「金田一少年の事件簿」9巻の深まる謎と極上ミステリー~飛騨からくり屋敷殺人事件…剣持の淡い初恋話が一転「くちなし村」の「首狩り武者」の惨劇へ!「合わせ扉の間」の鉄壁トリックを看破せよ~

  1. 前回までのあらすじ
  2. 「くちなし村」の「首狩り武者」
  3. 剣持の迷推理も後程密室トリックの謎が解け…
  4. 男女の愛に比べると重すぎる「母の愛」
  5. まとめ
前回までのあらすじ

首吊り学園殺人事件…深町は自殺し古谷達がアソビの首吊りごっこの延長で殺してしまった事を浅野は聞いてしまいます

これが動機となり「首吊り学園」で起きた殺人事件は幕を下ろし、拘置所に赴いた金田一は痩せた浅野深町の絵を見せ、ナイフで削りこれは浅野がモデルだったのです。深町は復讐なんか望んでいなかったと諭し、浅野も改心、金田一はエリートコースに進むだけが人生じゃないと学校をサボります…

「くちなし村」の「首狩り武者」

剣持の頼みで岐阜県奥飛騨の「くちなし村」に赴く金田一、バスでカブキの黒子みたいなカッコした奴に「生首神社」はどっちだと聞かれます。仙田猿彦巽家使用人の案内でたつみ家を訪れ、屋敷は多くの仕掛けが施されています。巽紫乃後妻・37歳のラッキースケベも拝め(笑)剣持は浮かれます

冬木倫太郎村唯一の医者・40歳に定期的に体を診て貰い、巽征丸紫乃の息子・18歳は心配しています。「首狩り武者」からの脅迫状で気が休まる暇がなく、巽龍之介先妻の息子・18歳の仕業だと考えています。これは遺言書がよりによって龍之介巽もえぎ17歳巽隼人15歳でなく征丸に相続するとあり、揉めているのです

「生首祭り」終了後正式に執行とし、後5日で追い出せると征丸はほくそ笑みます。バスで出くわした桐山環巽家使用人・17歳もいます。紫乃は「首狩り武者」に襲われ金田一も目撃しますが逃げられます。冬木ウメ倫太郎の母・70歳は巽家の者は呪われとると不気味で、金田一は武者が屋敷の誰かだと断定、するとバスの男赤沼三郎紫乃に会いに来ます

「合わせ扉の間」を指定し、壁の一部がどんでん返しで奥は鉄扉でドイツ製です。猿彦赤沼を連れて現れ金田一達も部屋に戻されます。翌朝赤沼が起きて来ない為紫乃が中座すると龍之介征丸がケンカをし、龍之介が銃を向けると紫乃が物凄い形相で止めに入ります

金田一赤沼から電話があり、紫乃と共に部屋に向かうと赤沼は首狩り武者だっ!と騒ぎ、カギを開けると密室に首なし死体のみで犯人は消えています!密室殺人でキーの複製は不可能、鉄格子の上崖っぷちで、赤沼の持ち物から紫乃が渡した200万が無くなっており、赤沼征丸の双子で脅していたのです

火傷で判別出来ない顔でしたが倫太郎は時期が時期だけに金を渡す様助言していました。龍之介征丸を疑い、事実猿彦と一緒でしたが大切な用があると1人で向かったのです。金田一征丸が犯人とは時期尚早とし、龍之介に呪いの仕草をされもえぎが謝ります

お面からどうやら犯人に見張られているようで、金田一達は気付いていません

剣持の迷推理も後程密室トリックの謎が解け…

現場検証で美雪が偶然格子が1本外れるのを見つけますが、身軽な猿彦なら…と思いつつ彼にはこのトリックは使えない金田一です。赤沼紫乃の子ではないと血液鑑定から判明、金田一紫乃にも動機はあると可能性を示唆します。祭りでたまきと落ち合い、巽家や伝説の事を聞き出します

霧が濃くなり武者姿の村人と遭遇、美雪は遅れはぐれてしまいます。足跡から例の「首狩り武者」と悟り、生首神社に赴くと祠に美雪が連れて行かれ、金田一は何故か後方から襲われます。剣持倫太郎に伝説について迫り、「くちなし村」の由来を聞き出します

