前回までのあらすじ
学園七不思議殺人事件…地震で青山の白骨が飛び出し、的場は「寝ずの番」だったと白状、弾みで青山を殺してしまったと自供します。哀れな男で、言い訳ばかりの的場を立花が刺し金田一は彼が青山の父だと明かします。的場は死に不動高校を恐怖のどん底に叩き落とした事件は静かなフィナーレを迎えます
金田一は実は生物室のカギは壊れてなかったとガムをカギ穴に入れる小細工をしていました。美雪を見舞い美雪は金田一があたしの自慢の…と惚気ると剣持が現れ、続きは自慢の幼馴染よ!と返されます…

「宝探しツアー」が一転惨劇に
父のボーナスが出ない事から「宝探しツアー」に参加する事になった金田一、全て母と美雪が企んだものです。筆記試験を金田一のみパスし、美雪は付き添いとして同行します。美作碧は80億とも言われる財宝が眠るとし、岩田英作が客の世話をします
クリスはおマセさんで’’悲報島’’が見えて来ます。参加者は他に柿本麻人、八十島隆造、矢荻久義、火村康平、茅杏子は謎のハコを持っています。島のログハウスに屏風と8体の日本人形があり、半獣人の口の中に人形の首が含まれており、狂った柱時計を開けると美作のバラバラ死体が入っています!
火村は死後1週間経っているとし、岩田は佐伯についで2人目の犠牲者だと言い3人は反応します。碧は気を取り戻しコテージのカギを渡しますが、予め用意された物は6人分しかなく、茅は’’7人め’’の「招かれざる客」が招待客を偽って美作オーナーを殺したと推理します
金田一は島を見て回り、緑・白の鳥居と’’山童’’の像を見つけ、矢萩は島の宝を守る伝説の半獣人だとします。豪勢な朝食は鶏料理ばかりで、また日本人形の頭が見つかり、柿本のコテージでバラバラ死体が見つかります!柿本は和歌の謎を解いたようで、矢萩は全員のアリバイを調べる事にします
地図からログハウス~コテージ間は往復30分以上かかり、金田一が話を聞いていくと全員アリバイがあります。茅はハコに神経質になっており、日本人形が7体に減っています。金田一は人形が見立て殺人を現しているとし、犯人は俺達全員を殺す用意があると暗に示していると推理します
人形による見立て殺人と間欠泉
夕食時クリスはアリバイに関係なく柿本を殺す事が出来た人物がいるとし、火村が疑われますが金田一・茅が否定、茅は死斑等専門的な知識を有しています。クリスは金田一が邪魔だなと感じます。露天風呂に入る金田一、露わな姿の茅が入って来て鼻血です(笑)
色仕掛けしながら宝の謎について語る茅、相変わらずハコを気にしています。金田一は「朱の鳥」=「赤い鳥居」だと見抜き向かいますが間欠泉になっており12時丁度120度もの熱戦が吹き上がって来るのです!クリスはその事を知っており、人形が6体に減り、金田一は碧のお陰で死なずに済みます
人形はまた見立て殺人を示しており、命拾いした金田一、碧と急接近で佐伯と航一郎について語られ、写真から10年前美作オーナーと3人がこの島に来ていた事を悟ります。矢萩に話を聞くと3人は試験を受けず招待されたとし、クリスはIQ180の天才児で気を付けろと忠告されます
茅は遺伝の法則で目が青くなる事はまずないとしますが、クリスはカラコンを付けている可能性もあります。その夜八十島のコテージが柿本のそれと共に焼け落ち翌朝バラバラ死体が見つかります。テープレコーダーに「朱の鳥」とあり、腕時計から殺された正確な時間も断定、火村以外アリバイがあります
大広間に行くと猟銃が無数にあり、人形は無く殺し合いをさせる腹積もりです。火村は猟銃を持ちコテージに引き籠ってしまいます。金田一は満潮の件からクリスと言い合い、宝の隠し場所である「魔の目」が開く何らかの仕掛けがあると推理します
逆転の発想から見出した今回の真犯人は⁉
秘密を知った火村は撲殺され、クリスは招待状が無くなり慌てます。風呂に一人で入れない美雪を覗き見した金田一はお湯を掛けられ、着替えると碧と鉢合わせして慌て、ついでに用をたします。美雪のヘアピンの変色から山童の首を湯に入れると黒く変わり黒い鳥居こそ赤い鳥居だと見抜きます
そこには魔の目があり、見つけた矢萩は殺されており金田一は謎はすべて解けた…と確信します。岩田は招待状の誤字からクリスが「招かれざる客」だとしますが、金田一は否定、黒い鳥居に3人は同じ手口で誘き出された、赤黒の石辺から操られたマリオネットの様にね…と
鶏の血で血まみれにしたコテージを燃やす為に火を放たれたと逆転の発想で勝負の金田一、この計画を実行出来る人間は碧だとし、キャストにクリスを「真犯人の罪を着せられる役」、金田一を「探偵役」に選び、金田一は碧の服を破り実は男性である事を証明、彼女が航一郎だったのです!
金田一は例の鉢合わせの際トイレの便座が上がったままだった件から見抜きました。佐伯は10年前先に宝の在り処を発見するも国に寄付しようとして4人に殺されたのです。火村やクリスの件から本物の「美作碧」も殺したのでは?と迫ると岩田が豹変、航一郎を銃で撃ち皆で財宝に行き着きます
岩田が金田一から殺そうとすると茅に撃たれハコは実は銃が入っており警察の者だったのです!山童を蹴倒すと洞窟が崩れ、金田一は航一郎の下へ戻り閉じ込められますが希望は失っていません。航一郎は本物の碧とのやり取りを語り、復讐に手を染めたとしますが、金田一は自分の不幸を他人のせいにするガキだと断言します
やり直しのきかない人生はないと諭し、2人は穴から脱出、「悲報島殺人事件」は終焉を迎えます。茅のハコの中身があの時だけ銃で本物は分からないという謎が残ったままこの巻は終わります
まとめ
今回は「宝探しツアー」というお気楽な企画かと思いきや、孤島での凄惨な殺人劇と一転します。以後こういった美味しい話に釣られるパターンが定着しますが、金田一が赴く場所には事件アリというよく考えると恐ろしい男です(笑)
今回の事件の肝は犯人の性別です。年齢は異なるものの航一郎は巧みに13歳→17歳の碧に化けており、完璧に見られた計画殺人もちょっとした綻びから金田一に崩されてしまいます。これはトイレの便座が上がっていた事からで、漫画の描写的にもさり気なく記してあり、気付いた人も中にはいた事でしょう
アリバイ・動機が重要となって来る殺人事件ですが、必ず真実はあり巧妙に仕掛けられたトリックがあるのです。金田一少年の事件簿は初見殺しですが、2・3回と読み返す事で犯人側・探偵側目線で再度楽しめる作りとなっている為、忘れた頃に読み返すとまた楽しめます。6巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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