前回までのあらすじ
更に手を出してくる男がおり、鬼丸が投げるとそれは何と國崎で、ユーマはお前に物申してぇ奴は他にもいると柴木山部屋には鬼切や三ツ橋、堀の姿もあります。童子切からの言伝でまだ十二日あるから優勝決定戦だってあり得るとし、小関は敢えて来ない事がメッセージとなります
鬼丸は「人」「自分」「相撲」…ちゃんと向き合うんじゃ…もう心配かけたくない、その為にも諦める訳にはいかない、この土俵を生き抜く為にみんなの力を貸してくれと吹っ切れます…

冷静さを取り戻した鬼丸
レイナとの事でからかわれ鬼丸も笑顔を見せ場が和みます。親方は作戦会議を開き、視野が狭くなっていた鬼丸に現在の星取り状況を伝えます。全勝は僅か5人(刃皇・童子切・御手杵・大包平・三日月)、で、二勝一敗(草薙・冴ノ山・大典太)、一勝二敗(金鎧山・百乃花・大和号・数珠丸・鬼丸・大般若)と続きます
刃皇がこの混戦に飲まれる可能性はゼロじゃなく、優勝決定戦で鬼丸が再び見える事もあり得ます。親方は刃皇戦の内容が二人の純粋な実力差だとは思っておらず、鬼丸が右腕を怪我する前の自分の方が強かったと思っていないか問います
親方はそんな事は断じて無いとし、まだ開けてない強さの引き出しがあると説きます。すると赤ちゃんが現れ、何と國崎の子だと言うのです!更に大般若が伯父だと豪語し、四日目の鬼丸の相手です。大入りの国技館、観客と言い争う大般若のバカっぷりと対照的に鬼丸は落ち着いています
升席で見守る仲間達、楽しんでくると笑顔の鬼丸を送り出し、レイナは今日は負ける気がしないと感じます。ところが大般若は立ち合い変化せずぶちかまし「幕内」で相撲取っているだけあります。先手を取られた鬼丸ですが、友情パワーから鬼炎万丈の相ー火力MAXで剛力を見せます
すると大般若は秘儀!くるくる大般若から引っ掛けとメチャクチャで、鬼丸の焼け撥をかわすと蹴返しの相打ちとなり、飛んだ大般若が足を滑らしたところを鬼丸が最も得意だった右下手投げー鬼車を放とうとしますが、「打ち方」が分からなくなっており逆に五輪砕きを食らいます
鬼丸変化の兆し
ところが鬼丸は小兵の王様として懐に忍び込み打掛けー龍尾刈りを仕掛ける変貌ぶりを見せ、ゆるふんになった大般若を掛け投げー鬼車・火龍で仕留め、久しぶりに相撲を楽しめたと喜びます。「力水」でやっと冴ノ山と目が合い今日から団体戦だと気張ります
御手杵全勝キープ、数珠丸・金鎧山が続く中全勝同士の童子切ー三日月は沙田の回想で石神高校個人戦で結果を出した頃鬼丸は怪我で土俵から姿を消したのです…協議の結果同体・取り直しと三日月は風清月白の相を見せ鬼丸が幕内に戻って来るのをここで待っていたのです
自手取り上手出し投げー双月を堪え今度は文句なしの押し出しで童子切が制します。逆に今の鬼丸を認めないと凄む草薙は大包平と対します。回想で大和国部屋に狩谷が現れ怪我で相撲を諦めた中相撲部のマネージャーとして活路を開きつつある狩谷に比べ草薙は自身が幼いと戒めます
鬼丸の「横綱相撲」に魅せられた草薙は狩谷のような小兵の技を使った鬼丸が今までの「生き方」を否定する事になるんじゃないか?と鬼丸に強い影響を受けているのです。大包平は修羅の相・無道で怒り羅城閉門ー渇え殺しで草薙に何もさせず四連勝です
大関に満足してしまっている金鎧山
同部屋の刃皇をアシストどころか後ろから刺してやろうって面を見せ、結びの一番では大典太が刃皇に強烈な張り手を食らわせます!廻しが欲しい刃皇に対し自慢のリーチで突き放す大典太、突き押しだって上手いんだと刃皇も返し意地の張り合いです
そこで大典太は引き横綱の体が宙を泳ぎますが廻しを取られ四つでは大景勝と二人分を相手にしてる様に感じながら刃皇が櫓投げー蒼天で仕留め四連勝です。取材陣に押され倒れた名塚を抱き起したのは金鎧山、優勝二回で品格十分、一時期刃皇の後継者と目された男が鬼丸の五日目の相手です
翌朝髪結の床茂に調子良さそうだと褒められ落ち着きを取り戻した鬼丸、國崎の娘をレイナがあやし鬼丸は家族か…!と髪が逆立ちます(笑)レイナと駿海の下へ行きますが体力的な心配から長門部屋の関係者以外面会謝絶となり気落ちします
すると馬頭琴の音が響き金鎧山は慰問活動を行っており、どうやらもうすぐ子供が生まれるようで、家族を想う事で力を見せる大関です。鬼丸は駿海に手紙で一敗の冴ノ山の初優勝と大関取りへの援護射撃をすると書き駿海もテレビ観戦で見守ります
大典太ー冴ノ山は万雷ー水の如しと譲らず下手を引いた冴ノ山が投げから一気の寄りで4勝1敗とします。鬼丸ー金鎧山は前日作戦会議で國崎にこの力士あんま好きじゃねぇだろ?と見透かされます。更に支度部屋で刃皇に「大相撲」を背負う覚悟がないと蔑まれ金鎧山は動揺します
お互い愛するものの為にーと気張り、鬼丸会心の当たりで主導権を握ると金鎧山の「悪癖」:引き癖が出て鬼丸は國崎が言っていた事の真意=大関に満足している事を見透かしたところでこの巻は終わります
まとめ
吹っ切れた鬼丸、仲間の後押しもあり徐々に自身の真の相撲を取り戻します。得意だった右下手投げー鬼車が不発に終わる中、それでも小兵の王様として懐に忍び込む柔軟さも見せ、これからの取組に期待が持てます
大相撲の見どころの一つは同部屋力士への援護射撃があります。勝ち星が先行し、特に大関取りのチャンスの冴ノ山とは本割では当たらない為、鬼丸が勝つ事で味方を優位に出来るのです。周りの見えていなかった鬼丸が駿海含め仲間の縁に感謝するくだりは秀逸です
大包平の場合同部屋の刃皇の為に…というよりは自身が優勝したいという我を見せています。帝王:刃皇と国宝世代が幅を利かせる群雄割拠の中、金鎧山は大関在位6年、立派な事ですが、そこで満足してしまっている事を鬼丸に見透かされます
ハングリーで家族はおろか「大相撲」を背負う覚悟がなければ横綱にはなれないと刃皇も手厳しいですが、そこがこのモンゴル人同士の違いなのかもしれません…25巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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