前回までのあらすじ
オペラ座館・第三の殺人…例の大ヤケドを負った霧生と結ばれた湖月は絵門に2人で居るところを見られ騒ぎとなり霧生は消え、3人が火事を起こし樹海の遺品から「ファントムの花嫁」として手を下したと…劇場に火を放ち金田一は湖月を例の地下迷宮の崖っぷちの洞窟に導き無事です
静歌は霧生が黒沢との子と明かし事件は幕を下ろし白神は負けを認め金田一は放蕩の旅から実家に帰る事を決意、すると明智から高遠が脱獄したと電話があり因縁の2人の対決が現実味を帯びます…
獄門塾で明智が講師⁉
村上草太と金田一の心配をする美雪、獄門塾には赤尾一葉、近衛元彦、鯨木大介、茂呂井蓮、式部清子、濱秋子、中屋敷学、氏家貴之がおり、非常ベルが鳴り唐突に茂呂井が死んでいます!殺人事件となり、茂呂井は指示書を握っており溝岸は「無差別殺人」と断言、すると金田一が計画殺人だと反論します
マジシャンズセレクトで「紙」で模範解答の受け渡し場所は全て違う場所が指定されていたと…剣持も現れ金田一の勇名を誇り、犯人は厄介なヤツが関わって来たと警戒します。明智も登場し役者が揃い、お互いに来た手紙が「犯罪ガイドマップ」で高遠の仕業です
塾の合宿所は山奥でバスで絵波ゆりかは文系は「太陽荘」で理系は「月光荘」だとします。厳島蘭子が待ち受け金田一は携帯を美雪の胸に隠すセクハラです(笑)海堂瞳、霧沢透もおり賑やかです。赤尾の不気味さに圧倒される中、何と明智が先生として登場、講師としても一心得あるようです
股間に携帯を隠し持ち、金田一は「太陽荘」を、明智は「月光荘」で美雪を守ります。迷路を進み午後2時にモザイク文字の各荘に到着します。やはり赤尾は高遠です!氏家は理系の面々を脅しギュウギュウのカリキュラムが待っています。文系も厳島が締めどちらも隙がありません
食後夜の散歩が日課でモザイク文字がライトアップされ鮮やかです。ロープを握って迷路を1時間は理系組です。翌朝文系組が朝の散歩、昼食時絵波はそば茶を捨てちゃいます。近衛が氏家にチョークを取って来るよう言われ、突然苦しみ出します!遅いので明智が様子を見に行くとどこにも居ません
どうやら氏家に殺されたようで、更に絵波も殺され犯人は脱落したと思われてるとほくそ笑みます。講義は進み海堂が小テストを終わらせ退席するとこちらも殺されます。草太は式部が周りで「2人」死んだと言っていたのは茂呂井と藍野修治の事のようで、運が無かったとします
行方不明の生徒が次々他殺体で見つかり…
殺された3人はまだ見つからず、鯨木はカンニングを疑われ退席後襲われ、流石に居なくなった者が多く皆不審がりますが、氏家は近衛を燃やし「燃焼」とします。4人も行方不明で金田一と明智が不審がり、まず上半身が燃える近衛を発見、明智は殺人事件と感じます
更に絵波が竹に突き刺さり死んでおり、続けて鯨木と海堂がそれぞれ死体で見つかります!2人は同時に見立て殺人だと看破します。金田一は全員に完璧なアリバイが成立するとし、霧沢が怪しいと厳島、すると電話で氏家は霧沢も死んだと言うのです。明智とアリバイ確認していたら発見したと…
霧沢は自殺の可能性もありましたが2人は納得いかず、「地獄の傀儡子」と正面衝突の構えです。離れた荘での殺人の為「悪魔のマジック」を解き明かし殺人者「スパロウ」の正体を暴いてみせると金田一は凄みます。明智は警視と明かし氏家と真っ向勝負です
太陽荘の事件の捜査は金田一に委託され、赤尾がにやける中金田一は皆に捜査協力を頼みます。明智は電池から携帯の存在を明示、更に病死した藍野と氏家が親子と判明、死んだ塾生は事情聴取されており動機が判明します。金田一は尋問を始め、藍野について調べ、明智は剣持と協力して高遠包囲網です
