「ヒカルの碁」18巻の数々の熱戦と成長譚~番外編:6人の前日譚というオムニバスエピソード完全収録!アキラ・加賀・奈瀬・三谷・倉田・ヒカルの知られざる過去が明らかに!~

前回までのあらすじ

ヒカルは今までオレしか知らなかった佐為アキラは見つけたと感じ、オレの打つ碁がオレの全てだと悟り、おまえにはいつか話すかもしれないとこぼし、気になったアキラと言い合いになります。ヒカルは家に帰ると靴を履いており今が夢の中だと認識します

佐為が現れ、アキラに負けたけどこれから何度でも打ち続けると誓い、近況を報告、佐為は笑顔で何も語らず、最後に扇子をヒカルに渡したところで夢が覚め涙し、ヒカルが学校帰りに碁会所に寄って来ると元気に家から出発します…

アキラ・加賀の前日譚

小学生のアキラは碁会所に通いながら葦原あしわらにライバルになるヤツがいない事を指摘され退屈も感じています。秀樹も小学生ながら社長に指導碁を行い、アキラの噂を聞きつけ「こども名人戦」優勝の肩書で碁会所で勝負を挑みます

ヘラヘラしてると思いきや対局が始まるとアキラは顔が変わり圧倒し、葦原あしわらにも地にこだわるような発想は通用しないと言われ秀樹は退散します。アキラ塔矢名人に褒められ期待していると言われ喜び、碁会所にヒカルが現れここで初めて対局するのです

一方加賀は卒業してバイクで将棋部に指導に向かいます。囲碁部では小池が1人奮闘し、将棋部の2人を勧誘しますが、逆に負けてしまい、そこに加賀が現れます。加賀は伝説の筒井先輩と間違えられ、成りすまして2人を圧倒、囲碁部に誘います

生活指導のカツマタに見つかりそうになり隠れる加賀矢部小池に替わり部長にさせてあげるからと勧誘され、加賀は3人いた方が団体戦に出れるのでもう1人と将棋で6枚落ち飛車・角・香車・桂馬なしで勝負します。小池筒井加賀のお陰で2人入部する事に決まったと先輩陣に自慢げで、ヒカル三谷は訝しります

名瀬・三谷の前日譚

奈瀬は16歳の女子、院生ながら結果も出ず遊びたい盛りです。院生研修をサボり友達とスケートに興じます。奈瀬を気に入ったは2人きりになるチャンスを伺いデートにも誘いますが、奈瀬が碁を習っていると知り一緒に碁会所に向かいます

強面ばかりの大人の世界に怯む事無く奈瀬は勝負を挑み一ひねりです。本気を出すという土庄も相手にならず、奈瀬が自分とは住む世界が違うと諦めます。奈瀬は当然フラれたと話し、フツーの子と付き合うのは難しいわ、私とうぶん院生でいると決めます

一方三谷は囲碁部入部前囲碁部のポスターの詰碁問題の正解を書き、欲しいMDプレーヤーが約2万円という事から碁会所で小遣い稼ぎします。三谷は細かい計算をし、少しでも稼ぎたい為整地のごまかしをこっそり行い、荒稼ぎします。困ったマスターは雀荘でぶっこ抜きを退治するダケに連絡を取り、三谷をこらしめる腹積もりです

案の定三谷は現れ、ダケは気前よく互先で1万円賭けると言うので、三谷はMDプレーヤーにも届くと勇みダケは簡単だねェ子猫ちゃんはよ♡とカモにします

倉田・ヒカルの前日譚

ヒカルはラーメン屋で碁新聞を読んでいると倉田の記事を見かけ8年前の教育実習で倉田を教えたと言います。当時の倉田は競馬にハマっており、中学生で馬券は買えないものの的中を連発し、倉田を使って一儲けしようと企みます

手堅く1000円にしておこうとすると、単勝に三百五十万賭けたヤツがいるという噂から便乗して大金を賭けようとしますが、倉田に止められ彼の勝負勘は当たり不意にするのを免れます。翌週も馬券場に現れた、しかし倉田はおらず、そこから彼は碁を始めており、勝負勘を大事にして今があります

一方ヒカル中1の時、当然佐為もまだいた訳ですが、野球部と勝負しかっ飛ばすと将棋部の部屋にボールが飛び湯飲みを割られ加賀が怒り替わりを買いに行く事になります。古美術店でカモの客に偽物を売りつける佐為は苦言を呈し、皿を割ったヒカル佐為の助言から目利きが良いから許すとに言われます

女の子が盗まれた皿を返して欲しいとやってきて、佐為は慶長の花器だと見抜き、女の子を突き飛ばすので碁の勝負を持ち掛けます。は五段の免状を持っています佐為は自信満々で、一方的にやりこみ投了、逆にここから入れ替わって逆転したら花器を返してやれと交渉します

結局勝負に勝ち、手に入れた花器に水を入れると花模様が浮かび上がり弥衛門最後の傑作だった事が分かります。目の利かないマヌケだったねと一件落着し、加賀の湯飲みの事を忘れていたヒカル弥衛門の偽物の湯飲みを持って行きバレ怒られるところでこの巻は終わります

まとめ

今巻は今までのヒカルの碁とは一風変わった構成となっており、6人の前日譚というオムニバスエピソードとなっています。勿論本筋のストーリーも気になりますが、このような登場人物一人一人の過去にスポットを当てる展開を途中に入れ込むというのもなかなか面白い試みです

当然全て囲碁絡みの内容とはなっていますが、加賀の存在感や年頃の名瀬の葛藤、倉田が碁にハマる前に競馬にハマっていた事等本編では語られなかったエピソードが多数載っており、本編を更に面白くする趣向には製作陣の工夫が見て取れます

キャラ読切シリーズ6本を一挙に収録した番外編となった18巻、こういった実験的な試みにも挑戦し、ヒカルの碁は人気作として更に読者層を拡大していったのです。本編の箸休めともなった今巻、息抜きという意味でも有意義な巻となりました。19巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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