前回までのあらすじ
殺気立った立ち合いは榎木有利、更に気迫でも上を行きますが、小関はぶちかましを見せ天王寺が負けた事は俺にとっての火ノ丸と同じだとし、見る度に悔しさが積み上がりもう見たくないと気持ちが分かるからこそその気持ちに負ける訳にはいかないと鬼の形相を見せます…

普通じゃない101回目を作る三ツ橋
更にもう一発ぶちかまし前ミツとしたいところを榎木に上手く腕を極められ小関は廻しを取れません。ー5年前弱かった榎木は退部届を出しに行くところで天王寺に諭され辞めずに今に至り、死ぬ程相撲好きでしたから…と笑います。榎木は両差しにすると一気に踏み込み止まりません
桐仁は技こそが部長の伸びしろと事実土俵際首捻りで逆転を狙いますが、榎木は裾取りで足を取り白楼の勝ちです。気落ちする小関を他所に部長の思いワシらが確と受け取ったぞと称えます。駿海は大相撲の15日間と違い負けたら終わりの一発勝負のT、ある意味大相撲より残酷で儚いと感じます
親方は正直実力は白楼の方が何枚も上…ただ番狂わせは起こり得ると分析し、二陣:三ツ橋対首藤です。対格差から変化が常套手段とはいえ、観客にすら悟られてる状況で見いだせるかが争点です。すると三ツ橋は立ち合い早く突っ掛け不成立を繰り返し強気である事を誇示します
三ツ橋は普通じゃない101回目を…どんな手を使っても作ると気張り、やっと立ち合い成立も何と相手に背を向け歩くのです!流石に冷静だった首藤も激昂し突っ込みます。更に三ツ橋は二の矢!と猫だましで隙を作り八艘飛びでついに後ろを取ります
無情の「物言い」で同体・取り直し
必死に鍛えてきた三ツ橋は首藤を押し腰が浮いて来ます。すると首藤は廻しを取り投げに行き、三ツ橋は相撲の神様の顔色なんか最初から窺っちゃいないよと足を掛け際どい勝負となります。大太刀の勝ちとなりますが、ここで無情の「物言い」で同体・取り直しとなってしまいます
足も負傷した三ツ橋に最早勝機はなく敗れ、担架で運ばれます。中堅は国宝:「大包平」で、天王寺に次ぐNo.2で事実個人戦決勝で草介と試合うのは彼なのです。蔑まれる三ツ橋の人知れぬ頑張りを知っている國崎は熱を貰った俺がてめぇに勝って証明してやるよと気張ります
加納の父は白楼監督で、残酷な相撲という競技の恐ろしさと白楼相撲部の部員がそんな相撲を心底好きな事を知っています。難攻不落の城の本丸が天王寺だとすれば加納は侵入者を絶望させる高く堅い城門です。立ち合い加納の必勝パターン:半身の構え 堅守の型で一気に決めに掛かります
ところが國崎は大典太の閃光で鋭い突きを連発し、三ツ橋の健闘を称え身の程知らずのバカが持つ底力を見せてやると気負います。本家程のリーチはないもののそれ以上の回転数と独特のリズムは最早チヒロSPです。すると素首落とし 雷で更に翻弄しますが、加納は獅童の次に強いって事が俺の誇りなんだとぶちかまします
トリッキーな國崎が正攻法の意外性
追い込まれて火が着いた加納は胸が合いがっぷり四つとなり、得意の機動力を生かせない國崎はなら…土俵の外に出すまでだと一気の寄りを見せ、不細工な寄りながら駿海をして金の卵と言わしめ大太刀の勝ちです。トリッキーな國崎だからこそ正攻法が相手に迷いを生じさせたのです
監督は相撲が「心」の有り様を重要視するのは挽回の機会がねぇからだと説きます。副将:バトは石高にもデータがなく、高校相撲の外国人枠一名を勝ち取った一年なのです。ユーマはガチガチに緊張しており、負けたら即終わりの為プレッシャーを感じています
ユーマはトイレに何度も行きレイナにダチ高で一番心が弱いと漏らしていました。火ノ丸はユーマの緊張をほぐし、ユーマは空手の「息吹」で呼吸を整え土俵に上がります。「ブフ」で名を上げたバトは当初礼儀知らずで天王寺に見初められ一から教え込まれます
全国は遊びじゃない、就職活動だとハングリーさを見せるバト、組技のスペシャリストに対しユーマは「突き」しかありません。立ち合い逆に鋭い突きを見せたバトに、国宝級と感じながらユーマは弾く突きで返し、ユーマがダチ高の日本一は命を懸けるに値する!と凄むところでこの巻は終わります
まとめ
団体戦準決勝:鳥取白楼戦はダチ高がかつてない程の苦境に追いやられます。今まで雄々しく結果を残して来た部長:小関が散り、続く三ツ橋は100kg以上の対格差を感じさせない機敏さを見せ一時勝利を勝ち取ります
ところが無情にも「物言い」が付き同体・取り直しとなってしまいます。奇策なしには勝機はなかった三ツ橋、足も負傷し無念の敗退でダチ高は後がありません。ここで国宝:加納なのですから白楼の選手層の厚さが際立ちます
三ツ橋の努力と無念を知る國崎は駿海をして金の卵と言わしめる会心の寄りという逆の意外性を見せ何と勝利してしまいます。ところが既に2敗している為後がないダチ高はここで組技のスペシャリスト:バトに相性の悪い「突き」のユーマが当たります
あのユーマですらプレッシャーを感じるのですから、この大事な局面での副将という重圧は計り知れません。未だ小関に負い目のあるユーマはそれも受け止め更に三ツ橋・國崎の頑張りも胸に得意の突き押しで勝機を見出します…15巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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