「【推しの子】」12巻の深まる謎と芸能界の光と影~1本の映画を作る事の大変さとは⁉主演:アイ役を個人間オーディションで実子=ルビーに決定!さりなの母=天童寺に眉を顰めるアクア~

前回までのあらすじ

アクア鏑木に実際の事件をベースにした映画として持ち込み、センシティブながら裏取りはされており鏑木はこれは僕にしかプロデュース出来ないと担当となり、キャストもあかねアイ・「B小町」・メルト社長フリルマネ姫川ララライ役者アクア犯人と決まり、墓でアクアアイの本当の願いを僕が叶えてみせると誓います…

映画を作る事の大変さ

日本の映画市場は世界3位の規模2000億で年間500本近い作品が3600のスクリーンと興行収入を奪い合います。五反田はフリーの鏑木Pを頼り配給会社を総当たりし(株)映京に決定、資金繰りに苦慮し製作委員会方式は一種の投機で映画好きな社長の文化支援的な意味合いが強いです

五反田が劇場に拘るのはそこじゃないとムーブメントの中心は狙えないからで、拝金主義者の鏑木とは対照的です。キャスティングも看板役者と日頃の根回しが重要で、鏑木の手腕を評価、情熱が無きゃ出来ない仕事ばかりです

有馬は高校を卒業、高卒→女優として夏のライブを最後にアイドルも卒業の予定です。アイ役がフリルに変更になりそうな中、五反田は久々にルビーに会い遺伝子の残酷さを感じ、アクアが全ておっかぶるつもりか…過保護にも程があるシスコンだとします

アイは2つのDVDビデオレターを託しており、15歳の双子に渡して欲しいとの事でその答えに気付いた五反田はこの企画を始める決意を固め、アイ役に何とルビーを推したいと言うのです!実は演技も出来るルビーに今更鏑木は迷いが生じ本音ではフリル主演で進めたいところなのです

フリルは学校で自身のような主演級はオーディションなしで決まりがちで、不公平なのでルビーに個人間オーディションをあかねも含めて行おうと提案します

個人間オーディション

2時間で200円という公民館の一室を押さえ、アクアと破局したあかねも現れ気まずい中、フリルはテーマは「嘘つき」で「即興劇エチュード」とし唐突にオオカミが来たぞー!と迫真演技です。ルビーの番になり、彼女はさりな時代からいつだって演じていたと演技は得意とします

ルビーは闇落ちし涙ながらに語りつつなーんちゃってと切り替える演技で一定の評価を得ます。あかねは察しておりフリルが最初からルビーアイ役を決める為のものと見抜いています。まだ台本すら読んでいないあかねアクアの考えそうな事だと勘付いており、フリルはこの作品でお父さんを殺そうとしている、復讐の為だと見抜きます

あかねは演技未経験のルビーに適任は私だとしますが、ルビーは復讐するのは私じゃなきゃ駄目でしょ!と凄み勝つまでやると深夜遅くまでオーディションを続けルビー通過で合意する事になります。あかねの帰り際アクアが待っており彼の企みは私が止めるとしますがやれるもんならやってみろとアクアはゲス顔です

映画「15年の嘘」始動

有馬は「B小町」卒業を発表、アクアのパンダの話から人気者が全て持っていく、無ければ劣化版レッサー扱いだと芸能界を評し、アイドル辞めても賭けに勝って立派なパンダになってみせると意気込みます。旧「B小町」メンバーの役でオファーが来ており、アクアの特別だからという言葉に動揺しチョロいです

疫病神に憑りつかれたアクアルビーにも同じ事言ったのか?と問いその身に魂を運ばれた意味を考えるべきと言われ使命はたった一つだと凄みます。五反田の脚本最終稿が提出され映画「15年の嘘」制作始動です。ルビーアイ役で気負いもあり過密スケジュールでも限界まで追い詰めて欲しいと感じています

五反田は広告代理店の天童寺と飲んでおり、アクアが向かうとさりなの母親ではないか?と勘付き接近、家族写真を見せられ居ない事になっていたのだと悟ります。有馬ルビーの練習に付き合い子供から逃げた母親の気持ちを理解するシーンで躓き親は子供を愛するものなんだからと感情が理解出来ません

過密スケジュールの中ルビーは高い演技が求められ鏑木の目から見ても実力が足りてないとされます。シマカンの作品で難役を卒なくこなす有馬を見てルビーは圧倒され、役作りについて語られ悩みます。お母さんは私の事嫌いだからさというシーンにさりな時代の自身を重ね母の愛してるって言葉が嘘なはずないでしょ?と葛藤するところでこの巻は終わります

まとめ

良く単館系やシネコン系等と分類されがちで身近な映画ですが、多くの人が関わり、1作品作るのも大変な事が分かります。どうしてもキャストに目が行きがちですが、出資者を募り社長の文化支援的な意味合いが強いという事で、映画を観る視点すら変わって来そうなくらい意図があるのです

「15年の嘘」の場合センシティブな内容だけに大手とはいきませんでしたが、主要キャストは鏑木の力もあり旬な役者ばかりです。フリルが語っていた通り級はオーディションなしが通例のようで、逆にルビー・あかねと個人間オーディションをやるくだりが興味深いです

アイの事となればやはり実子のルビーに敵う者はなく、何の因果かアイ役を勝ち取りその過密スケジュールを縫って役作りに励むのですが、悲壮な上に私がやらずに誰がやる?という気負いも感じられ不憫です。ここでアクア天童寺と接触、さりなの母ゴローとして思う所も多いようです

ルビーさりなとして母親とは何なのか自問自答する姿は何とも複雑な感情が入り乱れます。アイの事を演じるルビーさりなから転生している訳で、単純な話ではなく、主演としてアイを演じる事にプレッシャーも感じています。この一筋縄ではいかない映画作り、13巻ではどんなお話が待っているでしょうか?

おまけ

【推しの子】は実写映画化されています。ドラマ版とリンクする形で描かれ、アイのパートとアクアの復讐パートがメインの構成となっています。「B小町」の完全実写化で完璧なアイドル演出が話題となりました

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