「金田一少年の事件簿」24巻の深まる謎と極上ミステリー~露西亜人形殺人事件…ミステリー作家=山之内恒聖の遺産相続ゲーム勃発!巧妙な見立て殺人の謎を高遠に犯人を殺される前に解く無理ゲー…裏の裏をかいた真犯人とは⁉~

  1. 前回までのあらすじ
  2. 山之内恒聖ミステリー作家の遺産相続ゲーム勃発
  3. ローゼス高遠との鍔迫り合い
  4. 裏の裏をかいた真犯人とは⁉
  5. まとめ
  6. おまけ
前回までのあらすじ

雪影村殺人事件…7年間バッテリーを組んでいた立石は生きてて欲しいと本音を吐露、島津はその日のうちに自首します。残った面々でタイムカプセルを開け、それぞれの黒歴史とやしろ島津への想いが綴られ、ほんのすれ違いが大事になってしまったと…スケッチブックに春奈の絵があり、終わったはずの桜雪が降り三百年なかった事です

帰りの電車で金田一は頬に傷のある男と会い、それは本当の今井龍矢春菜の父だったというオチです…

山之内恒聖ミステリー作家の遺産相続ゲーム勃発

佐木が作った探偵事務所のHPホームページいつきから連絡、常談社じょうだんしゃ宝田光二文芸雑誌編集者山之内恒聖ミステリー作家の遺産相続で相続人5人とゲームの様な暗号を託されます。今回の件はあの高遠遙一が絡んでいるようで、露西亜館に赴き田代富士夫執事が出迎え、神明忠治ミステリー評論家犬飼高志高校生梅園薫ミステリー作家桐江想子メイド幽月来夢挿絵画家スカーレット・ローゼス奇術師といった面々です

有頭大介弁護士メッセージ山之内を公開し5体のロシア人形が第2の暗号だとし、それぞれ神明コントラバス梅園第2バイオリン犬飼第1バイオリン幽月ビオラ宝田チェロと割り振ります。桐江は料理上手で、田代からマスターキーを預かり厳重です。ローゼス高遠は性悪説論者で幽月と組んで意味深です

10時になり再び山之内のビデオを観てそれぞれ金に困っている事が判明、11時の夕食に神明が現れず天井のシミから部屋を訪ねると首切り死体と人形が見つかり、ロシア人形が5体ともなくなっています死因は撲殺でローゼスは見立てだとし、犬飼山之内の代表作「露西亜人形殺人事件」を想起します

真犯人・指揮者コンダクターはこの中にいる可能性があり、翌朝異様な眠気に襲われ宝田が同様に殺されこれで三重奏トリオです。ローゼスは隠し扉を発見しトリックだらけの館で各部屋仕掛けが施されています。キーストッカーのワイヤーは非常に頑丈で合鍵はなく、マスターキーは中立的立場からローゼスが預かる事になります

ローゼス高遠との鍔迫り合い

金田一は館の平面図を手に入れ幽月は火傷を見せ遺産を手に入れたいと本音を吐露します。金田一美雪の部屋とのマジックミラー越しに顔を近づけさせキスをします!その夜も異常な眠気に襲われ夕食に薬が盛られているようで、今度は幽月が部屋から反応がなく、ローゼスがキーストッカーから外し開けると死んでおり密室殺人です

当然ローゼスが疑われココアを飲まなかった点を犬飼が指摘、しかし金田一は唐辛子をココアの膜で覆うトリックを披露し犯人だけ睡眠薬を飲まずに済ませたのだと…とうとう二重奏デュオとなりローゼスの容疑を晴らした金田一は彼が高遠だと見抜いており、先に事件の謎を解いたら犯人の命は助けてくれと約束します

金田一は腕時計が5分遅れていたはずも今は合っており、時計台で確認しますが雨に降られ、その事から見立て人形の謎を解き、美雪の几帳面さと佐木のビデオから犯人に目星を付けます。あとは密室殺人だけで、キーシリンダーの件から見落としに気付き、謎はすべて解けた…と確信します

裏の裏をかいた真犯人とは⁉

今度は梅園が殺されており、ローゼス犬飼が犯人とし素顔を明かし、「指揮者コンダクター」に死をーと犬飼の胸を刺します!本性を現した高遠から逃げる為バリケードを張り桐江は暗号が解けたと時計塔に仕掛け扉があり封筒に第2の遺書が見つかり、有頭が読み上げると突き止めた者が真犯人=「指揮者コンダクターだと金田一がすり替えていました

梅園犬飼も死んでいなく高遠と協力して一芝居打ったのです!実は正確には暗号解読は出来ていなく、桐江は時計塔で雨に濡れながら針を5分進め隠し扉の遺書を取り出しており、候補者全員死ねば発見者に遺産が転がり込むと知り凶行に及んだのです

人形を持ち去った理由は雨で濡らしてしまったからで、見立て殺人で巧妙にカバーしたのです。桐江はトリックノートの存在を指摘も電気スタンドの傘のすり替えで追い詰められ、高遠が凄むので金田一がキーストッカーのトリックを暴き心理トリック1~3を列挙、実は簡単にキーが外れる仕掛けだったのです

桐江は観念し動機は金だとトリックノートは実はの物で山之内にその存在を明かし、はヨーロッパで事故死、ちゃっかり山之内はそのトリックノートを活かし文豪デビューし有名になっていったのです。桐江は自決しようとすると花びらに変わり高遠はマジックで約束を守りバルーンで去ります

高遠はトリックノートを自分と重ねて昔の自分を見て同情したのかもしれません。その後山之内の未発表遺作が送られて来ていつきは「露西亜館 新たなる殺人」という題で今回の事件と似ていると…公園で子供にマリオネットを操っていた男が高遠で本当の「指揮者コンダクター」は山之内本人だったとします

実は候補者全員に殺意を抱いており桐江を殺人に誘う巧妙な罠だったと…高遠金田一は決して交わる事のない平行線だがいつも隣にある、双子の兄弟のようにね!と去り、このライバル関係は続きそうなところでこの巻は終わります

まとめ

今巻では永遠のライバル=高遠の存在が強烈で、彼が犯人を殺すのが先か、金田一が事件の真相に辿り着くかでハラハラさせる展開です。5人の遺産相続候補者の中に犯人は居なかったというのも意外でしたが、悲しい動機と、それすら覆す裏の裏をかいた真犯人=山之内本人という顛末が驚愕です

桐江は巧妙に事件を操っているようで実は山之内に踊らされていたのです。死して尚生ける者達を巧妙に操る山之内の絵を描いた桐江が惨めです…相手が金田一高遠では出し抜く事も不可能だったでしょう。そういう意味で山之内は全てを騙し悪の権化として秀逸です

金田一少年の事件簿の後半は高遠とのやり合いが見ものですが、人を殺す事も厭わない彼を止めるには一寸の狂いもない推理力が必要です。双子の兄弟と揶揄され燃える金田一、このライバル関係を見守っていきましょう…25巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

おまけ

金田一少年の事件簿の続編で最新作に金田一パパの事件簿があります。ついに父親となった金田一に舞い込む事件とは果たしてどんなものなのか?是非チェック頂きたい新作です

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