「金田一少年の事件簿」27巻の深まる謎と極上ミステリー~吸血鬼伝説殺人事件…「ルーウィン」というペンションで吸血鬼騒ぎで美雪が疑われ…「困難の分割」というマジックの基本と巧妙な「心理誘導トリック」を解け!~

  1. 前回までのあらすじ
  2. 「ルーウィン」というペンションで吸血鬼ヴァンパイア騒ぎ
  3. 美雪が吸血鬼ヴァンパイア
  4. 「困難の分割」というマジックの基本と巧妙な「心理誘導トリック」
  5. まとめ
前回までのあらすじ

金田一少年の決死行…角度とリーが聴いた音・ビデオから剣持が地獄の傀儡子だと断定、方向的に無理ですがダーツの穴を通したトリックだと看破、高遠が素顔を晒します。ここで高遠は逃げも隠れもしない、最後の報復だと窓から身投げし最悪の形で決着がつきます

剣持・いつきの帰国時に実は高遠剣持に化け生きていた事が判明、ついに高遠は敗北を認め捕まります。1か月後ナンからチャンがその後10cm近く背が伸び声変わりし無事だと手紙が来て安心する金田一に別の手紙が来て退屈な夏休みが一変します…

「ルーウィン」というペンションで吸血鬼ヴァンパイア騒ぎ

貴船葉平がバイトしている「ルーウィン」というペンションで合流する事になった美雪達、バスには流山森太郎作家猫間純子フリーライターもおり、比良川透ペンションオーナー貴船アルバイトが出迎えます。湊青子ペンションスタッフが案内し、部屋で美雪金田一と久しぶりに再会、嬉しくて泣いてしまいます

貴船が近くの廃墟村に一番人気の病院があると誘い、赴くと二神育夫医者海谷朝香ブティックオーナーが偶然居合わせたと言いますが金田一はウソで勝手知ったる場所と見抜きます。スケベな金田一は床が抜け地下室を発見、ワインセラーになっています。夕食時「悪魔の血シンジエレ ドラクルイ」というワインの話題になり海谷は顔が真っ青です

緋色景介宿泊客が現れ青谷と知った風です。比良川吸血鬼ヴァンパイア伝説について語り始め貴船の悪戯で金田一はビビります!美雪は何者かに捕縛され海谷吸血鬼ヴァンパイアに殺され自身も首を絞められます。金田一は悪寒がし、皆でルーマニアワインを飲む事になりますがワインセラーに見当たらず、金田一が蜘蛛の巣が無い所から見つけます

ワインを楽しみお開きとなり、が風呂に入ると湯舟が真っ赤で人間の血なら致死量を超えてます。美雪がバスタオル姿で倒れており、海谷が死んでおり首筋に噛まれた跡があり美雪も同様です。二神が検屍し死因は縊死絞殺で体内の血液が非常に少なくなっており血が吸い取られた?と吸血鬼ヴァンパイア騒ぎとなります

美雪が吸血鬼ヴァンパイア

緋色ひいろ吸血鬼ヴァンパイアはたった今この中にも居ると意味深です。死後に血を抜いたようで殺人事件だとはミステリー好きです。アリバイから流山ながれやまが疑われますが流石に強引過ぎ、美雪を犯行現場まで運んだ方法が荷物用のエレベーターだとですが、最大積載量45kg的に2kgオーバーで美雪は乗れません

調べると誤差1.1kg程度でやはり美雪は乗れず、「不可能犯罪」だと騒ぐ金田一は紛れもない人間の仕業だと冷静です。探偵気取りのは翌朝も気が強くバチバチで、プロパンガスの調子が悪く様子を見に行った貴船金田一の自転車を見つけタイヤがズタボロで今見つかったのも何か理由がありそうです

美雪の背中が血まみれで、部屋も血まみれ、奥で二神が死んでおり密室殺人です。美雪が疑われ吸血鬼ヴァンパイアに血を吸われ無意識のうちに…と怯えると金田一は人間心理的にあり得ないとし、計画殺人だと断言、ペンションを調べ殺人トリックには正に好都合な「舞台」です

