「火ノ丸相撲」12巻の数々の激戦と成長譚~鬼丸不在を感じさせないダチ高の快進撃!「国宝喰い」の國崎躍動!治療を経て鬼丸復帰で俄然勢いづくダチ高…恋愛描写アリ☆~

前回までのあらすじ

小関は「プロになる」夢が団体戦で叶えられるかもしれないと言い、「高校無敗」の天王寺に土を付ける奴が現れたとして相撲連盟はそいつを無視出来ますか?と自信げです。「確実な方法」は個人戦で終わったが、「低い可能性」も「0」になった訳じゃないと語り、火ノ丸が病院に行く隙に団体予選は俺達だけで勝ち抜いて見せると他部員が気負います…

不在でも強いダチ高

親方は車内で火ノ丸に頼もしいチームメイトに恵まれたと称し、無理してでも上がらねばならん土俵がこの先いくつもあると説きます。栄華大付属高校の四方田よもだ主将は弱気ながら団体優勝に関しては草介がいる為自信があるようです

日景典馬金盛と当たり、突き押し得意の日影が何と寄り切りで勝ちます。鳥取白楼の独走を許した去年までとは明らかに違う熱気…正に群雄割拠・波乱の予感がするのです。本日の個人戦が全て終了し、団体戦の一回戦は火ノ丸同様くじ運悪くあの金沢北高校です

名医:蟹江先生は変わり者で、小兵の火ノ丸は案の定相手にされませんが、おだてるとその気になります。金沢北高校は去年全国三位で、去年のメンバーが三人相沢・米村・日景も残っています。先鋒は小関相沢です。蟹江火ノ丸抜きで金沢北高校に勝てるはずないと言いますが、火ノ丸は仲間を信じています

事実小関は圧勝し、火ノ丸に頼ってここまで来た中、今度は火ノ丸が自分達を頼りにしている…燃えない訳ないのです。蟹江はいい青春してるなあ、オレにも一枚噛ませろや!と治療を引き受けます。ボロ家かと思いきや最新の医療設備を完備し、このマシンに一億円をかけたと言います

もう鬼丸の陰に隠れてた頃の面影はない、ダチ高の部長は俺だ!って顔の小関、続いて二陣戦:ユーマ瀬良石川県個人戦4位です。五條ユーマ・レイナは名家では大学病院の副院長をやっており蟹江も知っています。火ノ丸ユーマの潔く負けを受け入れ過ちを認めた素直な心を評しています

ダチ高のクリーンナップ火ノ丸・國崎・小関ではなく下位打線ユーマ・三ツ橋だと認めつつ、託されたユーマは燃え鬼の回転数の突きから掛け突きー破城掌はじょうしょうで負かし、火ノ丸はこの三人でダチ高相撲部は始まった、あの二人がいるこのダチ高で絶対日本一になるんじゃ…と願っています

団体戦の要:中堅戦

火ノ丸不在で北高相手に二連勝の番狂わせに会場は沸きます。この試合は先に三勝したら残りの試合は行わないルールで、ついに中堅:日景の登場です。去年より精神的にも成長した日景は部員から一目置かれる中、対するのは國崎です。沙田國崎が勝つと断言します

火ノ丸をして國崎は天才と言わしめます。北高は万が一二連敗しても中堅にエース:日景がいる事で立て直せる布陣です。國崎は土俵際からの仕切りで突き押しの餌食となり、2m超の日景のリーチが長く最上級の突き押しー閃光で近づけず逃げ回る他ありません

すると沙田との特訓の成果か國崎は突きを見切り、相撲経験の浅さを補って余りある程の「確かな観察眼」で最早土俵上に沙田がいるかのようです。ついには組み有利なのは國崎、ここで回想で日景は名古屋場所で大景勝を観に行き、観客に嘲笑される姿に憤慨します

それでも大景勝は折れておらず、横綱になる事を決して諦めない姿に自身の境遇を重ね、100番稽古を敢行したのです。大逆手ーで組んでも国宝の日景は強烈な張り手を放ち、國崎はそれでこそ国宝だ、そんな大典太てめえを食って俺も限界を超えると気張ります

鬼丸奇跡の復帰

国宝の意地が感じられ、フェイントから高角度素首落としーいかづちを食らいますが、たった一つの「金星」をきっかけに化ける者がいるように粘り、先に差され日景の判断が速いです。國崎は押しでも四つでもない不気味な相撲を目指し、自由な発想から幻の決まり手:たすき反りーネオ・チヒロ・SPスペシャル1号撃墜技シュートダウンで仕留めます

あくまで総合格闘技の頂点がゴールの國崎は二つ名は「国宝喰い」の國崎だとイキります。二回戦:小手川大分戦も手を緩めないダチ高は3-0で勝利し特に國崎は「格」が備わりつつあります。ただ白楼高校が新たな勢力の台頭・番狂わせを打ち砕き6連覇の絶対王者である事に変わりはありません

桐仁はお前らの見慣れたこの「勢い」に最後のピースを加えて勝ちに行く!と治療を受けた火ノ丸が現れます。治療費は300万と言われますが大相撲の懸賞幕一本約6万円:千秋楽では50本近くになり、投資としてそれで後払いで良いと言われ、火ノ丸は利子つけて返しますよ、横綱になってと強気です

IHインターハイ2日目:団体戦三回戦ー兜山高校に対するダチ高は鬼丸復帰です。鬼丸が土俵下にいるだけでその熱が皆の背中を更に前へと押し進め、その熱が鬼丸に還っていく…痴漢に遭い1巻参照火ノ丸に助けられた事をレイナに告げ、互いが影響し合いどんどん熱くなる、そして私も…明日はもっとこの人を好きになる・・・・・・・・・・・・と想いをこぼすところでこの巻は終わります

まとめ

ダチ高は火ノ丸あってのもの、ところが今巻は特に小関・ユーマ・國崎の頑張りでダチ高が一段階ステップアップし強くなった事を印象付けるものとなりました。武道系の団体戦は核となる強者がいる事で周りも感化され相乗効果を生むケースがありますが、ダチ高は正にそれに当たります

どんなに一人強い者がいてもチームとして総合力がなければ勝ち上がれないのが武道系の団体戦の妙になります。本レビュー筆者も他競技での経験で良く分かりますが、特に中堅は重要なポジションです。今巻では3-0が続き三ツ橋桐仁の試合はありませんでしたが、これも上手く伏線となります

火ノ丸という太陽に引き寄せられ感化された部員が切磋琢磨し更なる高みへ…という展開はスポーツものの王道とはいえ、非常に清々しく、小兵の火ノ丸のプロ入りを後押ししたいという強い気持ちが伝わって来ます

ここで見ものなのはの存在でしょう。1巻冒頭の痴漢のくだりの被害者は実はで、その時から火ノ丸に淡い恋心を抱いていたのです。硬派な火ノ丸相撲ですが、ここでレイナという美女マネと火ノ丸という構図が出来上がります。恋愛描写も加え俄然盛り上がってきた火ノ丸相撲、13巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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