「火ノ丸相撲」13巻の数々の激戦と成長譚~鬼丸戦線復帰も三ツ橋の脆さ露呈…個人戦頂上決戦は草介に軍配!IH3日目、団体戦準決勝:鳥取白楼戦へ~

前回までのあらすじ

IHインターハイ2日目:団体戦三回戦ー兜山高校に対するダチ高は鬼丸復帰です。鬼丸が土俵下にいるだけでその熱が皆の背中を更に前へと押し進め、その熱が鬼丸に還っていく…痴漢に遭い1巻参照火ノ丸に助けられた事をレイナに告げ、互いが影響し合いどんどん熱くなる、そして私も…明日はもっとこの人を好きになる・・・・・・・・・・・・…と想いをこぼします…

三ツ橋の脆さと精神的強さ

火ノ丸は戦線復帰し中堅で勝利、3-0ですが今日から本選は5戦全て行われます。副将:國崎も勝ち、大将は三ツ橋です。変化も読まれている中真っ向勝負では全国にはまるで歯が立ちません。名塚三ツ橋が観客からの好奇の・さげすむ目に耐えられるか心配しますが、三ツ橋は気丈です

回想では三ツ橋火ノ丸が変化しないのはそこに’’魂’’がないからじゃと説きます。逆に勝つ為にひたすら変化を磨いてきた三ツ橋の技には’’魂’’が込もっておるとします。三ツ橋は憧れの火ノ丸の真逆の道:奈落の底へと続く道だとしても全力で行くと笑います

いよいよ鳥取白楼高校IH6連覇が登場、先鋒の榎木かいね捻り:合気道で勝ち会場中が異様な雰囲気です。決して大柄ではない榎木、その独特の前捌きで入部から2年生の今までレギュラーの座を譲りません。逆に二陣の首藤は巨漢でパワフル、名塚天王寺が言っていたチームのカラフルさに納得です

更にモンゴルのバトと一人残らず化け物で5連勝、圧倒されたダチ高が練習場に向かうと、石高の面々が春の団体戦で白楼と戦った経験を託すと相手になってくれます。二日目の団体戦三回戦は全て終了し、今度は個人戦優秀32選手による決勝Tトーナメントとなります

胸を貸す石高にメリットが無いように感じられる中、間宮新主将はダチ高に白楼の全力を引き出して貰って得る情報の方が有益だと語ります。そして力士として尊敬もし、理屈メリットだけでなく応援させてくれと請う清々しさです。石高監督は負けた相手が君達で良かったとし、桐仁もその恐さが身に染みます

個人戦準決勝:国宝対決

220kgの国宝「数珠丸恒次じゅずまるつねつぐ」:野地を電車道で倒す草介は正に現役時代の大和国そのものです。個人戦準決勝でついに国宝:天王寺童子切安綱草介草薙剣の頂上決戦となり会場は大いに沸きます。立ち合いは互角でお互い本能が全力を出さないと勝てないと悟ります

火ノ丸は敢えてこの一戦を観ず、沙田との稽古に費やし駿海は今一度見せてくれ…夢を…ー全てをさらけ出した先にある更なる火ノ丸相撲をと願います。強引な一歩を踏み込むはー天王寺で、足技から荒々しい相撲を見せます。沙田天王寺には二つの顔があると語ります

「負けない相撲」と「勝つ相撲」が同居し、草介が何もさせて貰えないのです!火ノ丸はただ草介の「全力」を誰も知らないとも言います。静謐せいひつの相で内に秘めたる闘志の草介火ノ丸はどちらも負けてほしくない、あの二人に勝っていいのはワシだけじゃ!と語り、沙田もそんな火ノ丸に魅せられて相撲を始めたのです

距離が出来二度目の正面衝突は草介が勝ち、ここで天王寺は低い姿勢からリスキーな攻めに転じます。その攻めは苛烈で捕え天王寺の形とすると草介は右上手を取り小手投げ六ツ胴斬上手投げ大蛇断の打ち合いとなります。駿海火ノ丸に「相撲の神そいつ」を吹き飛ばす光を見ます

IHインターハイ3日目:最終日へ

結局「神の化身」として土俵に君臨したのは草介で、天王寺は敗れます。こうなると団体戦も混沌としてきます(観客の中にこち亀両さんがいます!)その夜ダチ高は皆でトランプに興じ、寝る前火ノ丸は皆に礼を言いいよいよIHインターハイ3日目となります

個人戦の敗北は天王寺を更に覚醒させ、巨躯の数珠丸じゅずまるには鬼丸が圧倒し彼も化けるように各エースが変化しチームを変えます。準決勝は大太刀高校対鳥取白楼高校となり、名塚はダチ高の完全上位互換のチームだと評します。先鋒戦は小関榎木です

殺気立った立ち合いは榎木有利、更に気迫でも上を行きますが、小関はぶちかましを見せ天王寺が負けた事は俺にとっての火ノ丸と同じだとし、見る度に悔しさが積み上がりもう見たくないと気持ちが分かるからこそその気持ちに負ける訳にはいかないと鬼の形相を見せるところでこの巻は終わります

まとめ

無事火ノ丸も戦線復帰しダチ高も態勢は整いました。そんな中相変わらず三ツ橋は脆く、危うさを感じさせますが、彼の精神的強さは群を抜いており、変化に懐疑的な観衆から好奇の目で見られる中気丈に振る舞います。小兵はどうしても変化ありきで見られがちですが、火ノ丸三ツ橋のそれは’’魂’’が込もっておると評します

個人戦準決勝で天王寺草介の国宝対決となり、化け物同士の頂上決戦は激しい天王寺静謐せいひつ草介の対局の構図が浮かび上がります。鬼丸を敗った天王寺草介に敗れ、これで団体戦の行方も混沌としてきます。火ノ丸のプロ入りもとにかくこの強者達以上の相撲を見せなければ活路は見出せません

観客にこち亀両さんがいるというボーナス絵もあり、俄然盛り上がりを見せるIHインターハイ3日目、準決勝でダチ高は白楼と当たります。天王寺の個人戦敗退は少なからずチームに動揺を与え、気張る榎木ですがそれはダチ高も同様で、更に上を行く気迫を見せる小関が吠えます…14巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

おまけ

先述していた荒汐部屋の福島合宿で感じた事を記しておきます。荒汐部屋は大波三兄弟中心に福島出身力士が多数在籍しており、福島市相撲場での朝稽古には連日多くのファンが訪れていました。最初は小兵力士の稽古が続き、徐々に上位陣の白熱の稽古となっていきます

この中で異彩を放っていたのが若隆景です。唯一の白廻しに加え威風堂々とした佇まい、全勝し気高く何か他の力士とは格の違いを感じさせました。優勝経験力士で、ケガさえなければ…とも思いますが、こうやって幕内に戻って来た事は福島の誇りです

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