明智は霧沢も他殺とし、氏家に突っかかります。美雪は棚に違和感を感じると氏家が殺気立っており、明智に救われ金田一と犯人について語り合います。時系列で事件を振り返り、各々不審な点を列挙しますが決定打に欠け時間になりバスで帰る際バスシートの色と太陽荘の117の文字がメッセージで謎はすべて解けた…と確信します
極めつけの「低圧ナトリウムランプ」による誤認操作
関係者を太陽荘に集め金田一は回答編として、明智を呼び寄せたのは「検死の知識」を持つ人間が必要だったと…心理的ミスディレクションが茂呂井殺しの毒針トリックに隠されていたのです。金田一は各グループ殺人時対のグループの誰にもアリバイが無く、2つの建物を極僅かな時間で移動出来ればはなれわざが可能になると…
犯人は2人おり、1人は氏家だとし、太陽荘のメンバーの中に真犯人「スパロウ」がいるとまくしたてます。金田一は実は連続殺人が起きた昨日1日理・文系共に同じ太陽荘におり、構造上お互いが出くわさないように仕掛けられていたのです
氏家は夜の散歩で巧みに理系を太陽荘に赴かせ、綱渡りのスケジュールで「スパロウ」と共闘し招き入れたのです。例のチョークの入ったロッカーの117が近衛の残したダイイングメッセージで、実は「ハマ」と書こうとしておりスパロウは濱だと見抜きます
たまたまを装った実に巧妙な「心理誘導トリック」でカロリーゲットに遅効性の緩い毒物が混ぜられそば茶が中和剤となっており、飲まなかった絵波は体調を崩し退席、鯨木もカンニングペーパーを厳島にワザと気付かせ、濱と氏家の協力プレイです
近衛と海堂の死体の移動は川が使われ、氏家が近衛の足から水を掛けたのは足が濡れていたからでした。極めつけは「低圧ナトリウムランプ」で荘の名を入れ替えており、太陽の光に照らされ文字が入れ替わります!まだ認めない氏家に金田一は指紋について美雪にゴム手袋をずっとさせており証拠がなくなります
濱は怖気づき、氏家が藍野を殺した憎い連中で復讐の為殺したと自供、ところが濱は藍野を殺したと白状します。自暴自棄になっていた濱を藍野が救い、連中に藍野が覚醒剤を使っていると言われ救いたい一心で藍野のアンプルをすり替え実は藍野は重い持病があり定期的に薬を射たないと死んでしまうのです
絶望した濱に高遠がすり寄りここで金田一は赤尾が高遠と明かします。剣持も到着し逮捕…というところでかわされ氏家は薔薇を刺され、濱も同様…のところ氏家に救われます。ついに高遠を追い詰めますが、「炎の脱出マジック」から川に飛び込み、捕まったのは人形、ところが金田一は見抜いています
結局高遠が一枚上手で逃げられ、最後に金田一は濱に藍野は殺していないと元気づけます。赤点スレスレの金田一が2人に置いて行かれ、公園では高遠と思われる男がマリオネットを操っている場面でこの巻は終わります
まとめ
今巻はお約束の順々に死体が見つかる訳ではなく、同時に複数箇所から見つかるという衝撃が強い内容です。金田一少年の事件簿はご存じの通り1人死体が見つかり、また1人…と続いていく訳ですが、そのパターンを覆した点が転機となります
また、~荘の入れ替えで実は同じ建物内での犯行も行われ、複数犯という事もありこちらも手の込んだ内容です。まさか~荘がタイルの関係で入れ替わっていたのに気づかなかったのは盲点です。更に策を授けたのが高遠という3重の罠となっており、怪しかった赤尾が高遠だったのは話中に判明しています
永遠のライバル=高遠に今回も手玉に取られた訳ですが、金田一・明智とあと一歩というところまで追い詰めまだまだこの対決は続きそうです。殺人を楽しむかのような高遠が許せませんが、強敵として金田一達の頭脳とは良い勝負です…30巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
コメント