前回までのあらすじ
電車で帰るように麻里に言うと、犬屋敷は朝には帰ると言い残し、再度飛び立ち、命の危うい人の救済に力を注いでいます…
機械でもお父さんはお父さん
犬屋敷は能力で人を救い続けます。神のなせる業だと動画をYouTubeにUPされ再生数も伸びています。犬屋敷はメチャクチャになった東京を跳びながら述懐します。この時のために生まれてきたのだと…
麻里は無事家に帰ることが出来ました。犬屋敷を心配する家族ですが、麻里は犬屋敷が無事に帰って来ると分かっています
路地で倒れている獅子神が通行人に水を求め、缶ジュースを飲ませて貰います
翌朝犬屋敷が家に帰ると、家族全員が待っています。ニュースでは犬屋敷の治療が神の所業だと大々的に報道されています。問いただす妻に、犬屋敷は謝りながら機械の身体を見せます
犬屋敷は黙っててごめんと家を出ようとすると、妻が新婚旅行の話をするので、犬屋敷が知っていることを正直に話すと、妻と麻里はお父さんだよと泣きながら抱き着きます。息子だけ納得がいかないようです
学校でも犬屋敷の話題で持ち切りの中、安堂は犬屋敷に電話し、警戒を促し、部屋に入ると、そこには獅子神がいるのです!意を決して獅子神に今週のジャンプ読む?と聞いてみると、話に乗ってきます
哀れな獅子神
腕のない獅子神は足でページをめくります。獅子神は安堂にちゃんと学校に行っているか?いじめられていないか?と問います。安堂はトイレと言って中座します
安堂は犬屋敷に電話します。犬屋敷を自宅に呼び、獅子神にも、「お前は殺人機械だ、何人殺したんだ?」と問います。獅子神は立ち上がり、涙を流します。犬屋敷が安藤宅についた頃には獅子神は既にその場を後にしていました
獅子神は街なかを歩きながら、SNS等で自分のことをチェックします。どこもかしこも獅子神のことを悪く言っており、肯定的な意見は皆無です。獅子神は警察に見つかります。多くの警官に囲まれ、発砲されますが、空を飛んで逃げます
しおん宅に向かいますが、顔を遠目で見たものの、会いにいけません
ホビットでも自分が好きだよ
犬屋敷家では幸せな時間が過ぎている中、息子は一人孤独感を抱いています。学校でカツアゲを食らい、たまたま帰り道も犬屋敷と帰ることになると、交通事故現場に遭遇します
絶望的だった女の子の命を犬屋敷が救い、人々の称賛を集めます。息子は自分も機械になりたいと言います。犬屋敷は「死ぬからこそ…愛おしいんだ」と言います
「僕と同時に機械になった男は人を殺すことに体を使った。僕は人を救うことに使った。ホビットでも自分が好きだよ」と犬屋敷は満足そうに答えます
人類滅亡?!犬屋敷の決意
ファミレスに4人で食事に行った犬屋敷家。麻里の漫画の件等話をしていると、周りではしきりにトランプ大統領の話題を口にする人がいます。川辺で幸せなひと時を過ごし、自宅に帰ってくると、ニュースでトランプが3日後隕石が地球に落下すると話しています!
犬屋敷家族は外に出て星空を眺めます
翌日犬屋敷と息子が通勤していても、人が全くいません。電車の車内ではストリートキングが素っ裸で走り回っています。息子は帰り道異常な光景を多々見て、急いで家に帰ります
犬屋敷も裸の暴走族を見たりと世の中は異常な状態になっています。その日の食卓では、妻が「みんなバラバラで一人ずつ死ぬより、みんな一緒に…いっぺんに死ぬのもいいかも」と呟きます
犬屋敷に安堂から電話が掛かって来ます。安堂が正直に感情を吐露すると、犬屋敷は「僕は…やってみるよ…最後まで…意味…ないかもしれないけど…」と答えたところでこの巻は終わります
まとめ
獅子神の悪行と犬屋敷の善行…完全に明暗がはっきり分かれた巻でした。人の心を失い、悪に手を染めた獅子神は、いくらイケメンだからと言って許されるものではなく、誰からも支持されず、途方に暮れる他ありません
一方犬屋敷は、うだつの上がらない地味な初老のサラリーマンでしたが、善行を重ねることで、周りからの、家族からの見る目が変わって来ます。本当に物事というのは不思議なもので、善い行いをするとそれが自分に返ってくるのですね。家族円満になった犬屋敷家、幸せな時間が過ぎていきます
ところが、ここで以前話題になっていた隕石が地球に落下してくるというニュースが飛び込んできます。本当の危機になると、人の行動も常軌を逸したものになるという描写がありますが、実際このようなことは起こりそうですね
ここに来て一気に絶望的な空気が醸し出す中、犬屋敷は決心します。この初老のヒーローが、最後にどんな奇跡を起こすのか…次巻最終巻です、心して読みましょう!!
おまけ
この9巻にはフルカラーコミック付き特装版というものがあります。ここでしか読めない獅子神の読み切りが載っています。入手困難ですが、探してみて下さい
コメント