「のだめカンタービレ」12巻の数々の恋模様とクラシック音楽の光と影~千秋、デビュー公演も大成功で一躍時の人に…のだめ、幸せ死に(笑)音楽論からバッハだっていい加減なところがあった!?という救い~

前回までのあらすじ

ついにオクレールの師事を仰ぎ、好きな曲で良いと言われ、のだめは超絶技巧練習曲を弾きまくりますが、全然ダメと言われます。特技を見せろと言ったわけじゃないと言うオクレールに、そういった難しい曲が弾ける子は今はたくさんいるから、君はなにしに来たの?と言われ愕然とします…

のだめ、幸せ死に(笑)

千秋はフィンランドでのデビュー曲も決まり、単身飛行機で4カ月ぶりにパリに戻り、デビュー公演のためのリハが始まります。オケは例のコンクールで一緒だったウィルトール交響楽団です。この4カ月で得たものをまたこのオケでーと千秋は気張ります

千秋は久々に家に帰ると、部屋は奇麗で、のだめはまたネガティブモードで、学校で散々な状態のようなのでピアノを弾かせると例の超絶技巧にこだわっています。千秋は唐突にのだめにキスし、のだめのピアノが好きだと言いますが、のだめ千秋先輩ひとりが好きだって仕方ないんですよと部屋から追い出します

千秋は困惑しつつ、ラヴェルのマ・メール・ロアを弾き、美女と野獣のふたつの主題の対比をのだめに重ね、のだめも聴こえてくるピアノに気が晴れます。のだめは意を決して学校に行きオクレールに「もじゃもじゃ組曲」を初見で弾いて貰い、その創造性を共有します

何とか上手くいったのだめは家に帰ると千秋のデビューチケットを見つけ、観に行きその素晴らしさに感動します。千秋のデビュー公演は大成功し、アンコール前一旦袖に下がるとのだめがサインを下さいと迫ります。千秋のだめを抱きしめ、変態の森へ⁉と向かいます

楽屋訪問も多く、沢山の色紙も頼まれ、対応に追われる千秋のだめは幸せ死にしています(笑)

長田の抽象画

千秋のアパルトマンには画家(長田)も住んでおり、聴こえてくるのだめのピアノを楽しみにしています。のだめベートーヴェンの<悲愴>を弾き、その解釈は独特のもので変な例えながら妙に説得力があると千秋は感じます。長田のだめの件もあり機嫌が悪いです

のだめ千秋はオルセー美術館に行き、芸術は音楽のみにあらずと絵画等を楽しみます。’’ロマン’’、’’印象派’’等音楽とリンクする部分もあり、お互い良い刺激を受けます。千秋の今後のスケジュールもびっちり埋まり、のだめは束の間の時間を楽しみますが、長田が世界遺産を背にしてスケッチをしているのを見つけます

家に戻り千秋作曲の曲をのだめが初見で弾くと、長田が彼女に余計なことを教えるなー‼と怒鳴り込んで来ます。長田は40にしてやっと個展を開けるようになったものの、あくまで趣味で絵を描いている、売ろうなんて考えるとボクの絵はだめになると錯乱します

フランクターニャが現れ、のだめ特製トンコツこてまろカレーを食べようとしますが、死にかけた千秋に止められます。買ってきたお土産のプリントが何の絵なのか長田に聞きに行くと、ターニャたちのピアノからインスパイアされた抽象画を見せられ、演奏には「本人」が出るんだよと愉快そうです

のだめの絵は?と聞くと、千秋が現れたことで描けなくなったと言い、その寸前に描いた絵は飛び立とうとする雛鳥で、のだめの心境とは遥か遠いものだったため、千秋は他人の弾く曲の抽象画等描かず自分の絵を描け、のだめとあなたの問題は別ですから余計な口出ししないでくださいとキッパリ告げます

バッハだって結構いい加減なところもあったんだ!

のだめの受け狙いの演奏に勝手に受けていたのが滑稽だと感じる長田画家も評価されるのは没後なんてこともザラにあります。千秋はヴァイオリンの練習をし、長田はそのイメージ画がクジャクで「発情期」だと告げ、ビリビリに破られます

黒木は留学して半年が過ぎ、まだフランスに馴染めません。学校でリュカと遊ぶのだめを見つけ驚きます。オクレールバッハの平均律を弾くよう言われ、のだめはフーガの構造を勉強すべきか思案します。リュカの講義を受け、日曜に教会のミサに行くことを約束します

旅立つ千秋黒木は実はドイツではなくのだめと同じコンセルヴァトワールにいると告げ、千秋と別れるとのだめのだらしない私生活を初めて知り驚きます。のだめのピアノに刺激を受けた黒木千秋が彼女と一緒にいる理由がわかる気がすると感じ、僕も負けていられないとオーボエを吹きます

黒木はフルートのカトリーヌからデュオを組まないか誘われ喜びますが、その後いきなりその話はなかったことにしてくれと言われ愕然とします。のだめリュカと3人で教会のミサに行き感動します。のだめバッハが聴きたいと迫り、難しい講釈の本を何とか自分なりに理解したいと必死です

先生はバッハだって結構いい加減なところもあったんだと笑い、何事も考え方ひとつだ!と語り黒木がたしかにひとつ世界が変わったと感じたところでこの巻は終わります

まとめ

デビュー公演も大成功し一躍時の人となる千秋のだめは置いて行かれないように勉学に励みます。自身に足りない理論について学ぼうと努力しますが、秀才の神童・リュカのように上手くはいきません。巻末で語られるように、音楽には正解はない、バッハもいい加減なところがあるというくだりは救いでもあります

画家の長田も同居人の弾く曲からインスパイアされた抽象画を描き、合点がいくものから??なものもあり、音楽・芸術に正解等ないということが分かります。だからこそいつまでもオワコンにならないジャンルですし、普遍化し、変化し、人々の支持をるのです

のだめの強烈な個性はやはり良い意味で活かす方向の方が好ましいとオクレールは感じています。黒木もミサの先生の話から模範解答等ないと悟ります。音楽・芸術の奥深さが感じられる今巻、13巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

おまけ

ドラマ版にはin ヨーロッパ編があります。実際に現地ロケを行い、特に玉木宏のオケでの指揮試験の様子等も迫真の演技で観られます。相変わらず千秋のだめへの扱いが雑で、人形で投げられたりと手酷い仕打ちも最早ドラマ版のだめカンタービレ名物となっています

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