越智は最終戦ヒカルと当たると確認し、明日の夜はアキラが指導碁に来ると勇みます
アキラはヒカルが自身に近づいてきている事に冷や汗をかき、越智の本気モードに手をユルメず勝利、感想戦をし、今日はヒカルは敗れたと知りアキラは驚きます。明らかにヒカルを意識しているアキラにイラ立つ越智、もう来なくて良いと突き放します
ヒカルの1敗は体調不良もあり、佐為は体調・精神面万全で望めばヒカルにも十分勝算はあると話します。第12戦は無敗の伊角とで、いよいよ上位陣の潰し合いが始まります。ヒカルは例の掌に勝ち印を押し、伊角との勝負に挑みます。伊角はヒカルより優っているという自信があるようです
食事時間となり、越智はヒカル達の打ち筋を見て伊角優勢も持ち時間を半分以上使っている事に驚きます。越智は伊角にアキラとの事を話し、彼がまるでライバルの情報が欲しいみたいに執拗だった事、三か月前に対局した事を「昔の話だな」と言っていたと話し、伊角もつい力が入ります
アテ間違いからの打ち直しが二人に悪影響を及ぼし…
越智と話をしていて、伊角は秀英との一局を見てからあの時のヒカルに勝つ自信がないと感じます。更にアキラが追っているのは未来のヒカルだとも感じ、弱気になるなと喝を入れ午後の部が始まります。越智は勝負が決しヒカル達の対局を見に行くと、伊角優勢ながら持ち時間を使い切った事を悟ります
ゴールが見えてきた伊角は気持ちを静めろと肝に命じますが、ヒカルの陰にアキラや秀英を見て何とアテ間違えてしまいます!指が離れた後の打ち直しを犯し、これはその場で反則負けです。ヒカルは分かっていながら躊躇し、どうしても1勝が欲しい為葛藤します
結局伊角が負けを認めますが、後味は悪いです。第13戦でも引きずり伊角は和谷に敗れます。一方得意のフク相手にヒカルも昨日の碁を引きずり9目半負けを喫します。家に帰るとヒカルは荒れ、逆転を狙う手があったのに目の前に反則勝ちがぶら下がって確実な1勝が欲しくてしがみついたと反省します
佐為は伊角の代わりに続きを打とうと提案、自分の力を信じる強さが欲しい、強くなりたいというヒカルの決意から、佐為は黒星ひとつふたつ払う価値が十分あったと説きます。第14戦は越智VS和谷となり、決戦前に伊角の事で火花を散らします
雨の中対戦は始まり、ヒカルは勝利、越智も勝利です。更に伊角はフクに負け3連敗です
プロ試験本選終盤へ
越智は祖父と打ち、アキラの噂話をし、全勝合格への壁は伊角だと聞かれますが状況は変わってきています。第15戦、越智は相手の伊角に正直ガッカリだと蔑みますが、伊角は黙れと一喝します。越智は気張りますが、伊角はその強さは認めてもお前に敵わないと思った事はないと強気です
自信を取り戻した伊角は始終強気で越智はついに敗れます。伊角はまだプロ試験は終わってない、成長するのはヒカルだけじゃない、自分の力を信じようと自信を付けます。越智はトイレに籠り涙します。これで越智、伊角、和谷、ヒカル、本田、奈瀬、福井という勝ち星となります
気落ちする越智に祖父はアキラを呼ぶ事にします。第16戦で辛くも勝利した越智、ヒカルも奈瀬に勝利ですが心って難しいなと心身の安定の大事さを感じています。第17戦ではヒカルは本田に敗れたものの、勝った本田は半目差で後半完全に押され負けたと思ったと語り、ヒカルの伸びしろが恐ろしいです
ヒカルは翌日うなされながらもその一局一局が何かを残して育んでいくと佐為は感じます。越智は翻意しアキラを呼ぶ事にし、3週間だけは先生と呼んで貰おうかとアキラは強気です。アキラは秀策の棋譜を並べる方が有益だと説きます。また、ヒカルと秀英の一局を再現し、ヒカルの真の実力に驚く越智にアキラはその為にボクが来たと諭します
第18戦、椿は7敗と後がありません。第20戦での戦績は越智、和谷、ヒカル、伊角、本田、小宮、足立、片桐、椿となります。第21戦では奈瀬が本田に勝ち、椿も和谷に、片桐もヒカルに負け最早脱落です。椿はヒカルをバイクに乗せ、爆音で何を言っているのか分からない中プロになるのはおめェに任せたと話します
越智はアキラがそこまでヒカルに入れ込む事に納得がいかず、そこで2年前の互戦を再現し、あまりの打ち筋に越智は黒が2年前のヒカルだなんて誰も信じないとまで言いますが事実なのです。アキラは人に初めて見せたとし、ヒカルって何者?と問う越智にボクもそれが知りたいと返すところでこの巻は終わります
まとめ
特に成人した外来にとってはこの長く厳しいプロ試験への道は困難極まります。院生ならともかく、仕事を辞して挑んだり地方から交通・宿泊費も馬鹿にならない等ただでさえ毎試合真剣勝負なのに、本当に厳しいものだと感じさせます
上位陣は星の潰し合いとなる中、伊角との一戦でヒカルは劣勢ながら伊角の反則を目にし、反則勝ちが脳裏を過り、事実伊角は負けを認めます。この事は二人の後の手合いにも影響する程のものでした。やはり勝負事だけにフェアに勝ち負けは付けたいところです
ヒカルは1敗も許されない中、先日の不戦勝ちの件もあった事ですし、楽して勝てるなら…と考えてしまいますが、その事でメンタルに影響が出ては本末転倒です。囲碁の世界は本当に精神面が強くないと勝てない事が分かる描写でした
上位も絞られ、いよいよ終わりが見えてきたプロ試験本戦、最終戦にヒカルという越智はあまりにアキラがヒカルを意識している事に疑問を感じていましたが、2年前の互先の打ち筋を見せられ考えを改めます。当然佐為が打ったものですが、いつまでもアキラには重く伸し掛かっているのです…11巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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