前回までのあらすじ
更に社は3手目にまた5の五と奇手を繰り出し、それぞれの思惑が交差します。越智も和谷相手に苦戦する中、ヒカル・社の奇手返しの応酬にこの2人の内どちらか脱落するのは惜しいと囁かれます。アキラも現れ、北斗杯団長の倉田と勇む中、会場は沸き混迷を極める一局が終局に向かいます…

北斗杯出場者決定
先に越智VS和谷の対局が越智に軍配が上がり、越智はこれでアキラと肩を並べて北斗杯の代表だと凄みます。ところがヒカルVS社の一戦は非常に高度かつ白熱したものとなり、この両者の内1人しか残れない事に皆疑念を感じています。明らかに越智より社の囲碁センスが上です
結局社は投了しますが、越智は社に勝たなければ皆納得しないと勝負させて欲しいと言うのです!越智のプライドの高さに和谷は愕然とし、完全に越智に負けたーと感じます。社にとっては願っても無い展開なので、翌日対局が決まります。戸刈は囲碁は子供も大人も対等と言われ、我が社は好企画を得たと喜びます
運命の一局は空中戦から一転地に辛い三々に打つ手堅さが光ります。結果社が勝ち、北斗杯のメンバーがアキラ・ヒカル・社・団長:倉田に決まります。韓国も高永夏・洪秀英・林日煥・団長:安太善、中国は陸力・王世振・趙石・団長:楊海と続きます
桑原が水沼と検討をしていると塔矢先生が三星火災杯の参加権利を得る為に韓国のアマ棋戦に出場する報が入って来ます!しばらく桑原は待っていると緒方が座間に2目半勝ちし本因坊戦の挑戦者に決まり、2人は火花を散らします。ヒカルはアキラと碁会所で相変わらず言い合いになり、ライバルがいるのは有難い事だと言われます
ヒカルは碁の神様は孤独だと言い、逆に自分の相手が出来る程の棋士を育て上げていると返され納得します。家に帰り寝ていたアキラは目が覚め、水を飲もうとすると塔矢先生が第1手を打ったまま長考しており、誰の一手を待っているんだ?と訝しります
フリーの塔矢先生の存在感
ヒカルは河合のいる碁会所に久々に訪れ、北斗杯出場を喜ばれ、今度アキラを連れて来ると言うと皆目の色を変えるので絶対連れて来ないと思い直します。編集部では塔矢先生の動向を追う為に取材を行うとし、フリーになった塔矢先生の盛況っぷりは編集長に名人戦の規約を変えちまったらどうだと言わしめる程です
当の塔矢先生は食卓で北斗杯に出て来る者達とはいずれ戦う事になるさと断言します。和谷はヒカルに電話で研究会でリーグ戦を始めたいと意欲的です。一方チーム対抗リーグ戦に塔矢先生が登場し取材陣も熱を上げます。古瀬村は韓国棋院を訪れ取材を敢行、予定日の前日だった為皆慌てます
社が北斗杯前に練習手合をしたいと言うので、塔矢先生も遠征中という事もあり塔矢邸に3人は集まる事にします。古瀬村は何とか高永夏にインタビューをしますが、本因坊秀策の話題を出すともう過去の人だと取り合わず取材を打ち切られます
塔矢先生は徐彰元と話をし、客員棋士として迎え入れるよう韓国棋院に働きかけると言われ喜び、代わりに目標を聞かれある打ち手と再戦を心に期していると言います…おそらくsaiの事です
いざ北斗杯へ!
ヒカルは日本棋院で古瀬村が荒れていて、特に高永夏が本因坊秀策を過去の人と言った事に怒っており、北斗杯に出て来る奴だと合点します。ヒカルはホームで社と落ち合い、塔矢邸に向かいながらお互いの境遇の違いを感じます
塔矢邸で些細な事から言い合いになり、社は言い返せる程の者やないーと自身の実力を理解しています。アキラは超早碁を提案、早速社を返り討ちにします。続いてヒカルが挑み、高永夏に言われた事を気にし佐為はオレの碁の中にいると気張ります
北斗杯3日前、塔矢邸に倉田も現れ寿司の出前を取り作戦を練ります。団体戦なので大将は順当にアキラとし、基本的に強い順番にするのが定石と話します。倉田も交え対局し、ヒカルはアキラの強さは「力」だとし、ヨミ合いなら互角も今のオレに足りないモノはコイツの力ーそれがオレにあれば…と感じます
アキラは5目半勝ちし、検討でヒカルも内容は良かったとしますがふてくされます。他チームの布陣を考えつつヒカルは韓国が高永夏が大将なら自身も大将になりたいと無理を言います…ヒカルは高永夏が秀策を過去の人と貶した事を気にしているのです
レセプション当日、ヒカルは一旦自宅に帰り着替え、会場のホテルに乗り込むと、そこに高永夏と話している洪秀英を見つけ向き合うところでこの巻は終わります
まとめ
苛烈を極める北斗杯選抜戦は、奇手の応酬ながら非常にレベルの高い熱戦となったヒカルVS社の一戦が注目されます。順当に越智は枠に入りますが、この一戦を見て、社に勝たなければ資格はないと何と自ら志願し対局、結果は社の勝ちとなります
これで北斗杯に出場出来る者がアキラ・ヒカル・社と決まり、合宿を組む等気合いも入ります。そんな中塔矢先生はフリーの身として我が世の春を謳歌し、囲碁界を賑わせています。肩書も無くなり、却って身軽になりフットワーク軽く他国へ赴くのです
塔矢先生の目標がおそらくsaiとの再戦だと分かり、それだけ佐為の存在が大きかった事が分かります。高永夏に秀策の事を貶された事を根に持つヒカルの言い分も分からなくはありません。当時の囲碁界隈の構図としては韓国・中国・日本に台湾が割って入ろうとしていたようですが、現在は随分水をあけられているようです
若手の国際棋戦として意義深いものとなる北斗杯、ここでヒカルと洪秀英の再会等ドラマチックに展開し、いよいよ本選が始まろうとしています…日本勢の活躍に期待したいものです。22巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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