「金田一少年の事件簿」23巻の深まる謎と極上ミステリー~雪影村殺人事件…5年前訪れた秋田の雪影村での悲劇…不可能犯罪の足跡トリックの謎を解け!些細なすれ違いが生んだ惨劇の顛末とは⁉~

  1. 前回までのあらすじ
  2. 5年ぶりの雪影村で悲劇
  3. 葬式に次ぐ葬式
  4. 些細なすれ違いが生んだ惨劇と足跡のトリック
  5. まとめ
  6. おまけ
前回までのあらすじ

天草財宝伝説殺人事件…いつき最上の仇と迫りますが逆にワテ和田を殺してくれと弱気、朋美が心臓と肺の病気で半年の命だと…手術に8000万掛かり自殺し保険金と企みますが上手くいきません。そこに例の遺産の話が舞い込み凶行に及んだのです。事件後美浦のT字のクッキーから金田一は再度さんしゃる池に赴きます

朋美いつきが見舞い、夜サンタが現れ「天正菱小判」をプレゼント、1億で売れ治療費に充てられ和田は監獄で泣き喜びます。金田一はさんしゃる池は巨大な十字架に見立てられたと見抜きいつきが宝掘り当てたんだろと羽交い絞めにします…

5年ぶりの雪影村で悲劇

5年前雪影村に金田一が滞在したのは2週間でしたが旧友から久々に連絡があり赴くと魚住響四郎太刀川みやこ蓮沼綾花立石直也島津たくみやしろ冬美といった面々が出迎え、理由は葉多野春菜の葬式でした。亡骸には「上送りの矢」という3本の矢が死者の魂を静めるとされています

自殺となっていますが、遺書に不可解な記述がありうれしい色だったはずが許されない色だったと…桜雪祭おうせつさいは予定通り行われ、金田一の家でたらふくご馳走になり(笑)三百年続いている名残雪が不思議です。約束のタイムカプセルを開けようと話し、は巫女として気張り5年あれば皆変化もあります

そんな中金田一だけは変わらずスケベで場を和ませ、翌日タイムカプセルを皆で掘りに雪影中に行くと校庭に雪の足跡があり、が「上送りの矢」を刺され死んでいます!不可能犯罪か⁉と金田一は戦慄し、刑事に事情を説明し春奈の死と関係ありそうです

宅に赴くと酷く落ち込んでいた場面があったと言われ春奈の父が頬に傷があったと意味深です。立石も現れ春奈宅に行き今井龍矢春菜の父宛ての遺書を見せて貰います。葬式にも名はあるもののは来なかったと話します

葬式に次ぐ葬式

雪影高校も9月で廃校となる事に決まり、進路はそれぞれです。雪影中に行くと板倉先生がおり、綾花もテニス部OGとして掃除に来ていて昔より涙もろくなりました。部室の電球が切れています。魚住はギターを辞め島津は得意の野球が肩やっちまって出来なくなと変化があります

社の母は靴が1足無くなっている点を刑事に話し金田一は後ろ向きに足跡を付けて立ち去ったと殺人事件と断定します。葬式にはやはり今井龍矢が来ており頬に傷がある男はどこにも居ません。金田一は雪はたった1時間で止んで雨に変わる為金田一達に足跡を見せる為に仕組まれたと感じます

アリバイの件から魚住が疑われますが、金田一が弁護し、春奈の母に実の父親=今井龍矢は岬町に住んでいるのでは?と問うと店の常連で別人と言われます。翌日今度は綾花が例の部室で矢を刺され殺されており、葬式に次ぐ葬式で死神に取り憑かれているかのようです

するとメンバー全員お揃いの数珠が無くなっており、金田一は現場検証し確かに電球は切れており、そこで何か・・を見つけます。その日は立石宅で飲み、雪が降っても砂浜には積もっていなく、更に今井龍矢本人もおり春奈の父とは別人と分かり金田一は謎はすべて解けた…と確信します

些細なすれ違いが生んだ惨劇と足跡のトリック

金田一はタイムカプセルを埋めた時の事を思い出しながら犯人を校庭に呼び出し自首してくれと請います。部室で犯人は数珠をバラ撒いてしまい皆の数珠を盗んで証拠隠滅し、金田一は現場で見つけたのです。部室の電球が切れたままで数珠は拾い集めているという事は、腕が上がらず電球を替えられなかった証明です

利き腕の右手が上がらない島津が犯人で、金田一は再度自首を勧めます。島津は足跡の件を切り出し、金田一は呼び出した島津の足跡がいつの間にか浮かび上がっている事からトリックを看破、足跡の形に塩を撒いていたと…島津の父金田一が浜辺で会った今井龍矢春奈の父と同姓同名だったのです

島津春奈は結婚の約束までしていましたが、春奈は妊娠し2人社・綾花の作り話を真に受けて自殺したと思われ、同姓同名の父から2人島津・春奈は兄妹だと勘違いしてしまったのです。3本目の矢は俺を罰する為に取っておいたと自決しようとする島津立石が石を投げ止め、魚住・都も現れます

7年間バッテリーを組んでいた立石は生きてて欲しいと本音を吐露、島津はその日のうちに自首します。残った面々でタイムカプセルを開け、それぞれの黒歴史と島津への想いが綴られ、ほんのすれ違いが大事になってしまったと…スケッチブックに春奈の絵があり、終わったはずの桜雪が降り三百年なかった事です

帰りの電車で金田一は頬に傷のある男と会い、それは本当の今井龍矢春菜の父だったというオチでこの巻は終わります

まとめ

今回は美雪達の出番はなく、金田一が5年前訪れた雪影村が舞台となります。多感な中学時代から高校生、それぞれの成長と恋模様もあり秋田という設定で何かもの悲しさ漂う内容となっています。エースピッチャーだった島津はモテ、その事が今回の悲劇を生む訳ですが、些細なすれ違いが生じての出来事です

今回の事件の肝は足跡トリックと犯人が部室の電球が替えられなかった点、お揃いの数珠が盗まれた事等ですが、コンパクトに話が収まり長編と比べると読み易い内容となっています。今井龍矢が2人居たという事も物語を複雑にし、結果誤解を招くのです

今回の同窓会のような雰囲気も金田一が赴く先は事件アリ…一瞬も油断出来ない彼も旧友達を疑い自首を勧める等困難な立ち回りを健気に行い、名探偵の孫としての正義感は大したものです…24巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

おまけ

金田一少年の事件簿の続編に金田一37歳の事件簿があります。数々の難事件を解決した天才高校生・金田一一きんだいちはじめは、37歳のオッサンになっていた…という衝撃の新展開で過去ファン歓喜の内容となっています

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