「火ノ丸相撲」26巻の数々の激戦と成長譚~国宝対決も制しダークホース:大包平全勝キープ…冴ノ山、刃皇を敗る大番狂わせ!4大関撃破の鬼丸、二敗でギリギリ優勝戦線に残留~

前回までのあらすじ

掛け張り手 焼けばち 破城から小せぇのも大きいのもワシだと刃皇のどんな相撲道を歩む?という問いの答えが出せそうな鬼丸草薙は指で廻しをかすめ一気に得意の右上手を取ります!お互い胸が合い鬼丸は右下手、両者必殺の間合いです

膠着の裏で殺し合う土俵中央、右手が安定しない鬼丸が廻しを切られ草薙寄るも土俵際堪え、わからなくなっちまった「鬼車の打ち方」はイップスだと思われる中全てを受け入れワシはワシを謳歌する!とあの頃を思い出した鬼丸が正調右下手投げー鬼車をついに放ちます…

童子切ー大包平、国宝対決

IHインターハイ団体決勝大将戦の決まり手で決したかに見えましたが、草薙は堪え成長した姿を見せます。ところが鬼丸は派生技も復活し技の無限地獄で圧倒し、草薙の理想は全盛期の大和国の復活で、目指す理想は違えどより険しく遠い道程を行く鬼丸の「諦めない覚悟」を感じ龍尾刈りで仕掛けます

鬼丸はこれがワシの横綱相撲…鬼丸相撲じゃと百千夜叉堕でついに仕留め、なれよ大和国に…大和国を投げたくて相撲を始めたんじゃと言われ草薙は初めて「なれ・・」と言って貰えたと感慨に耽ります。この日冴ノ山は二敗目を喫し、「柴木山部屋」にとっての本場所戦いの始まりです

七日目の朝、朝陽川部屋で一人気を吐く大包平、学生横綱を経て敢えて横綱のいるこの部屋に入ったのはライバルである童子切を倒す為でもあります。全勝対決六勝0敗となったこの二人、刃皇の機嫌が悪いという事は、大包平が稽古で勝った為です

幼い頃から「国宝」と呼ばれ東西の横綱だった二人、何の因果か鳥取白楼で共に切磋琢磨した仲間でありライバルです。もう二番手なんて呼ばせない…と気張る大包平、先手を取られ左を差され閉門ーで堅守を見せますがそれすら想定済みの童子切変形小手投げー六ツ胴斬を放ちます

しかし大包平は何と堪え、ライバルとして譲る訳にはいかないと土俵際投げの打ち合いとなり、逆転で大包平の勝ちです!小手投げが完全に極まっていただけに心配もされますが、童子切も左膝を痛め、真剣勝負の結果だと動じません

冴之山の頑張り

力水で刃皇大包平に水を掛け、最後の場所万全の獅童童子切との対戦を楽しみにしていたのに台無しじゃねぇかと怒ります。大包平は逆に未練が残るなら引退撤回しますか?と迫り、同部屋でも同点トップなら優勝決定戦もあり得る・・・・・・・・・・と国宝世代としての矜持がある、思い通りにはさせませんよと返し、場内は荒れ不穏な空気です

横綱に対する冴ノ山は冷静で、対戦成績は0勝24敗ですが外国人力士隆盛の影に埋もれた世代として機は熟します。冴ノ山は立ち合いで「勝った」と確信します。冴ノ山は野球少年で、その体躯に惚れ親方が勧誘、初めて見る大相撲で「横綱」に憧れ19歳で十両昇進・20歳で新入幕と順調でした

ところが外国人力士全盛の壁と怪我もあり足踏みする中、鬼丸と出会うのです。「国宝」勢が順当に番付を上げる中一人怪我で出遅れた鬼丸、兄弟弟子として冴ノ山はその苦悩を十分に理解し、結局欲しいものは横綱以外ないと悟り、「心」の準備が大事な中昨日の黒星をバネにより集中力を高めていました

鬼丸と毎日稽古する事で地力が上がり、強い兄になるまでは…と軽口は叩かず精進を続けた冴ノ山は初土俵から12年、25回目の挑戦で初めて刃皇越えし、土をつけます!関脇の為正確には金星ではないのに座布団が舞い、正に大番狂わせです

鬼丸は作戦通り全勝だった御手杵おてぎねを敗り、ゲン担ぎで今夜は焼肉ですね!と同部屋の皆喜びます。大関昇進のかかる冴ノ山の援護射撃だとはや鬼丸にお互いまだ2敗同士、同部屋力士で優勝決定戦だと兄として戦う背中を見せる雄々しさです

闇堕ちする大包平

全勝が大包平のみと混沌としてくる中、八日目鬼丸童子切と最高の相手です。刃皇は帰宅後妻に懺悔する弱さを見せ、翌日不穏な空気の中横綱と大包平は不思議な関係です。鬼丸は入念にマッサージを受け、データ相撲の童子切の怪我の件は考えない方が良いと慎重です

大包平は学生時代から苦手意識のない大典太変形掬い投げー羅城開門 武者返しで仕留め全勝キープです。大包平は相手を傷つけるも辞さない方に振り切れており、注意が必要です。童子切は怪我を押してテーピングが痛々しい中鬼丸相手に強行出場です

かち上げから多少張り手を貰おうとも廻しだけは絶対やらねぇ…って事かと悟り、攻めてるのは鬼丸なのに押してるのは童子切です。怪我を押して出た童子切の状態をすぐに理解した鬼丸も手を抜くつもりはなく、そんな余裕もない凄まじい圧力を感じ童子切の凄さを実感します

鬼丸はぶちかましで恐くねぇってんなら怖がらせろ!とたぎり、童子切鬼丸の強さを認め刃皇を倒して優勝するんやと託し敗れます。翌日童子切は休場届を提出、記者会見を開き七日目の力水の件で刃皇批判が相次ぐ中、未だ最強の大横綱は「国宝世代」にとって目指し越えるべきいただきだと語ります

草薙・三日月・鬼丸に後を託し、大包平は全勝の俺を差し置いて…と怒ります。九日目大包平巨兜おおかぶとにダメ押しをする荒れた相撲で、余裕がありません。百乃花もものはなは角番で1勝7敗と後がないベテラン技巧派日本人大関で、刃皇に土を付けた事がある数少ない力士です

鬼丸相手に変化から出し投げを見せますが、鬼丸は残し一気の寄りと力強い相撲で7勝目、4大関撃破で優勝争いに名を連ねます。國崎は余裕が無ぇってのがある意味一番危ねぇんだ…と警戒し、邪魔する者は壊してでも…と堕ちる大包平鬼丸が十一日目で対戦する事が決まるところでこの巻は終わります

まとめ

荒れる九月場所、大包平が躍動し、唯一全勝をキープと気を吐きます。大包平が敢えて朝陽川部屋に入ったのは最強刃皇と稽古が積めるからでもあり、本場所で対する唯一の可能性:優勝決定戦での同部屋対決に懸けていたのです

対する冴之山は二敗を喫しても逆に気を引き締め刃皇戦に臨み、油断した刃皇に土を付ける波乱です。このように盤石と思われた横綱でも力水の件からもメンタルの揺らぎが見られ、付け入る隙がある事が分かり、相撲は本当に「心」の大切さを感じさせます

ここに来て二敗の鬼丸も優勝戦線にギリギリ残る混沌とした九月場所となり、全勝の大包平もダメ押しする等危うい方向に進んでいる中、鬼丸は十一日目で対します…優勝の行方が混迷を極め俄然面白くなって来た火ノ丸相撲、27巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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