前回までのあらすじ
プロ試験が夏に迫り、院生唯一最大の目標です。アキラは緒方に会い、昨日のヒカルの一局で見なれぬ石の並び…手順が想像できないあの形…何をしでかしたんです!?と問い、緒方は例の悪手を好手に化けさせた件だと合点します。緒方が焦らなくても2か月後のプロ試験で答えが出るさと車を飛ばします…

本因坊戦
桑原はすれ違うとヒカルにただならぬ気配を感じ、佐為を感じたようなのです。桑原は本因坊と名乗り、本因坊戦のタイトルホルダーで今緒方が挑戦中です。北海道に会場を移して緒方を迎え撃つ桑原、サインをねだられ上機嫌です。緒方は囲碁界に若い棋士達の新しい波が来るとし、自身が迎え撃ちたいと考えているのです
若獅子戦はアキラが優勝し、ヒカルも院生手合で着実に順位を上げ、アキラは二段に昇段します。和谷は今度のプロ試験で学生名人等三冠を取った門脇が出て来ると話します。外来も強いのがいるから要注意だと話し、門脇は腕試しだとヒカルに一局打たないか打診します
ヒカルは佐為に打たせる事にし、圧倒的強さを発揮、碁を始めて千年と言うので門脇は自信を無くし出願所を破り、1年鍛え直すと来年受験する事に決めます。和谷も伊角もプロ試験の予選免除で、ヒカルは夏休みの予選を勝ち上がらなければなりません。越智も含め、プロになれるのはたった3人です
第7局までもつれ込んだ本因坊戦、桑原は緒方をワザと封じ手とし、意図して6局まで泳がせ動揺させるワナを張ったようです。翌日緒方の封じ手に間違いはなくホッとし、本因坊の座はどいて頂くと吠えます。ヒカルはいよいよプロ試験予選初日を迎えます
椿の威圧感に気圧されるヒカル
5日間で1日1局3勝した者から抜けて1か月後の本選に行けます。するとバイクに髭の男が現れ、外来で大人も多いのです。男は騒いでおり、ヒカルは去年アキラが歩んだ道を自身が進んでいると感じます。ヒカルは最初の対局相手が早速椿で気圧されます
ヒカルが一子打つと何と椿は会場を後にし、30分戻って来ず、ヒカルは平常心を失います。打ち掛けとなり椿はヒカルを連れて蕎麦屋に行き、手番をくれた為昼休み中ずっと次の手を考えられると狡猾です。完全にのまれ、4目半で負けます
他の院生は封じ手について語りヒカルの急成長が危なっかしく感じます。ヒカルは母にプロ試験の事も黙っており、その事から些細な言い合いになり母は驚きます。ヒカルは椿対策で弁当を買ってきますが心ここにあらずです
椿は2勝、ヒカルは2敗と後がありません。3日目ヒカルはワザと開始時間ギリギリに赴きフクと対戦します。ヒカルの囲碁への没頭に母は呆気に取られ、その変化に不安も感じています。打ち掛けギリギリでヨセとなり、そのまま打ち込みヒカルは辛くも1勝出来ます
碁会所で武者修行
ヒカルは椿を意識しつつ勝敗を記し、自身の掌にも勝ち印を押し明日も勝つと気張ります。和谷と伊角は予選免除なので碁会所巡りをして腕を磨きます。4日目は2勝1敗か1勝2敗の者のみで、当然3敗したら脱落です。結局ヒカル・フク・奈瀬も勝ち最終戦に繋げます
5日目、ヒカルは幸いにも不戦勝を手にし勝ち上がりますが、佐為は一局でも多く場数を踏んだ方が良いと厳しいです。和谷にヒゲゴジラ対策で大人に慣れさせる為に碁会所に行こうと誘われます。結局フク・奈瀬も勝ち本選です。無傷のアキラと比べられるも、ヒカルもなんだかんだ本選出場です
ヒカルは碁会所に連れて行かれ、3人なので模擬団体戦で強い相手と試合う事にします。ヒカル達は強く、特にプロに2子で勝った事のあるマスターまで敗れる有様です。今度はおじさん達に2子置いて勝負しこれも3連勝、ついには3子置いて勝つと言うのでタクシー運転手の河合がヒカルの相手となるところでこの巻は終わります
まとめ
急激な成長を遂げ今があるヒカルには経験値の差が明らかで、大人で狡猾な椿に手玉に取られます。プロ試験予選という先に3勝した者から抜けていく勝負の世界、些細な事でも自分に有利に展開させようとワナを張り巡らせた椿の方が一枚上手でした
ヒカルは囲碁部メインでしたし、碁会所で大人と揉まれる経験が少ない為威圧的な椿に気圧され敗れるのですが、顔を合わせない等対策を練って結果幸運にも不戦勝も当て何とか本選に進みます。院生は同年代同士が多いですが、プロ試験は30歳までと大人もおり、慣れが必要です
苦手意識を作らない意味でも碁会所で大人と勝負するのは良い経験になります。やはり院生の名は伊達ではなく、軽く捻ってしまいますが、そこに現れたタクシー運転手:河合は何か腕に覚えがあるようです…ヒカルのプロ試験がどうなるのか、9巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
おまけ
ヒカルの碁はアニメ化されています。割と長期シリーズとなり、特に本編後の梅沢由香里の『GOGO囲碁』のコーナーが話題を呼び、梅沢先生の美貌も相まり人気となりました。梅沢先生は原作の監修も担当しており、なくてはならないブレーンとして活躍されたのです
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