前回までのあらすじ
刃皇脳内で様々な顔が値踏みする中、大典太は大景勝直伝ー大車輪上手投げを放ち鬼丸何とか残し、大器として期待される大典太に対し鬼丸は俵を使って脱出する往生際の悪さです。大典太の鋭い突きを食らい力士寿命が短いと自覚している鬼丸が土壇場で首投げー奈落連を放ちます…

刃皇裁判開廷!
この捨て身技で土俵際両者危険な落ち方をしますが何とか無事で、鬼丸の勝ちとなります。ボロボロの鬼丸に力士寿命を縮めるだけだと親方は叱りますが、体も技もねぇってんなら命懸けるしかないんすよと危うさを見せます。国宝達が気張る中、虚空の刃皇は巨兜相手に上の空です
圧倒的強さを誇る刃皇にこれ以上消耗する前に当たれるのはむしろ良かったのかもしれないーレイナがそう思う程の二日目に刃皇ー鬼丸です。結びの一番のこの取組もあり鬼丸には余裕がなく鬼気迫るものがあり、レイナは何と由美に相談しよりによって刃皇の相撲部屋に赴き敵陣視察です
10年以上綱を張っているだけあって刃皇は落ち着いており、余裕のない鬼丸とは対照的です。レイナはつい相撲と奥様…どちらをより愛してますか?と攻めた質問をしてしまい、あんな辛そうに相撲を取る鬼丸を応援出来ないと嘆くと、刃皇は上も下もなく全ては繋がっていると諭します
鬼丸が昨日勝ってしまった事により間違った確信を得た彼はより深い闇へとその身を堕とすだろうと危惧します。刃皇は鬼丸を導いてやろう、女の子を泣かす様な悪い男は懲らしめないとと鬼退治を始めます。ー二年と少し前、怪我をする一場所前に鬼丸は刃皇との初顔合わせで気負い注文相撲を食らいます
現在刃皇の引退宣言・駿海の事・合宿と薫丸の怪我・自身の力士寿命の短さ…「全て」が鬼丸の焦燥を駆り立てます。鬼丸は燃やし尽くせ…「心」を…灰になるまで…と全てをぶつけますが「後の先」の刃皇はぶちかまさず、そのまま鬼丸得意の「焼け撥」からの逆一本ーと畳み掛けますが刃皇は冷静で憐憫の相を見せます
首投げ 奈落ーと続けると自身の命に価値を感じていない者の捨て身など何も恐くないーと唐突に刃皇裁判が開廷します!
レイナが混迷する鬼丸を連れて行った先は何と…!?
解説は土俵中央で胸が合った両者が「対話」していると横綱の鬼丸への興味を語ります。事実裁判では鬼丸の悲壮感が哀しく許し難いとし、周りに生かされている事を感じ周りの人間を笑顔にしてみせろと諭します。それでも鬼丸はいつ相撲が取れなくなるかわからない…ならせめて燃え尽きたいと思う事がいけない事なのかと問います
刃皇は嘆くより今相撲を取れている事への「喜び」を謳歌し幸せな相撲を取れと四股を踏み、結びで相撲を取る誉れを語り鬼丸はレイナの掛け声に母を重ね芯を捉えたぶちかましからの押しで使えないはずの右手で右下手を取ります
刃皇は判決を言い渡そうと相撲で周りを悲しませた罪は重いも死ぬには惜しい、情状酌量の余地有り:執行猶予三年で釈放と恍惚の相を見せ、鬼丸はふざけんな!と相撲となるとどこまでも業突く張りで面倒臭く足掻きますが刃皇に結局投げられ敗れます
鬼丸はどうやって、何をして過ごしたかも分からず翌三日目数珠丸一気の寄りで悔しい二敗目を喫します。部屋に引き籠る鬼丸にレイナは怒り、言いたい事あんなら目ぇ見て言えよと車で何とホテルに連れ出し、先にシャワーを浴びて来る、逃げんなよいくじなしと超急展開です
母からお嫁さんへのビデオレター
あられもない姿で迫るレイナにタジタジの鬼丸、レイナはそんなに私に魅力がないっての?と怒り、鬼丸は自分を粗末に扱ってはいかんぞと諭すので、あんただって相撲で自分を傷つけてる!好きなものの為に体張って何が悪いと迫ります
鬼丸は謝り、結果も出せず諦めもついたと日和るとレイナはIH団体戦の時の様な楽しそうに相撲を取るあんたが見たいの、相撲が好きだから取っているんでしょ?と説きます。鬼丸はここでやっとこの健気な彼女をワシの相撲で笑顔にしたいと踏ん切りがつき、裸で向かい合うと例のDVDが目に入ります
一旦休戦し(笑)実家で貰ったビデオレターを一緒に観る事になります。生前の母は明るくぶっ飛んでおり鬼丸とは対照的です。お嫁さん宛てのビデオレターで、気丈に振る舞った母も実は病弱で弱い部分もあり、それを人に見せない姿は鬼丸に重なります
思いっきり甘えさせてやって下さいという言葉に心打たれたレイナは深い包容力で鬼丸を抱き寄せ、私の前でくらいは…弱い所も格好悪い所も全部受け止めると諭し、鬼丸はつい相撲が好きなのに…好きだからもうずっと苦しいと打ち明け、レイナは今日からは団体戦だ、私はいなくなったりしないからと宥めます
鬼丸は疲れもあったのか熟睡し、こっそりホテルを後にする車内で九月場所が終わったらまた来ようね♡との言葉から鬼丸は燃えます(笑)すると何と飛び出して来た男を引いてしまい、黒づくめの男達に襲われますが、それはユーマ達で、ユーマは未だレイナをGPSで監視していたのです
更に手を出してくる男がおり、鬼丸が投げるとそれは何と國崎で、ユーマはお前に物申してぇ奴は他にもいると柴木山部屋には鬼切や三ツ橋、堀の姿もあります。童子切からの言伝でまだ十二日あるから優勝決定戦だってあり得るとし、小関は敢えて来ない事がメッセージとなります
鬼丸は「人」「自分」「相撲」…ちゃんと向き合うんじゃ…もう心配かけたくない、その為にも諦める訳にはいかない、この土俵を生き抜く為にみんなの力を貸してくれと吹っ切れたところでこの巻は終わります
まとめ
大典太に勝ってしまった事は逆に鬼丸を追い込み、死地へと向かう中、二日目の相手は横綱:刃皇です。早くも山場を迎える訳ですが、現段階では技量も心も遥か上を行く刃皇には到底敵わず、混迷を極める鬼丸は三日目も敗れ一勝二敗と最早後がありません
ここでレイナ決死のラブホテル作戦が却って功を奏し、鬼丸の母のビデオレターからのメッセージも受け取り二人の絆は深まり、疲れ切っていた鬼丸は熟睡出来ます。肝心のワンナイトラブはお預けとなりますが(笑)硬派な火ノ丸相撲屈指の濡れ場として印象深い巻です
鬼丸は個人戦より団体戦で結果を出して来た男です。心強い仲間が沢山おり、みんな鬼丸の不器用さも含めて大好きで、結果を出して欲しいと願っています。そんな仲間に支えられ、孤独に闇に陥っていた鬼丸は吹っ切れ明るい表情を見せ、是非ここからの大逆転劇を期待したいところです…24巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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