金田一は目を覚まし美雪も無事で、首狩り武者は征丸の首を見せ復讐の邪魔をする者は’’死’’あるのみ!とし、からくも逃げ出せた2人、金田一は特に美雪が巽家と関係ないのに攫った事を訝しみます。剣持は「合わせ扉の間」とボーガンから謎はずべて解けたぁ!と迷推理が始まります(笑)

鉄格子を外し曲芸師だった猿彦の仕業としますが彼は居なく、銃声がして猿彦の死体が見つかります。猟銃の暴発によるショック死で、剣持猿彦が柊家の子孫で状況証拠から動機を推理、龍之介は祝杯だと鬼のようで銃の細工を龍之介猿彦以外全員知っていた事を明かし金田一は真犯人の存在を確信します

あとは村の者だけ・・で片をつけるのでよそ・・の方はご遠慮をと言われ3人はバスで帰りますが、金田一は事件は解決していないと断言します。密室トリックの謎がまだ解けず、ホテルの回転ドアから気付き謎はすべて解けた…と確信し「くちなし村」に戻ります

男女の愛に比べると重すぎる「母の愛」

相続について龍之介が継ぐ事と決まり、紫乃を毒殺する気ですが、間一髪金田一達が到着、猿彦は高所恐怖症で犯行は不可能誤誘導ミスリードされたとします。今回の事件は犯人は2人おり猿彦は主犯ではなく、例の銃を逆に利用し事故に見せかけ死に追いやったと…

共通の目的=巽家の莫大な財産で巽家の3人には動機があります。金田一赤沼は架空の人物で巧妙に居ると偽装し、「首なし死体」こそ2人目の犠牲者と思われた征丸だとし、龍之介が血液型の件を指摘、金田一征丸紫乃の息子という思い込みが間違っていると指摘します

例の銃を向けた龍之介は実は危うく自身が死ぬところで、紫乃必死の形相は彼を救い紫乃の’’本当の息子’’の龍之介に相続させる為の「計画殺人」、真犯人は紫乃だと断定します。征丸の死体が発見されないまま死亡だけ確認されるよう「第三者」に証言させる為美雪をつけ狙ったのです

死体の始末という困難を巧妙に隠す悪魔的な賢さで、紫乃改心の密室トリックを金田一が暴きます。龍之介金田一役をやらせると「合わせ扉の間」に金田一は居なくいつの間にか後ろに居ます!「回転扉」の原理で本物のキーは部屋の中にあり、どんでん返しで入れ替わりカギを交換、看破し紫乃は詰みです

紫乃征丸巽綾子先妻の子だと昔語りし、何と嬰児えいじ交換をしていました。赤ん坊の人生が入れ替わり、後妻として巽家に入りますが征丸のあのカオ・・綾子の高笑いに感じ、獣になりきろうと誓い、龍之介の本当の父は猿彦で彼をそそのかし共犯、紫乃が紅茶を飲むと血を吐いて龍之介は毒を盛ったのです

愚者を装っていた隼人また・・毒を盛ったねと迫り、それでも紫乃は自身が盛ったと庇い逝きます。倫太郎金田一は柊家の子孫で紫乃の嬰児交換を見過ごしたのでは?と問い、隼人は駆け落ち、「母の愛」と男女の愛を比べる剣持が感じ入るとが現れ無理矢理金田一のせいにされタジタジなところでこの巻は終わります

まとめ

今回の事件の肝となった密室トリック、一見剣持の推理が正解のようでしたが、違和感を感じた金田一がホテルの回転ドアから閃き、紫乃鉄壁のトリックを見破ります。共犯で2人が犯人というのも新たな展開でした

剣持は過去を美化し紫乃にゾッコンでしたが、それすら巧妙に利用した紫乃の尋常ならざる龍之介への愛が重い回でした。嬰児交換までし一見目論見通りだった紫乃征丸綾子の影を見たくだりは戦慄しますね…血は争えないという事でしょうか?

遺産相続は骨肉の争いとなり肉親同士が血の海となる事も多々あります。今回様々な経緯から目論見通りにならなかったからとはいえ凶行に及んだのは同情の余地はありますが決して許されるものではありません。子を設けるという事は本当に多くの要素が付随すると感じさせます…10巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

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