前回のあらすじ
ZETになる気満々だったジンは愛を覚え、慎重になっています。詳しい話を聞こうとジンは退室した芝木のところに向かいますが、芝木が部屋で首を括ってしまいます…
プレイヤーの大いなる夢「人類支配」
部屋のキーロックを解除し中に入ると芝木は首を吊って死んでいます。ジンは蘇生を試みますが焼け石に水です。するとメイが芝木は自死ではないと言うのです。プレイヤーの気配がない中、誰の仕業か…と思案するジン達、実は灰谷と陰禅が蟲を使い自死させたのです
灰谷はブレインスキャナーで芝木の記憶を覗いていました。陰禅は灰谷が芝木に我々の大いなる夢「人類支配」を話して聞かせたことに憤ります。灰谷はキーアイテムとなる「赤い石」を探しており、ジンに生きたまま自ら探させようとしています。ステルス部隊がジンの関係者周辺の調査をしています
芝木の脳スキャンを終え、エボルのアジト(闇闘技場施設跡地)が判明します。分析の結果、そこには灰谷と陰禅2人のG3の幹部の姿が見えます。早苗の説明でG1~G3の違いが判明し、ジンが以前倒したプレイヤーはG2だったことも分かります
組織にはボスがおり、進化を続けるプレイヤーの中で、未だにG1かG2だと言うのです。G3でも念力のような力で裏返りを封じることが出来るらしく、したがっているようです。ジンは絶対的なカリスマを造りたがっている組織は盤石ではない、潰すなら今だと息巻きます
ジンが覚醒するためのキーアイテムとなる「赤い石」の所在をジンに聞くと、何やら訳ありのようで素直に話しません。光鎧はジンに睡眠薬を飲ませ、ブレインスキャナーで記憶を覗くと火事の際小葉が拾ったことが分かります。この模様は蟲で灰谷達も監視しており、ステルス部隊に天城邸を探るよう命令します
巧妙な騙し合い
同時にジン達も襲撃を受けます。ステルス状態の敵のため、わざとスプリンクラーを使い居場所を割り出します。ステルスを解いた敵は、ジン同様ZETのような姿となり、ジンと互角の闘いを繰り広げます。早苗はジンのクローンだと言います
光鎧は撃たれますが、シューターで小葉の元へ向かえと言って聞きません。出血が酷く、救急ヘリを要請しながら小葉の元へ向かいます。小葉はステルス部隊のジンのクローンに「赤い石」のことを聞かれ、在りかを明かしてしまいます
ジンはクローンと死闘を繰り広げます。クローンは後方からメイに撃たれ、注意が逸れた隙にジンに一刀されます。光鎧達が天城邸に着くと天城邸は爆発・炎上し、クローンは陰禅の元に「赤い石」を持ち帰ります
後日光鎧は救急センターに入院、天城邸爆破の中高雅は無事、小葉の行方が知れずという状況です。ジンはメイを連れ出して怯えるメイをトイレに隠すと、駅で明美と落ち合います
久しぶりの再開をした二人、明美はジンとの最後の繋がりとなるじィちゃんの形見を渡します。盗まれた「赤い石」のペンダントは実はフェイクで、宝石部分は過去ジンのために本物のルビーとすり替えていたため、ジンは敵を出し抜くことが出来ました
そこに灰谷が現れます。焦ったジンは「赤い石」をこっそり飲み込みます
3人組の一人が弱いながらプレイヤーの存在を発見します。どうやら一郎君と同様のようで、蟲憑きだと判明します。人混みのため、アルファスでの急行は難しく、高雅はワゴンで向かうことになります
天城邸爆破容疑でジンが監禁!?
全ては灰谷の掌の上で進んで行きます。蟲憑きで監視されていたジンの思惑は筒抜けで、明美の実の息子を手にかけた灰谷はその首をジンに見せ、更に小葉にも手を掛けようとし脅します。ジンはやむを得ず「赤い石」を吐き出します
高雅は灰谷とすれ違いでジンの前に現れます。ジンは何とか小葉の無事を伝え、メイの元へ向かい、メイも無事でしたが、「赤い石」は奪われてしまいます
ジンと黒服達は高雅に事情を打ち明ける訳にはいかないと高雅を部屋から出しますが、高雅は盗聴器で聴いてしまいます。複雑な状況の中、清造は爆破された天城邸の防犯カメラに映っていた男が犯人だと早見に指令を出します
ジンが見た明美の実の息子の首は実はマネキンで、動揺して「赤い石」を渡してしまったことを後悔します。メイ・高雅・小葉も連れて場所を変えようと駐車場に向かうと、そこには早見と特殊部隊がおり、ジンを天城邸爆破の容疑者として特別な場所に監禁すると伝えたところでこの巻は終わります
まとめ
非常に緻密かつ複雑な駆け引きが渦巻く難解な巻でした。灰谷達はジンをカリスマにするためのキーアイテム「赤い石」を探しており、ジンは誰にも気づかれないように味方である光鎧達にも敢えて真実を語らず、推測の中小葉が持っているということを突き止めます
しかしこれは実はフェイクで、ジンは昔じィちゃんの形見として明美に石部分だけ別に受け取っており、それを明美に隠し持たせていました。久しぶりの登場の明美、キーパーソンとしてジンと接触しますが、その明美や小葉等ジンにとって大切な存在を利用し脅す灰谷は狡猾です
明美の実の息子の首(実はマネキン)を見せられたジンは動揺し、「赤い石」を灰谷に渡してしまいます。高雅等と合流し、善後策を練っている中、ジンは早見に天城邸爆破の容疑で監禁すると言われます
これは小葉の元に現れたジンのクローンが防犯カメラに映っており、清造はジンだと誤認識したためと思われます。このようにいくつもの伏線が複雑に絡まり、非常に難解ながらも、絶妙な話の持って行き方が桂正和先生の真骨頂とも言えるでしょう
灰谷達エボル側の企みと、ジンの今後について興味が尽きませんね!続巻も是非コミックスをお読み下さい!!
おまけ
これからは桂正和先生の過去作をご紹介していきます。まずは出世作、ウイングマンです。変身ヒーローに憧れる中学生がその夢を叶え、ヒーローとして活躍・成長していく様を描いています。アニメ化もされた名作です
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