「金田一少年の事件簿」4巻の深まる謎と極上ミステリー~学園七不思議殺人事件…「不動高校の七不思議」から「放課後の魔術師」の凄惨な凶行!場当たり的にも見える犯行に金田一が出した回答とは⁉~

  1. 前回までのあらすじ
  2. 「不動高校の七不思議」と桜樹の不可解な死
  3. 「七不思議」になぞらえた殺人ながらおかしい点が多数…
  4. 「放課後の魔術師」の正体と哀れな実態
  5. まとめ
前回までのあらすじ

雪夜叉伝説殺人事件…ついに綾辻は自供を始め、飛行機事故で瀕死のを見殺しにされ英雄視されたTVスタッフを殺すと毎夜地獄の夢を見ていました

こうして事件は解決し、後綾辻金田一は人間には幸せに生きる権利があるんじゃないか?と説き彼女は涙します。剣持明智にお辞儀され今ほど優越感に浸れた事はないと感激します。TVで玲香は本命チョコについて語り、義理チョコを美雪から貰った金田一にそのチョコが届きます…

「不動高校の七不思議」と桜樹の不可解な死

「不動高校の七不思議」が気味悪い中、桜樹るい子ミス研会長・3年金田一を勧誘、金田一は下半身が入部したがり(笑)真壁誠鬼才の高校生推理作家も現れ部室に赴く事になります。鷹島友代病的な潔癖症尾ノ上貴裕推理小説マニア佐木竜太カメラマンと個性派揃いです。桜樹は「放課後の魔術師」が古い校舎を壊したら’’七つの呪い’’が降りかかるという脅迫状が送られて来たと話します

的場勇一郎ミス研顧問は否定的で、桜樹真壁が「推理大賞」入選に裏がある事を見抜いており、鷹島がゴーストライターのようです。その後部室で地震があり桜樹は「七不思議」の秘密を悟り金田一を呼び出しますが彼女は部室におらずパソコンに暗号が残っています

他の部員も呼び出されており、「10時にあかずの生物室で死の儀式が行われる」と妙な男の声の電話だったようです。立花良造警備員の見回りに同行する金田一、旧校舎の’’あかずの生物室’’から首を吊った桜樹と「魔術師」が見え、皆で向かい中に入ると消えてしまっており勘違いだったようです

ところが翌日学校に行くと昨夜見た光景そのままの姿で桜樹は死んでいます!剣持が現れ事情聴取しますが皆怪しい所はなく、見取り図から短時間で室内を片付ける事など出来ず、的場は「放課後の魔術師」だと慄きます…真壁は名推理し騒がれ、的場から神保博士という「魔術師」がいた事を金田一は悟ります

「七不思議」になぞらえた殺人ながらおかしい点が多数…

金田一桜樹が’’七つ目の不思議’’に関する’’何か’’を見せようとしたのでは?と推理、フロッピーに謎の暗号があり、剣持は高畑製薬が関わっており’’旧校舎’’が’’新しい建物’’として建設中だった過去を明かします。すると真壁が密室トリックを解明する…とワイヤーを使った名推理を展開、金田一は懐疑的です

妙に真壁に突っかかる尾ノ上、馬鹿にされコンパスで襲い真壁のポスターがセンス悪いと明日違うポスターを持ってくるとし、一人例の暗号を解きますが「魔術師」に殺され例の大イチョウの木の隣に吊るされる不可解さです。金田一は「七不思議」になぞらえた殺人ならおかしいと感じます

剣持は死の儀式の際関係者皆電話を受けた証拠はなしで、的場・立花も怪しいところがあると一筋縄にはいきません。以前「七不思議」に関する失踪事件も起きており、金田一に釘を刺します。その事を調べると「不動高校不思議」に行き着き、真壁のせいで暗号を不意にした美雪が部室に赴くと何者かに殴られます!

金田一は遅い美雪が襲われたと気付き井戸に向かうと美雪は重症で病院で今夜が峠だと言われます。剣持は高畑製薬と神保博士について新事実をつき止めますが、金田一美雪の件から事件から手を引くと落ち込みます。美雪は一命を取りとめ、金田一は思い直し事件について調べ直します

「放課後の魔術師」の正体と哀れな実態

佐木が言っていた七つ目の不思議があった「楽器室」がミス研の部室だと判明、パソコンの血から尾ノ上がここで殺された事を悟り暗号をわざわざ平仮名にした事から動機も分かりあとは「死の儀式」だけです。佐木のビデオから時間的に不可能犯罪だとドン詰まりですが、日光から金田一は謎はすべて解けた…と確信します

関係者を3時間後に集め、金田一は例の「死の儀式」を自ら再現、「魔術師」は金田一でトリックを暴きます。「死の儀式」は別の部屋で行われており、鏡を使った錯覚で真壁はまんまとエサに食いつき犯人は「外部の者」と推理してしまったのです

犯人は「物理室」のあるじ=的場で、「生物室」には入れずやはり儀式は「物理室」で行われたようです。金田一は高畑製薬が人体実験を行っており校舎に六つの死体を隠したと暴き、神保博士が「異常者」と噂を流し作為的にすり替えたのだと…研究員が的場で10年前噂に興味を持ってしまった青山ちひろが殺されたのです

老朽化したカベから死体の一部がはみ出してしまい、桜樹が発見し暗号を残します。ワープロのローマ字入力で暗号は「壁に骨が隠されている」となり、尾ノ上美雪が襲われたのも口々にポスターの件を話しており無実だと言う的場金田一はポスターを破り白骨が露出します!

地震で青山の白骨が飛び出し、的場は「寝ずの番」だったと白状、弾みで青山を殺してしまったと自供します。哀れな男で、言い訳ばかりの的場立花が刺し金田一は彼が青山の父だと明かします。的場は死に不動高校を恐怖のどん底に叩き落とした事件は静かなフィナーレを迎えます

金田一実は生物室のカギは壊れてなかったとガムをカギ穴に入れる小細工をしていました。美雪を見舞い美雪金田一があたしの自慢の…と惚気ると剣持が現れ、続きは自慢の幼馴染よ!とされたところでこの巻は終わります

まとめ

今回目に付くのは犯人の詰めの甘さです。過去の3件に比べると明らかに犯行が場当たり的で、これは敢えて制作陣もそういったケースもあるだろうと意図的に作り出した事件だと思われます。用意周到に完璧を喫す事件も多いですが、的場のように怯えて毎日を過ごし場当たり的犯行を行うケースも実際あるのでしょう

的場会心の鏡を使ったトリックは秀逸でしたが、種が分かってしまえば他の部分は甘さが見え金田一に看破されます。金田一美雪が生死を彷徨った為事件から身を引く潔さも見せましたが、本能から事件解決に奔走し、結果犯人と過去の因縁を結び付け名推理を展開します

動機も過去の経緯が語られ、悲しい事件でしたが、どんな言い訳を並べても許されざる犯行であり、立花の執念も実り的場は命を落とします。救われない事件でしたが、美雪が自慢の幼馴染と惚気るのは金田一少年の事件簿のもう一つの側面=恋模様にも繋がり以降恒例となっていきます

様々なタイプの事件があるものだと感心しますが、制作陣の苦悩も感じられ、物語を作る事の難しさも垣間見え興味深いですね!5巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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