前回までのあらすじ
異人館村殺人事件…それでも金田一は若葉の気持ちを説き、竜一も心から愛していたのです。風祭が竜一を撃ち、許せ息子よ…と真実を明かします。風祭は大麻畑に火を付け自らを撃ち金田一は悲しい夢を見て幸い急所は外れていました。連城も死に、実は彼はかなり前から小田切が犯人じゃないかと睨んでいたようです
金田一は若葉が竜一に抵抗した痕跡が見つからず、自分が殺される事を薄々感づいていたとし、例の写真でかたく結び合った二人の手に27年前の悲劇が生んだ残酷な運命の流れの中でそれでも離れまいと愛し合った二人の’’想い’’のあかしのように感じます…

TVのドッキリ番組で殺人事件!
北海道の’’背氷村’’で金田一はTV局のバイトをする事になり、ドッキリ番組で出演者は大門勇作・棟方ケン♂・加納りえ・速水玲香です。コーヒーの毒見で金田一は死に(笑)、明智警視と剣持も登場、これは男優2人が仕掛け人で女性陣を脅かし怯える様を隠し撮るものです
金田一は美雪の代役でエキストラ参加、「キャリア組」の明智を煙たく感じる剣持です。綾辻真理奈は姉御肌で、玲香は大門に口説かれ加納がドッキリ番組だと種明かし、玲香の裏の顔も判明し「女は2つの顔を持つ」と綾辻に諭されます。山荘の持ち主=氷室一聖が現れ、右手で震えてサインを書いています
明石道夫は玲香の入浴シーンを隠し撮りし、響史郎は興味なく、比留田は女狐に一泡吹かせてやると企みます。加納と明石を残して別館から本館に移動、加納をハメ次々と驚かせ、雪夜叉登場ですが綾辻が別館に着くまで10分は掛かる為誰がやっているか不明です
雪夜叉はカメラ越しに加納を殺し、明智はこれは’’殺人事件’’だと宣言、加納殺しの動機は皆ありありです。明石が行方不明で明智は’’推理合戦’’だと煽り、地元の老人に話を聞くと’’鬼火’’を見たと言います。綾辻が雪ダルマに隠れた明石の死体を発見、手に’’飼い葉’’を握っています
明智は状況から’’不可能犯罪’’だと剣持と手帳を賭け勝負を挑み、金田一はアリバイを洗います
エリート=明智警視の名推理
ビデオを巻き戻し明智と氷室画伯の自画像を見る事で一致、何か事件の’’カギ’’が隠されているはずです。金田一は美雪に氷室について調べて貰い、アリバイが崩れると感じると先を行く明智にロープウェイを見せられ、40キロが限界、渡れる可能性があるのは低体重の玲香です
金田一は夜の12時から朝の6時まで電気の供給はストップしていると看破し明智の推理は的外れとバチバチです。玲香は金田一を見直し、優しい素顔を見せ始めます。ビデオを見ていると確かに”鬼火”が映り老人の話から図にすると谷が丁度一番狭くなってる所で交差します
ガードレールを下り’’お宝’’のロープを発見、剣持はロープを使って向こう側へ行ったと推理しますが無理があります。すると比留田が殺され’’皆殺し’’の気配です。美雪は10年前の飛行機事故の生存者を最初に見つけたのが3人だと調べ上げます。明智はこれが動機と見て勝利宣言です
犯人は氷室で自画像は鏡に映った自分の姿を見て描かれたものとし、実は左利きで偽物だと推理、肝心の氷室は自室で死んでおり、綾辻がカギを見つけ密室、遺書も見つかります。遺書には自身は水沼で飛行機事故で死んだ氷室の身代わりとされ莫大な富を得て、事情を知る3人を殺し自死したのです
明智は勝利したと剣持の手帳を奪い事件は終わった…と思われた中、金田一は‘‘鬼火”に拘っています
’’鬼火’’の正体と鉄壁のアリバイ崩し→真犯人は…
金田一はハサミを突破口とし、車で加納殺しの現場に赴くとフロントガラスをウォッシャー液で凍らせ危うく事故るところでしたが、これでアリバイトリックが判明、謎はすべて解けた…と確信します。金田一は全員を起こし水沼が真犯人に殺されたとし、例のハサミが左利き用で‘’消費税’’から事故後に購入された物と断言します
水沼は実は左利きで、真犯人は自画像から水沼を右利きだと勘違いしたのだと…明智は見事ハメられ、金田一は真犯人は綾辻で’’雪夜叉’’だと断定、密室のカラクリを説き最後に部屋に入った綾辻しか出来ないトリックです。明石殺害も「水沼犯人説」に推理を向かわせる為に早めに発見したのです
動機を問う明智に飛行機事故の生存者リストに「クゼマリナ」とありその事は認めるものの鉄壁のアリバイがあります。金田一は例の’’鬼火’’の交差箇所に赴き、何と崖を渡ってしまいそれは氷の橋でした!「氷橋」と呼ばれ、明石の’’飼い葉’’がヒントとなります
明石は偶発的に綾辻に殺され、「氷橋」は剣持の重いワゴン車も渡れる程頑丈です。仕上げは用済みの橋を手っ取り早く消す方法=’’鬼火’’の正体です。ついに綾辻は自供を始め、飛行機事故で瀕死の母を見殺しにされ英雄視されたTVスタッフを殺すと毎夜地獄の夢を見ていました
こうして事件は解決し、後綾辻に金田一は人間には幸せに生きる権利があるんじゃないか?と説き彼女は涙します。剣持は明智にお辞儀され今ほど優越感に浸れた事はないと感激します。TVで玲香は本命チョコについて語り、義理チョコを美雪から貰った金田一にそのチョコが届くところでこの巻は終わります
まとめ
今回の事件では重要人物としてアイドルの玲香と金田一の永遠のライバル=明智警視が登場します。玲香は以降も様々な場面で金田一を翻弄しその魅惑のアイドルとして君臨しますのでお楽しみに!また、剣持とはナイスコンビですが、逆にライバルとしてエリートの明智が初登場、こちらも以降名物キャラとして物語を盛り上げます
若干鼻に付く場面もありましたが、金田一並みの推理力を持つ明智の存在は頼もしく、アニメ等でも明智メインの作品も多くその人気が伺えます。基本起承転結は変わらない為、レギュラーキャラの存在で読者を飽きさせない工夫が見て取れます
推理的には金田一は’’鬼火’’に拘っており、これがアリバイトリック看破のきっかけにもなります。金田一の目の付け所が秀逸で、ハサミの件といい彼が目を付けた物は必ず推理に活きて来る為覚えておきましょう。ワザとらしくない形で読者に種明かしはしており、金田一の推理の前に読者に考えさせる作風も流石です
本格推理ものとして上手くパターン化した事によって、読者も一緒に推理しながら楽しめる内容となっており、答え合わせが毎回痛快です!4巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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