前回までのあらすじ
紆余曲折もシナリオは完成し、稽古は本格的に再開、演者も気張る中金田一はアクアに感情演技のシーンだと煽ります。有馬は泣き演技について母が死んじゃったらどうする?という手法を提案、嬉しかった事を思い出すとゴローにそんな権利はないとアイの死に様を見せられアクアが卒倒します…

アクアのPTSD
五反田宅に連れて行きあかねは初めてアクアの過去とPTSDについて知ります。「アイ」と寝言を言うアクアから全てを察したあかねはアクアの味方だと抱き締め、料理の手際も良く味も抜群でいいお嫁さんになりそうです。五反田に過去の出演作品を観せられ、あかねは感情演技の欠如と器用さを感じます
俺の目的が人を殺す事だったら?と問うとあかねは一緒に殺してあげると罪を背負うなら一緒に背負う覚悟があり、あの2人に勝ちたいと一致し五反田に尋ねます。脚本家の意図は明確で、強烈な感情演技を1から叩き込んで貰う事になります
ルビーは授業参観だと稽古を見学に行くとアクアは帰った後で、いつも帰りが遅い事からみなみはあかねとの仲から察しろ、えっちな事やろ…と告げルビーは事実なら心の底から軽蔑すると闇落ちです。みなみは鴨志田にナンパされライン交換するところでメルトの機転で難を凌ぎます
鴨志田はメルトが一番下手で作品の質を落としてると辛辣で、メルトも自覚しています。ルビーはライン交換しており、有馬に連絡先聞いてくる2.5役者は大抵エグいとブロック推奨です
努力に努力を重ねたメルト
ライバル視する2人、有馬は姫川からあかねが有馬に憧れて演劇始めたインタビュー記事を持ち出しゲス顔です(笑)お互い罵り合い因縁の相手です。姫川は異質な演技で天才的なあかねに対し有馬の方が演技というものに執着が強いと評します
お互い稽古を重ねいよいよ舞台「東ブレ」公演初日、アビ子も吉祥寺と現れ、GOAにこの世界に最低でも2人は面白いと思っている人が居ると言われ良い舞台になると信じています。MEMちょ達「今ガチ」勢・ルビー達・五反田も観劇し、劇場の後方は大体関係者席で客の反応が良く分かるのです
バチバチの2人、アクアは個室で瞑想し時折過る激情を上手く使いこなそうと必死です。「東ブレ」は極東に集った21本の刀…「盟刀」全てが最強と認めた者に「國盗り」の力がもたらされるという設定です。第2幕は新宿・渋谷クラスタの対立がメインで2人の戦いから始まります
雷田と鏑木は今回のキャスティングについて納得し、見劣りするかに見えたメルトもがむしゃらに努力を重ね、世界一厳しい目で彼を見ている人がここに居ます。観客誰もがメルトの演技が下手だとナメてた中、いきなりめちゃくちゃ凄い事始めたら激アツだろ?とアクアの思惑通り原作忠実再現で沸きます
自分勝手で周りを食べちゃう様な演技
メルトは何度も原作を熟読し役の感情を自身に重ね演技に感情が乗って来ます!悔しいって感情が客席に届くほどの強さでこの気持ちを掘り下げたメルトはこの1分は誰にも負けねぇぞと気張り吉祥寺も涙します。出番を終えメルトはアクアに演技は感情ノッてなんぼだという言葉の意味がやっと分かったと嬉し気です
有馬は圧倒的に「受け」が上手く効果音で被って聞こえなかった初出ワードを巧みに役が言いそうな台詞として再構築、間の取り方にも深みがあり鴨志田はこんな演りやすい相手は初めてだと感じます。鞘姫のシーンは脚本リテイクで最も変わった部分で動きだけで対立を表現して欲しいシーンです
あかねは全ての意図を汲み取った演技に説得力のある凄みを見せ、ハイライト:両クラスタの衝突で2人は対します。有馬に憧れ演劇を始めたあかねはオーディション会場での出来レースに怒りを露にする有馬に驚き、真似をしていた事を悔い沢山勉強して今なら有馬がどうしてあんな事言ったのか分かります
減っていく仕事に空気を読み我を出さない演技になる有馬にそんなの駄目だよ?もっと自分勝手で周りを食べちゃう様な演技が出来るとあかね自身も圧倒的な演技を見せつけるところでこの巻は終わります
まとめ
アクアのPTSDは推しであり転生して母となったアイの死を間近で見た事が衝撃的に心に残っているようで、イケメンで飄々としたアクアにも裏の顔がある事が分かります。感情演技を五反田に叩き込まれたアクアはあかねと共に異次元の演技を舞台上で演じれるのです
また、「今日あま」で大根役者だったメルトの成長も見て取れ、それを観た吉祥寺が涙する程の鬼気迫る演技が圧巻です。イケメンで何となく何でも上手くいっていたメルトは役者業で壁にぶち当たっており、一皮剥けた様は人は努力の生き物であると感じさせるエピソードです
2人はライバル関係で、先に天才子役として秀でた有馬に対抗意識を燃やすあかねが鎬を削り舞台のハイライトを自分勝手で周りを食べちゃう様な演技でお互い食い下がります…まだ20歳にも満たない2人ですが、女優としてのキャリアは長く最早他者が入り込む隙すらありません
アビ子自身も脚本に手を加えた「東ブレ」2.5次元舞台、役者は際の際の迫真の演技で観客の心を掴み、結果どうなったのか非常に気になります…7巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
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