緋色二神海谷と共に病院で働いていたと見抜きますが知り合い同士隠して不自然な行動のワケは明かさず意味深です。美雪は自身を疑いますが金田一は信じており、見取り図からどうにかして美雪を2Fに上げられないか試しますが上手くいきません

「困難の分割」というマジックの基本と巧妙な「心理誘導トリック」

比良川は15年前元になったホテルで働いており、昔の写真から緋色辻由利亜だと判明、彼女はボンベイタイプ血液型で特殊なのです。美雪のラッキースケベから金田一は「吸血鬼ヴァンパイア」の正体を特定、美雪は誰かに髪を切られてると気付きます。ここから金田一は「困難の分割」というマジックの基本でアリバイトリックを看破、謎はすべて解けた…と確信します

関係者を集め美雪が自分の部屋に入り血まみれの床を目にした時奥に二神の死体はあったのか問います。「密室」が密室でなくなり、後から運び込んだと…「死体」の存在を心理の目で見てしまったのです。巧妙な「心理誘導トリック」で自転車も注意を向けさせ美雪への視線をそらした訳です

例のラッキースケベで金田一はひとりの人物の決定的な不自然さを感じ取り、が「吸血鬼ヴァンパイア」とします。素人探偵を気取って事件を推理してみせたのには「理由」があり、真っ赤な風呂で悲鳴を上げた際えらくきっちりとバスタオルを巻きつけて体を隠していた点が美雪と正反対だと…

芝居であり巧妙な心理トリックで確実なアリバイを手にし、騒動を起こしたのです。海谷殺害時の完璧なアリバイについて金田一は理にかなった「錯覚トリック」だと見抜き部屋を偽装、奇想天外な「分割トリック」で美雪から血液を抜いて軽くしたのです

しかし認めないはエレベーターを調べた際殺人事件の直後で辻褄が合わないとしますが、金田一は一旦抜いた血液を再度美雪に戻したと看破します。このトリックを行う時出来てしまう2つのキズを吸血鬼ヴァンパイアの2つの牙に噛まれたように見立てたのです

物的証拠を指摘する美雪の髪の毛を彼女のポケットから採取、決め手になります。由利亜の妹で母親が違うのです。が病院で働き始め、ボンベイタイプの女の子の輸血で5千万と引き換えに由利亜の命が捧げられたと…緋色にワザと刺され由利亜と恋人同士で彼もボンベイタイプだと明かします

緋色は自責の念を感じて生きており、もうすぐキミ由利亜のところへーというところで金田一が輸血すれば助かると閃き、両者は一命を取り留めます。金田一高遠の手紙から今回のペンションが新たな事件の「温床」になりかねない…その挑戦に真っ向勝負だと単身自転車を漕ぐところでこの巻は終わります

まとめ

今巻から装いも新たに始まった金田一少年の事件簿金田一高遠の手紙から新たな事件の「温床」になりかねない…と美雪達を呼び出し、事実事件が起こってしまいます。今巻では美雪がキーマンとなっており、吸血鬼ヴァンパイア騒ぎから自身が事を犯してしまったのか?と感じる程ハメられます

今回肝となるのは美雪の体重で、血液を抜いて戻すという奇想天外なトリックには驚愕しますね!どうしても出来てしまう2つのキズを吸血鬼ヴァンパイアに吸われたように偽装する等手が込んでいます。ギリギリエレベーターが動かず美雪の髪の毛を切って移動出来た訳ですが、それが物的証拠になるとは致命的でした

今回も悲しい動機となりましたが、緋色も希少なボンベイタイプだった事から輸血で命拾いし事なきを得ます。キーマンの美雪と共に、「血液」が重要なポイントとなった今巻、吸血鬼伝説殺人事件というタイトル通りに読者をいざなう作風は相変わらず流石という他ありません…28巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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