前回までのあらすじ
腕が上がらない窪に鋏を刺す洋二ですが強烈な蹴りを2発食らい死にこれで108人です。村の惨劇を見て哲雄は自身がこれを引き起こしたのか…と悔いります。天照の元で窪は信者が自害を始め、20人死んだら天照を返してやると宣います
栗山槇絵は浮かれない毎日が信者となった事で好転し、天照を信奉していた為窪と天照の命令の均衡が崩れ自害し、信者達の決意が固まり次々と自害が始まり窪がほくそ笑みます…

哲雄が施した細工
信者は次々後を追い、20人自害し放された天照も死んでいます。信者は「定められた終わり」「世の終末」だと受け入れ逃げず、窪に斧で首を斬られます。結局梨田も逃げられず死に、無残な死体の山を見て哲雄は自身の招いた過ちを悔いります…本当に本物の悪魔だったとー
哲雄は号泣して月夜見に謝り、幼い零花を正しい大人に導こうと育てた事を思い出し罪を重ねてでも窪を殺すと決意します。逃げ出した胡蝶に殉教者に比べ普通の人間でつまらないとし、金は要らない窪は無情で殺し、哲雄に会いたいと言います。哲雄は自分の知識と経験を総動員して罠にハメる気です
哲雄は田んぼに仕掛けをし、月夜見が先に窪に声を掛けます。ボロボロの窪はなお強気で斧を構えます。月夜見は刀で踏み込みますが蹴られ筋を痛めます。窪は斧を投げた隙にタックルし覆いかぶさり村でお前が一番強かったとし、この世で最大の悪は人を殺す事だと凄み月夜見も逝きます
哲雄は観念して呆れてもう笑うしかない、参りましたと言いつつ麦わら帽子に銃を隠し持っています
全力で窪を殺しに掛かる哲雄
哲雄は帽子越しに銃を撃ちますが当たらず、窪は速く2・3発目も外れ、うるせえと蹴りを入れ刀では殺しません。哲雄は田んぼに隠したガソリン瓶を取り出しますが窪に蹴られ失神、気付くとガソリンを撒かれ、お前と話がしたかったんだ、人を殺したかったと感謝を告げられます
窪は生い立ちを語り修羅の道ながら老いてこのまま半グレの世話係として終わっていくところをこんな殺し合いの状況を作り上げてくれて本当にありがとうと言うのです!ガソリンは揮発性が高い為まだ可能性はあると哲雄は話始め、営業で培った話術で時間稼ぎします
窪は興味津々ですが、麻取の死については表情を変え、哲雄が真実を告げると機嫌が良くなり、哲雄は自身が起こした2つの事件がこの化け物を呼び起こしたと感じます。すると窪は哲雄が同類だと言い、トリックを駆使した事等から楽しかったろ?と異常です
家族を守る為と単に殺す為、そんなに違うか?結果が同じなんだから一緒だろ?と語られ、哲雄は窪だけは道連れにーとスキットルの酒を取り出し、口に含み窪に吹き掛けメチルアルコールで目に入れば視力を失うと言います。これは二重のブラフで、実は高濃度アルコールで窪は哲雄の演技を見抜けません
窪は泥水で目を洗い、距離を取ると哲雄は発煙筒で燃やす気で、窪は哲雄の銃を構えます。実は哲雄は弾に細工をしており、銃は暴発、燃え田んぼで火消しをすると今度はトラバサミに掛かり、全て哲雄が周到に用意していた罠で全力で窪を殺しに来ているのです
生き残った窪と哲雄
トラバサミにも細工をし外れなくし、更に隠したガソリンを撒き発煙筒で火を付けようとし窪も観念しますが、ここでパトカーのサイレンが鳴り警察が到着します。償っても償っても消せない罪を残してしまった哲雄は家族を想いこれだけは同類ではないと発煙筒を投げ爆発します
すると刀が飛んできて掌で受け、窪は健在で「またな」と言い残し去り、警察が哲雄を発見、事情を説明し歌仙達も無事です。救急車で運ばれ、零花は山を2つ越え検問の警察を呼んでいたのです。哲雄は最初から僕が何もしなかったとしても何とかなっていたのかもしれないと自戒します
哲雄は目を開ける力すらなく、ただ愛してると伝え、犯罪史上最悪の犠牲者を出した今回の事件は自衛隊1万人規模の山狩りでも窪は見つかる事はなかったのです。哲雄は3週間目覚めず、その間に事は進み、哲雄は英雄扱いで恭一も小沢もそれぞれ思案します
哲雄は目覚めると田端が英雄視し、家族遺して死んだら駄目、自分だけの人生じゃないとし、哲雄は罪の重さを気に病みます。歌仙が現れ、自首を考える哲雄に私も共犯だとし、家族が一緒にいられれば幸せなんかどうでもいいと諭され、哲雄は捕まる最後の一分一秒まで僕と暮らしてくれませんかと請います
歌仙は涙で同意し、哲雄が自首を思い留まったもう一つの理由は窪の「またな」という言葉でした。零花は進路を警察官と決め、逃亡中の窪を捕まえると言い、哲雄が応援してると声掛けするところでこの巻は終わります
まとめ
犯罪史上最悪の犠牲者を出した今回の事件、この原因を作ったのは紛れもなく哲雄と窪です。哲雄は窪がここまで殺るとは当然思っていなかったのですが、最悪の事態となる可能性を摘んではいけなかったのです。村人は皆死に、真実を知っているのはごく少数です
哲雄は窪との最後の決戦で自分の知識と経験を総動員して臨み、あと一歩まで追い詰めますが窪に逃げられてしまいます。主犯がいなくなり、生き残った哲雄が英雄扱いとは…これも運命の皮肉なものです。殺す定義が完全に異なる2人、哲雄はあくまで家族ありきでの凶行でした
この経験から零花は進路を警察官とし、窪を捕まえると決意します。「またな」と言い残した窪の存在が哲雄を生かしている遠因でもあります。内心はメチャクチャでしょうが、哲雄に家族の優しさと一時の安らぎが訪れようとしています…18巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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