「金田一少年の事件簿」7巻の深まる謎と極上ミステリー~異人館ホテル殺人事件…ミステリーナイトで赤髭のサンタクロースの凶行!佐木の死から金田一が逮捕の衝撃…読者の想像の上を行く意外な真犯人は⁉

  1. 前回までのあらすじ
  2. ミステリーナイトで赤髭のサンタクロースの凶行
  3. 犯人として金田一が逮捕⁉
  4. 読者の想像の上を行く意外な真犯人は…
  5. まとめ
前回までのあらすじ

悲恋湖伝説殺人事件…東野は開き直り爆薬をリモコンで皆ドカンだと脅し、金田一甲田を殺す様仕向けるも、美雪螢子と被った東野は錯乱しボートで単身爆死し悲恋湖が赤く染まっていきます。5人もの死者を出した事件も幕を下ろし、いつき美雪螢子そっくりだった事を明かし、実はで決して結ばれぬ愛だったのです

美雪が同じような目に遭ったら?と問うと金田一は2人とも助かる方法を考えると諭します…

ミステリーナイトで赤髭のサンタクロースの凶行

俵田から函館の「ミステリーナイト」に誘われた金田一、劇団「アフロディア」が出る人気イベントです。異人館ホテル主催の探偵ごっこで、不破鳴海北海道警警視は手厳しいです。雪村剛造ホテル支配人あの部屋・・・・に案内し、部屋中真っ赤です!カードキーで防犯の為深夜12時になると全室のデータが変わります

美雪に加え佐木も来ており、俵田は赤髭のサンタクロースについて説明、万代鈴江劇団長・女優虹川幸雄脚本家兼男優文月花蓮劇団員・女優が台本を渡すと万代は1回読むだけで覚えてしまう鬼才の為後回しにします。プレゼントに猫の首が入っており劇の控室がズタズタ、赤髭~の仕業です

劇は予定通り「ナルシスの魔境」を上演とし、怯える榎戸あきら男優・ピエロ役虹川が諭しおかしな状況です。舞台稽古が始まり佐木万代を後ろから撮ると激昂されます。よくある設定の推理ドラマで花蓮万代を刺し、刃が引っ込む作り物です(笑)ヒスババアの万代辺見魔子劇団員・女優はそのイラ立ちを指摘します

ミステリーナイトが開演し、「前編」のラストで金田一舞台が眩しく感じます。全員で乾杯すると万代が血を吐き死に、幕が下り迫真の演技ですが本で死ぬのは’’ピエロ’’のはず、殺人予告は遂行されます。この状況でも虹川は予定通りあさっての夜上演とし、劇団員全員にワイングラスに毒を入れるチャンスがありました

無差別殺人の可能性もあり、虹川の異常性が際立ちます。市川玉三郎男優・人形使い役花蓮の裏の顔を誰も知らないとし、何やら意味深です。雪村は赤い部屋は赤髭~の常宿で、10年で1千万で貸すと決め、部屋も真っ赤にし羽振りが良かったです。1年程前事故で亡くなったと連絡が届き、あさってで貸してから丁度10年目になります

赤髭~が入ってから隣の316号室を指定してくる客が増えたという奇怪さもあります。更に調査を進めると赤髭~は砂糖を多く好み、参加者は余興「ヒント探し」をしています。花蓮は大切な人の為だったわと語り人間関係は台本そのものと話します

犯人として金田一が逮捕⁉

舞台稽古を見ても「老女万代」を疎ましく思っている節があり、虹川金田一に色目を使い両刀使いなのです!辺見花蓮に異常な執着を見せひと悶着起こします。今度は虹川が殺され、金田一は共通点を探します。市川2人万代・虹川が316号室に泊まった事があると明かし、不破は赤髭~が麻薬の売人とします

末端価格で10億は下らないと謎の密売人で、金田一は麻薬絡みに加えどす黒くおぞましい’’何か’’がうごめいていると感じます。佐木万代殺害のトリックが分かったと言い、その際金田一が電話で呼び出され美雪の部屋に行くと追い返され、戻ると佐木が死んでいます!

