前回までのあらすじ
一気に3種当て絶賛され、ある紳士が接触、流れに身を任せ映画を楽しむワインバーに連れて行かれチョコレートとシャンパーニュを映画のラストシーンの素晴らしさと併せ「ブリュット」NVはローランの境遇を言い当てるもので、図星のローランはその紳士がどこの誰なのか問います
河原毛しかめっ面で上得意の「~ド・デュオ」が取引止めると箱根の老舗でワイン事業部には痛手です。御家騒動で双子の子が相容れぬ様子、二人で説得に向かいます。箱根湯本駅で既に出来上がっている二人、西岡に案内され事情を聞き出します
澄夏と夏彦は考え方から性格・生き方もまるで噛み合わず一緒に経営していけない結論に達し雫が何か思い当たります…
ワインから双子兄妹和解でオーベルジュ再興へ
兄妹は仲は悪くなかったものの性格が著しく違っていて相いれない部分が多かったのでは?と西岡です。小6で離婚され夏彦は母と上京、澄夏は箱根に残りお互い疎遠となります。雫は石河兄弟を例にとり違っているのが決して悪い事ではないと理解を示します
西岡のワインにアラン・ドロンの横顔を見た雫、「シャン・ペルドり」は1万円程と高価です。初めて飲んだのに「ヴォーヌ・ロマネ」だとピンときた雫、父との思い出を想起します。そこからヒントを得てワインで和解を試みるも、好むのは澄夏・夏彦とこちらも好対照です
ただ両方ブルゴーニュが好きという所から突破口を見出しカーヴで選定、一席設けます。それぞれ好みのワインをサーブしお二人の「分身」だと雫、「~ジョルジュ1級」’07年で同じ畑です。本質は実に似ていてお互いにない良さを持っているとオーベルジュ再興を提案し、二人は仲直りします!
海に潜る遠峰、小林からレターの連絡で即戻ります。お手柄の二人、雫はモノポールでブルゴーニュの不思議を問い、藤枝のサーブから「スラブ舞曲」を想起し成長が伺えます。才能と狂気は紙一重と知り豊多香・遠峰と重ね雫自身も気づいていない狂気を秘めているかもしれないと戒めます
死の間際にこそ真実が見える
館に揃いクリスは資格がまだないと辞退しローランも解雇でいません…「第一の使徒」と同じメンバーです。霧生の口上で巨大な世界観から「希望」と締め、遠峰は「絶望」に感じると不敵に去ります。遠峰は予定を全部キャンセルし「第一の使徒」同様座禅を組みに寺院を訪ねます
和尚は一休が死に際「死にとうない」と弟子に告げた点から死の間際にこそ真実が見えるとヒントを得て座禅を組まず去ります。とりあえず赤に絞った雫達、「複雑で難解」という点から「単一品種」に絞り’’ピノ・ノワール’’が浮かび、「~ルージュ」’99年からブルゴーニュの「ピノ・ノワール」と定めます
高価で複雑なそれは美しき魔物の棲むワインの迷宮です。機上でバレリーナを想起する遠峰、南国へ赴きエルザがサポートします。フリーダイビング選手権で女性部門の金メダルを獲った逸材で、彼女にご教授願います。雫はブルゴーニュ行きをみやびに譲られ相変わらずの鈍さです(笑)
ダイナミック・アプネアで死にかける遠峰
父と訪れて以来何年振りかのボーヌで仲田に派手に出迎えられ太陽に聳え立つ古い十字架に感慨深いです。博識の仲田と語らい畑を見て周るとハプニングからジョー・クサカベの娘と出逢いファッションスタイル画から「ニュイ・サン・ジョルジュ」を想起、彼女はロマネ村のデザインをあげなくては…とあと3日です
仲田のコレクションから試し日本人の謝り癖が可笑しい彼女、それぞれワインを村名から味わい共通点も見つけます。「ミュジニー」’05年は「第一の使徒」を思い出させ雫は「ヴォーヌ・ロマネ」を理解するのは甘くないと自戒し、仲田のリスペクトする造り手に会ってその真髄を垣間見たいとします
一方エルザとフリーダイビングに挑む遠峰、腹式呼吸を練習し瞑想から物凄い集中力で20分、最初はダイナミック・アプネアからです。ところが勝手に垂直降下を始めブラックアウトし無謀、生と死のギリギリの狭間に横たわる世界を垣間見たいと無茶苦茶です
するとホテルからトラブルの電話で別の客のワインを誤ってレストランで使ってしまったアクシデントです。こうなると遠峰の出番、日本の白ワインだったので遠峰は流石のコネクションから似たワインを選びあげエルザは先方に詫び遠峰がサーブ、「波紋」が広がっていき参加者夢心地の所でこの巻は終わります
まとめ
御家騒動を解決してしまう不思議な力を感じさせるワインの世界、今回は双子の兄妹ながら全く異なる価値観の二人を如何に翻意させるかで雫の慧眼から打開を試みます。ワイン事業部にとって上得意のオーベルジュだっただけに今回の件は上出来でしょう
いよいよ「第十の使徒」まで来ましたが、ここに来て顔ぶれは「第一の使徒」の時と同じに戻ります。今回も難題が出され、特に遠峰は例によって死の際ギリギリまで自分を追い込むストイックさで危ういです。相変わらず無鉄砲さが目立ちますが、それでこそ孤高の遠峰なのです
一転アクシデントからエルザピンチですが、ここは遠峰の独壇場・得意分野です。先方は日本の白ワインにこだわりがあり、既に空なので他の国の代案を豊富なコネクションから用意、相手を唸らせる会心の選出です…遠峰の才覚光った今巻、続く33巻ではどんなお話が待っているでしょうか?
コメント