前回までのあらすじ
仏蘭西銀貨殺人事件…罪を償いロワゾは残しておくのでいつでも戻ってこられるように待っていると2人は抱き合います。後日ますみを小学校の同窓会に呼び寄せ楽しい時を過ごし、剣持はますみの罪もそれ程重い刑に服さずに済みそうだとし、幹事の金田一がてんてこ舞いです…
明智のベンツ修理代を稼ぎに遺跡発掘バイトも…
玲香のロケからの流れで明智のベンツ修理代を稼ぐハメになった金田一、宗像さつきが遺跡発掘のバイトを提案し出雲の魔陣村へ赴きます。依頼主はさつきの母で父との因縁を語ります。「宝玉の館」「矛の館」「七鏡の館」の3軒しかなく、「銅鐸の館」は10年前火事で燃えてしまったのです
夫人は黒いベールを被っており、港屋明日香に村西弥生、九十九イヨ、大和猛、国守秋比古、鳥辺野章、江戸川謙次、港屋寛一、蘇我豊広といった面々です。村は凶鳥の命に守られており、国守は当主宗像志郎氏の遺志を継いで4つの神具を探し出す事とします
さつきはここは「封印の村」で手がかりは「4つの魔神具」のレプリカのみとします。露天風呂でさつきが急接近、金田一は出直して来ます(笑)すると凶鳥の命が現れさつきが絶叫、アリバイを洗うと金田一は即座に大和が犯人と看破します。眼鏡が曇って掛けられなかったのが理由です
「凶鳥の座」の「鏡岩」は取っ手が2つあり2人でないと開けられない仕組みです。発掘で土器は出て来ますが魔神具は見つかりません。ガス漏れ騒ぎがあり美味しい夕食を食べ美雪が凶鳥の命を見かけ腹が減った金田一はカップ麺を食べようとすると火が付かず九十九が対応します
大和がどこにもおらず、「凶鳥の座」で宝玉のレプリカと共に死体で発見、金田一は密室殺人だと断言します。魔神具のレプリカが「銅鐸」を除いて3つ無くなっており、江戸川は「見立て殺人」だと騒ぎます。さつきは呪いと「3つの死」の昔語りをし、3つ目の戒めを守らなかったせいで…と意味深です
「魔神具」のありかを示す「暗号」とは⁉
皆慌てて唯一のトンネルに向かいますが天井が崩れ命からがら助かり村に閉じ込められ寛一に鐘が落下し首と腕を残して飲み込み死に絶えます。銅鐸のレプリカまでなくなり、金田一はちょっとしたことから大和の死体が石室内にあったのを見抜きます
内と外の2人で開け最後に確認した「A」が蘇我だと…しかし大和を殺す事は出来ず謎はまだ残ります。さつきは唐突に私を抱いてと金田一に迫り、3つ目の戒めを果たす為でしたが美雪に見られ佐木のビデオで誤解も解けます(ビデオは金田一が没収します…笑)
鐘を調べるとさつきが館の鏡が全部割られていると騒ぎ、蘇我が紙のようなモノを握って死んでいます。それは日めくりカレンダーの2月27・28日でした。ダイイングメッセージだとし、佐木は死んだ2人は志郎の事故死に関わっておりその復讐だと騒ぎますが寛一の死は不自然です
金田一はさつきの母がああなってしまった事を問うとさつきを生む少し前に顔にアザが出来て引き籠るようになったと村西から聞いていました。鳥辺野はさつきに僕ではダメなんですか?と抱き締めます。夫人が金田一にさつきに手紙を渡す様請い、気になって部屋に行くと凶鳥の命が夫人を抱えて窓から脱出します
血まみれの矛と夫人のヴェールが滝壺にあり、呪いは出揃いさつきは卒倒します。金田一は村西に例の手紙をさつきに渡す様請います。寛一は事故死だとし、それすら「見立て殺人」にしてしまったと…九十九は「七鏡」の1枚を夫人がわざと割り19年近く顔を隠すようになったと語ります
鳥辺野に古い造り物を案内され、これらの中に「魔神具」のありかを示す「暗号」が隠されており鏡が割られた本当の理由もきっとここにあると図面を見つめます。金田一は日めくりカレンダー自体が無くなっている事から「思い違い」をしていたと悟り後は密室殺人トリックです
驚愕の密室殺人トリックの真相
「鏡岩」を1人で動かすのは無理で、佐木は通気孔しか抜け穴はないとします。江戸川達は食料が尽きかけてるので鳥を捕え、鳥辺野は残忍なところもあります。村西と明日香は金田一にアネモネを渡しさつきは喜び、美雪が張り合います(笑)さつきは村に残る気です
佐木のすかしっ屁から金田一は大和殺しの密室トリックを見抜き、更に館に隠された暗号の答えを悟り謎はすべて解けた…と確信します。密室殺人のトリックを再現し、皆を「凶鳥の座」に閉じ込め異臭がし、通気孔に首を入れた江戸川が例の捕獲機で首を絞められます
蘇我は犯人と協力して中に入り密室、そこでプロパンガスの強い臭いから通気孔に誘導され、その臭いをカラスの死骸の腐臭で誤魔化します。例のダイイングメッセージは残ったカレンダーが大事で、3月は弥生=犯人だと…金田一は献立表に注目、2日目だけ冷たいメニューが集中しレンジの火が使えなかったと見抜きます
台所のプロパンガスのボンベは「凶鳥の座」に運ばれており、例の金田一のカップ麺の件もギリギリ復旧が間に合って事なきを得たのです。ガス漏れ事故で鏡の反射角度から「閻魔地蔵」に行き着き、そこに「4つの魔神具」は確かにあります
村西は昔語りし志郎との馴れ初めから誤って夫人を殺してしまった事を明かし、志郎は君が「宗像今日子」になればいいと1人2役を演じ続けていたのです。最後の矛に見立てた殺人は偽装殺人でした。村西と志郎の子がさつきだったと明かし、3月に生まれた弥生だから5月に生まれたさつきにしようと…
秘密を知ってしまった村西に「凶鳥様」が舞い降り2人を殺害、先の無い村西は矛で自決しようとし金田一は稲妻の閃光から「黒い影」が飛び去る幻を見ます。後日病室の村西は記憶喪失になり半年の命ながらさつきとかけがえのない日々を過ごします。鳥辺野は行方不明になった女の子が僕だと明かし永い呪縛から解き放たれます
金田一がバイト代1円も貰ってないというオチでこの巻は終わります
まとめ
今巻も閉ざされた環境、「見立て殺人」、過去の因縁や特に秀逸な密室殺人の謎等盛り沢山の内容です。要所要所で佐木が良い役回りをしており、彼の機転等から金田一は気付きを得て事件を解決に導きます。そういった意味で陰の殊勲者は佐木だったのかもしれません
村西の名前が弥生で、宗像さつきは平仮名ながら五月、この共通項から勘付いた方もいたかもしれません。今回の鏡の謎といい金田一少年の事件簿はあくまで読者参加型の推理ものとして投げ掛け、読者に考えさせる作りが巧みです
今回も動機が重要でしたが、約20年間1人2役を演じきった村西の鉄の意志と志郎との結束、そして最終的に記憶喪失となりながら実の娘=さつきと残り短いかけがえのない時間を共に過ごせるのは救いでもありました。明智のベンツ修理代がどうなったのか気になりますが(笑)19巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
コメント