前回までのあらすじ
黒魔術殺人事件…後日地獄の傀儡子から連絡があり凶行に及んだと…井沢は星子を刺そうとし金田一が横入りし腹を刺されます!井沢は観念し一連の事件は幕を閉じ、金田一は病床の身、美雪が励まそうとすると看護師とイチャついてます(笑)星子は一家殺害について認め、事故に近い殺人でたいした罪にもならないでしょう
もう復讐はいいだろう?と井沢を諭し、仲直りした金田一、剣持から高遠の悪事が明らかになり必ず捕まえてみせると宣言します…
剣持が殺人事件⁉
美雪のムニムニを堪能する金田一(笑)、登校時事故に遭いそうになり運転していた多間木匠は今日から来る転校生です。剣持は彼の動向を注視して欲しいと請います。十神えりなにまりなが亡くなって3年…青井零児は刑事になったと聞き出します
湖森涼介が魚崎葉平を連れて現れえりなは荒れ主犯の毒島陸だってもう出て来ちゃってると嘆きます。剣持は毒島と会い模範囚だったもののそれは擬態で出て来ちまえばこっちのモンだとゲス顔で、それは多間木・魚崎も同様です。その後毒島が拳銃で撃たれ、明智は青井から剣持の銃で彼が撃ったのでは?と疑われます
正確には剣持の銃が使われたという事しか分かっておらず、明智は金田一に3年前の女子高生死体遺棄事件の主犯格3人組と剣持が捜査に関わっていたと語ります。剣持は消息を絶っておりなんらかのトラブルに巻き込まれた可能性があります
毒島は悪びれず魚崎に電話を掛けますが出ず、荒れる毒島に金田一は憤りと釈然としない気分をこらえて部屋を後にします。学校で多間木に接触した金田一の元に青井とえりなが現れ銃口を向け剣持の消息を追うと湖森が来てうやむやとなり、そこで青井に電話で魚崎が浴槽で無残な溺死体で見つかります
えりなはまりなも同様にいたぶられて殺されたと信じており、お似合いの死に方だとほくそ笑みます。携帯電話があり毒島が掛けたのは死亡推定時刻内です。湖森は多間木に飼い慣らされ何か意味深です。剣持の妻からまりなが剣道の教え子で可愛がっていた事が分かり動機はあります
青井から当時の惨状を聞きこちらも動機となり得ます。明智から魚崎と犯人らしき人物がホテルの防犯カメラに写っており、帽子は剣持の物です!明智は剣持を全国指名手配とし、事件の裏に高遠の影を感じます。毒島は脅迫状メールに怯え、金田一は湖森と会い彼等は少年法に守られていたと語ります
資料から陰惨な事件で剣持の苦心が案じられ、学校で我が物顔の多間木に忠告しても聞かず、湖森の迎えの車が引火、多間木は焼け死にます
ハメられる剣持に金田一持ち前の閃きが光り…
金田一はリモコントリックから湖森も疑い、この事件にはまだ隠された「何か」があるとします。明智はリモコンから剣持の指紋が検出されたとし、「掌紋」が無い事から剣持は犯人に拉致されてると看破、青井の忠告から明智は剣持を容疑者と想定して真相究明を目指し、金田一には剣持擁護の立場を取らせます
金田一は巧みに明智から3年前の警察の調書を見せて貰い、人物相関図からミッシング・リンクが隠されている可能性を示唆します。毒島から危機の電話が入り、状況から犯人に口を塞がれた可能性があり、毒島の携帯のGPSが剣持のそれと重なり、録音からバッティングセンターだと看破します
5F フロアに入れずドアを破ると毒島が首を吊っており、AEDで人工蘇生し意識が戻り、ひょっこり剣持も現れ現行犯逮捕されます!剣持は弱っており警察病院で2日間記憶がないと語り嫌疑が晴れず剣持自身も自信がない中金田一は彼を信じています
2人は浴槽で何か気付き全員アリバイはあるもののトリックで「無効」となり逆に怪しいとし、毒島存命に関係者はいきり立っています。金田一がバットの金属音だと気付いた点から閃き、最後の密室トリックのみです。明日の午後剣持の実名入り報道される前に事件の片を付けると約束します
徹底的に現場検証しカーペットにホコリの跡がないのが不可思議です。一旦解散しバウムクーヘンから閃き再度現場検証、明智に電話し謎はすべて解けた…と確信します
まさかまさかの犯人、大どんでん返し
警察病院で火災報知器が鳴り剣持と毒島が争っており、巧妙に襲われたフリをして「死刑執行人」は毒島だと金田一がぶちまけます。密室で踏み台無しに首が吊れるか問う毒島に、現場でカーペットをバウムクーヘンのように丸め高さを作ったと…
剣持に薬を見舞いさも彼に襲われたように大騒ぎ、多間木も殺し迫真の演技はアカデミー賞ものだと明智です。根拠を問う毒島に金田一は「たった一文字の矛盾」を指摘、それは110番通報に残った「殺される…このままじゃ、あいつらみてーに」の「ら」の部分です
まだ多間木の焼死は報道管制が敷かれ一切情報は流れておらず、知っているのは犯人だからです。毒島は魚崎殺害の件で食い下がりますが金田一が再現し携帯のバイブで栓が閉まり溺死したと看破、電話したのは間違いなく毒島です
ここで湖森が毒島の手紙を剣持に渡さず処分していたと懺悔、毒島はまりなが好きだったと打ち明けます。犯行を認め、まりなは多間木・魚崎にいたぶられ飛び降り死、部屋が毒島の物だった為気が動転して埋めてしまったと白状し剣持に殴られます!
湖森は娘が重病で多間木院長の口添え無しで出来る手術じゃなく手紙を握りつぶしていたのです。そして犯行をそそのかした牧師=高遠と判明、事件は幕を閉じえりなからまりなの毒島無実のボイスが入ったストラップを見せられ、2人はまりなの芯の強く優しいところを感じ入ります
また殺人事件が勃発し、警察は犯人をあげるまでだと2人で駆け出すところでこの巻は終わります
まとめ
今巻はあの剣持が容疑者として疑われ、動機も十分、さながら「金田一少年の殺人」や「金田一少年の決死行」を思わせる作りかと思いきや、事件はあらぬ方向に進んでいく不思議です。冒頭から毒島が完全なヒールとして描かれ、彼と取り巻き2人という構図かと思わせるのも巧みです
結果犯人は何とそのヒール毒島で、自作自演を繰り返しさも剣持が犯行に及んだようにけしかけます。自ら首を吊る程ですからその覚悟と懺悔はまりなの死を悔いていた事が分かります。完全にハメられた剣持ですが、今までの彼の言動から殺人などあり得ません
湖森も弱みを握られ微妙なすれ違いもあり毒島にも同情の余地はありますが、ここまでヒールに描かれた真犯人というオチも珍しいですね。裏に高遠も絡んでおり、まだまだ気の休む暇のない彼等、剣持の復活が嬉しいラストでした。33巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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