「火ノ丸相撲」11巻の数々の激戦と成長譚~IH開幕で狙うは付出資格!早くも最強=国宝:天王寺と対戦で鬼の形相で挑むも鬼丸敗れる…プロ入りへ僅かな可能性に賭け団体戦へ~

前回までのあらすじ

小関は実績の無さを痛感しつつやっぱり納得いかないと戻り、名門金沢北高は今年も日本一にはなれません、ダチ高相撲部が’’最高’’だって事、日本一になって証明しますからと宣言し、小関自身がダチ高を日本一にするんだ!と決意します…

IHインターハイ開幕!聖地国技館に帰って来た鬼丸

親方の胸を借りた三ツ橋は逞しくなり、桐仁に礼を言い、選手として例え欠陥があろうとも頼れる6人目の控え選手リザーバーがいたら心強いと話します。親方が胸を貸すというので桐仁は抑えきれずついに立ち合い、20秒しかもたない相撲でもやっていいって言うんだなと土俵際巻き落としーで仕留めます

7日間の名古屋合宿を終え、それぞれふんどしを締め直すいい機会となり、小関は覆面を被り公衆の面前で四股を踏み度胸をつけます。國崎沙田に稽古を付き合ってくれと請います。TVでは鳥取白楼高校の特集をしており、現役最強横綱:刃皇じんおうもOBで、熱視線を送るのが国宝「童子切安綱天王寺です

インタビューされ謙虚な天王寺、強さの秘訣は血筋ではなく、誰より相撲が好きで一番稽古をしてると自信げです。火ノ丸は横綱よりIHインターハイ天王寺は強いと感じ、その首頂いてワシが「高校最強」になるだけじゃと吹っ切れます

ー一か月後8月某日、IHインターハイ相撲競技大会開幕です。火ノ丸の墓参りに行きます。「国宝」効果で注目度が段違いの中、三日間で個人・団体全試合を消化する強行日程です。まず個人戦予選で決勝Tトーナメント出場者を決めます。一際目を引くのは草介です

聖地:国技館に帰って来た鬼丸は気張り、その小ささながら殺気立った雰囲気に皆寄せられます。名塚は覆しに来たのよ…彼は全てを…と涙し、「全国」という光の当たる場所に帰って来た君こそが国宝ー鬼丸国綱だと見守ります

早くも個人戦で王者:天王寺と頂上決戦

火ノ丸がプロになるには身長制限が167cmで及ばない中、IHインターハイ個人戦優勝者は「高校横綱」と呼ばれ「全日本選手権」で結果を残せば「幕内付出」「三段目付出」の資格が得られ、アマチュアで抜群の実績を残した力士はプロ入り時優遇され、更に付出資格を有する者は体格は不問とするというプロになる唯一の方法があるのです

そこに立ち塞がるのが全日本選手権前年度優勝者=天王寺です。全国の猛者は頂点に立ちに来たと豊作の世代最強を新しく決める…それが今年のIHインターハイです。火ノ丸はくじ運が決して良くなく、決勝Tトーナメント一回戦で天王寺と当たります

天王寺草介が出くわし、火花を散らします。火ノ丸は金星頂くぜと凄まじい気魄きはくです。レイナ火ノ丸を見る目が徐々に変わり出しています。鬼丸の低い立ち合いを天王寺はかち上げでキレイに起こし、繊細に躊躇なく一瞬で自分の形を作ります

天王寺鬼丸同様体格に恵まれない時期があり、今でこそ188cmとなりましたが、小兵力士から大型力士となり’’技’’の巧みさと’’体’’の圧力を兼ね備えた怪物となったのです。鬼丸は前さばきの上手さが群を抜いていますが、天王寺は攻めの要が右下手だと見抜き廻しを与えません

強引に左の投げに出ますが捻りからの喉輪も見透かされており、天王寺対戦する可能性のある全力士・・・・・・・・・・・・・の相撲を研究済みなのです。天王寺は相撲で勝ち続ける事の難しさを十分に理解し慢心する事なく勝つ為の準備を謙虚に積み上げ続ける…その結果高校無敗です

対格差で劣る鬼丸の消耗が激しい中、ぶちかましから相撲をつまらないと思った事は一度もねぇ!と「すくい投げ」と「捻り」の合わせ:百鬼薙・破型ーで勝負に出て、両前みつで百千夜叉堕の形とします。仕掛けは鬼丸で、地獄から来た鬼が無数の刃で天を崩すーと燃えます

プロ入りの可能性はまだ「0」ではない

’’崩し’’が重要となる中、鬼嵐・諸手ーで左右に振り回し手の内をさらす前に体力万全で当たれた事は鬼丸の幸運です。しかし天王寺も廻しを掴み力づくで組み止めます。構わず振り回す鬼丸を本家・百鬼薙ーで天王寺は返しますが、鬼丸は残し、顔面張り手も耐え勝ちたい…とここに来て押しで虚を衝きます

更にこれも’’崩し’’じゃ…とフェイントで、百千夜叉堕ーの態勢ながら天王寺には想定の範囲内で賭けの代償は死にたいー絶体絶命です。鬼丸は張り詰め過ぎやと余裕を見せる天王寺変形小手投げー六ツ胴斬で完全に勝負あったかに見えましたが、真剣通り越して「死に物狂い」の形相の鬼丸は足掻き最後まで勝負を捨てません

結局対格差から投げ押しの形で無情にも天王寺の勝ちです。鬼丸大相撲プロ入りへの挑戦が断たれた中、試合後饒舌に振る舞い仲間に大丈夫だと言い聞かせるかのようです。すると小関が団体戦出なくていいよと火ノ丸が今度は左腕を痛めた事を知っています

小関は「プロになる」夢が団体戦で叶えられるかもしれないと言い、「高校無敗」の天王寺に土を付ける奴が現れたとして相撲連盟はそいつを無視出来ますか?と自信げです。「確実な方法」は個人戦で終わったが、「低い可能性」も「0」になった訳じゃないと語り、火ノ丸が病院に行く隙に団体予選は俺達だけで勝ち抜いて見せると他部員が気負うところでこの巻は終わります

まとめ

ついにIHインターハイが開幕し、上背の無い火ノ丸は特例である付出資格を有する者は体格は不問とするという突破口からプロ入りを目指します。これは個人戦優勝し全日本選手権で優秀な成績を収めた場合に成立するものですが、僅かな希望の前に国宝:天王寺が早くも立ち塞がります

天王寺は実は小兵力士だった時期があり、幸運にも急成長し大型力士になりましたが、そのお陰で’’技’’も’’体’’も十分に備える器となります。鬼の形相で挑む鬼丸に対し、研究熱心で達観した様子の天王寺は非常に対照的ながら、相撲を愛する気持ちは同様です

激戦の結果鬼丸は敗れ、夢も潰えたかに見えました。左腕まで負傷し満身創痍の中、小関はまだ可能性は「0」ではないと一筋の光を語り、何と火ノ丸を病院に行かせ団体予選を彼抜き・・・で勝ち抜いて見せると豪語します!桐仁という頼れる6人目の控え選手リザーバーが居る中、火ノ丸の夢を皆で実現する事は出来るのでしょうか?12巻に続きます…

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