金田一は何者かに襲われ外で待機する俵田は赤髭~から電話で赤い部屋で人影を発見、急ぐと金田一が倒れており、佐木は首を吊って死んでいます。不破は犯人は金田一だと密室だった事を指摘、ルームキーの件からも金田一を逮捕します!気落ちする金田一は電話の件から俵田に電話使用記録を調べて貰い、自身の潔白を証明します

すると不破が真犯人が名乗り出たと花蓮が死んでおり遺書も見つかります。密室の答えは抜け穴で、佐木の爪に付着した皮膚から花蓮のDNAと一致、事件は解決となりますが金田一は不可解な点が多いと懐疑的です。佐木のビデオにトリックのヒントがあると調べるとNo.9のテープがなくなっています

その前後のテープから写っていたものも見当が付くと例のワイングラスのくだりで万代殺しのトリックが判明、万代の台本からワインを飲むシーンが切り取られており更に「衣装」「照明」「光る剣」と調べ、不破のスプーンが光り剣の正体を掴みそこから全てが1本に繋がります

読者の想像の上を行く意外な真犯人は…

俵田に鑑識結果が言った通りとなり金田一は謎はすべて解けた…と確信します。関係者を集め「回答編」をやると言い出し、怒る不破明智・剣持が事件の指揮を引き継いだとし、金田一の言う事に従うよう命令します。台本は1番最初のものを使い、万代不破虹川雪村花蓮美雪の配役です

美雪が台本通り剣で不破を刺そうとすると不破美雪の剣を叩き落とします!金田一は剣を毒を塗った本物とすり替えており、これは毒入りワインの保険だったのです。不破舞台の常識=小道具に光物を置かない事を知らず、更にカプセルトリックについて万代に中央のグラスを取るよう台本に細工をしていました

佐木はたまたまそのトリックをビデオで撮ってしまい殺され、密室トリックについても発想の逆転が必要だと金田一はまくしたてます。俵田が見た赤い部屋は実は照明を使った逆隣りの314号室でした。時間と場所を目撃者に誤認させ心理的な「密室」を作り上げたのです

この密室トリックの最も重要な役割は花蓮を犯人に仕立て殺害する事で、例の花蓮の皮膚は不破の皮膚だと断言、文月花蓮北見花江の双子の姉=不破鳴海北見蓮子で一卵性双生児だと暴きます!不破は本当の声を出し<声門>は区別がつかず、整形していたのです。金田一は2人のスプーンの持ち方からこの事に気付きました

10年前の殺人事件の容疑者が蓮子で、麻薬で荒れた蓮子を殺し崖で自殺しようとして遺書を見つけ不破鳴海と入れ替わり、猛勉強して東大合格、戸籍乗っ取りし赤髭~を追うと万代達に行き着き、花蓮と会い花蓮の双子の姉という弱みを握られ麻薬の横流しをさせられ、まとめて消す事にしたのです

以前蓮子花江にハメられたと感じており、一緒に殺して罪を着せる事にしたようで、この惨劇は幕を閉じ、後金田一は麻薬ルートを発見、ホテルの地下に貯蔵庫を見つけ蓮子に会いに行くと美しい顔に戻っています!花江は実は二重生活をしており、何時でも蓮子が戻って来ても良い様にデザイナーの仕事もしていました

蓮子が夢見た女優の未来を用意して花江がデザインした衣装で舞台に立つという夢を支えに生きていた事が分かり蓮子は号泣します。どんなに悪い状況でも「最悪」の道を避けるだけの選択の余地は残っていると双子の幼い写真を見て金田一が染み入るところでこの巻は終わります

まとめ

今巻ではレギュラーキャラの佐木の死という衝撃があります。金田一少年の事件簿ですからどんな展開が来てもおかしくないですが、名脇役として金田一の推理を支えた佐木の死は読者に衝撃を与えました。その事もあってか後程意外な展開を見るのですが、それは後程ゆっくり…

赤髭の~と今回の事件が複雑に絡み合い、更に一時金田一が犯人として逮捕される展開といい漫画屈指の出来となった今巻、まさか警視の不破が犯人だったというのも意表を突く意外性でした。実は花蓮不破も同じスプーンの持ち方をしている描写があり、気付いた方もいたかもしれません

双子の悲しい出自と麻薬の売人という流れの中、花蓮は2重生活を送りずっと蓮子を待っていたという美談がこの物語をより悲しいものとさせます。特に双子の血の結束は常人では考えられないものがあり、その事を信じ切れなかった蓮子の悲運となります。この辺から人気を不動のものとした金田一少年の事件簿、8巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

コメント

タイトルとURLをコピーしました