前回までのあらすじ
アムロは救命艇の皆を見ながら「ボクにはまだ帰れるところがあるんだ、こんなに嬉しい事はない…分かってくれるよね…ララアにはいつでも会いに行けるから…」とコアポッドから飛び出し、皆のいる救命艇に向かいます…
その前夜
WBを追うシャアのムサイはサイド7に向かいます。そこではカツがキッカに勉強を教えており、いじめっこからレツが守ってくれます。フラウは「ボウおばさん」と呼ばれており世話を焼きます。家に帰ったフラウはアムロの家にも世話を焼きに行きます。アムロに風呂に入らないとクサイと肉薄する場面がありますが、二人共年頃です
ムサイではジーンが殺気立っており、パチェコとやり合いになり揉めますが、ナイフを持ったジーンをシャアが止め、この任務に成功すれば全員昇進だと発破を掛けます。シャアは十分に確認をし、デニム、アッシュ、スレンダー、ジーンがザクでサイド7に向かい、この物語の冒頭に繋がります…
キャスバル0057
連邦保安局がデギン学部長に全館捜索の許可を取りに来ます。彼はダイクンをデギンが匿っていると見当をつけているのです。外ではデモ隊との交戦にドズルが参戦、喧嘩を買うと息巻きます。幼いキシリアは冷静で、暴れるドズルに大学に機動隊が入ったようだから様子を見て来ると言います
捜査官は時計塔に目を付け、機動隊を差し向けます。クラウレは隙を見て塔内に侵入、最上階には産気づいたアストライアとダイクンがおり、ラルに出産の仕方を聞いて来た、結婚するならあんな人がいいと話します
アストライアは声を出してしまい、危うく見つかるところでしたが、機動隊は小さな子供でもないと先へ進めないと諦めます。ギレン・サスロ・ラルは万が一ダイクンが見つかった場合に備え隠れます。デギンはやり過ごしたと思っているとキシリアが現れ、捜査官は「子供でもないと先に進めない」というワードに閃いたところでデギンが撃ち殺します
デギンは咄嗟にキシリアを抱き沈め、「狙撃だ!あの茂みから撃ったんだ」と嘘を付き、鋭い機転を見せます。クラウレの尽力もあり、出産は順調に進み、ダイクンはキリストのように産まれて来るこの子にはなんてふさわしい場所だろうと悦に浸ります。こうしてキャスバル=シャアが生まれるのです
アルテイシア0083
記者になったカイはセイラに会いに行きます。ブライトと結婚し子供も産まれたミライは手が掛かるため、代わりにセイラにジオンの危険分子が彼女を奪還しようとしているという噂があるため気を付けるように伝えて欲しいと言うのです
セイラは豪邸に住んでおり、家主はこのバーリーハウスにアルテイシアを幽閉しているという悪い噂もあると嘆きます。セイラは「アストライア財団」として戦争孤児の救援活動をしており、カイは取材なんて嘘っぱちで本当は連絡係で来たのだと打ち明けます
セイラはニュータイプらしくミライの本当の意図を察し、カイは自身の未熟さを呪います。セイラは私の気持ちは決まっているから帰ったらミライに伝えてと言い、カイは一泊し悪夢を見ます。翌朝外は騒がしく、セイラはポロの試合をやると張り切ります
対戦相手のタルボットが来られなくなり、代わりに試合する者が何か物々しくカイは嫌な予感がします。セイラは勇ましく馬を操りゴールを決めてしまいます。その後セイラは男達に取り囲まれ、その一人がア・バオア・クーで一緒に戦ったマッチョだと打ち明け、お迎えに来たと言うのです
あの叛乱に魅せられたマッチョは「ドノバン小隊」としてセイラを「アストライアとしてジオン本国に戻り’’あの刻’’のように我等を導いて下さい‼」と真剣です。こんな事もあろうかと連邦の治安当局は内偵を続け情報を収集してきたと迫り、マッチョはセイラを盾に取ります
治安当局はMSまで持ち出しますが、レディバーリーは話が違うと怒り、狙撃手がマッチョを狙っているところをカイがゴルフスイングで玉を撃ち、まぐれ当たりします!レディバーリーは講釈を述べ、ポロで決着を付ければ良いと話し、事は収まります
結局セイラがコテンパンにして勝ち、カイと別れを告げ、去り際ミハルの兄妹ジルとミリーを財団で見守ると話し、カイは泣いて喜び、セイラはいい仕事をしている、ジオンなんて行かなくていいよ…と飛び立ちます。カイは今回の件から、新聞記者も悪くないと閃きます
アムロ0082
日本の出雲大社でハヤトはアムロに講釈を垂れています。するとWTBのヤマダがツアーコンダクター的な振る舞いを頼んでいないのに始めます。アムロは当然VIPとして厳重に警戒されており、ヤマダはマ・クベの弔い合戦だと息巻く「ウラガン中隊」としてアムロ拉致を目論見ます
フラウや子供達と感動の再会を果たし、お参りを済ますと、ハヤトはフラウと結婚したいのだとアムロに打ち明けます。子供達の養い親にもなるつもりで、この幸せを壊さないでくれと土下座します。境内から刺客がアムロを狙いますが何事もなかったように片付けられてしまいます
次に松江城に行き、そこでも刺客は巧みに排除されます。結局ウラガンは第三ステージこそが勝負所だとし、鳥取砂丘でアムロは以前母と別れた時の事を思い出していると、子供達が捕まり、アムロも砂丘にハマりこれまで…というところでハヤトがど根性を見せ大立ち回りを見せます!
ウラガンは砂丘から苦心の複製’’ギャンもどき’’を出し一掃を試みますが、設計から拙く、脆くも両腕を失い、マ・クベの「ギャンは一体のみにしておけ」という忠告を思い出し卒倒します。旅館で寝入る子供達とハヤト、フラウはハヤトが軍籍に戻る旨アムロに伝えます
アムロはサイド7に戻って補修・復興させて人と人とがほんとうに分かり合える社会を作ってみたいとフラウに語るところでこの巻は終わります
まとめ
本編は23巻で終了していましたが、ガイドブックに収録されていた小エピソードの刊行が熱望され、満を持して発刊されたのが今巻です。本編では描かれなかった内容ばかりで、ファンにはたまらないボーナストラックとなります
安彦良和先生は本編で回収しきれなかった伏線をこの4つのエピソードで回収出来たと喜んでおり、例えばカイが何故新聞記者になったのか?フラウは何故ハヤトとくっついたのか?等の疑問にも見事なアンサーを返しています
大団円で終わった本編に加え、こういった形での続巻は珍しく、ファンの間でも人気のエピソードとなっています
終わりに
如何だったでしょうか?1stガンダムを彩った主要ブレーン・安彦良和先生により再構築されたTHE ORIGINは特にシャア・セイラ出生の秘密等独自解釈の内容が反響を呼び、その部分が映画化もされ、最早ガンダムの歴史はこちらが本筋と見る方も多い事でしょう。ロボットアニメの金字塔をご本人の至高の漫画で堪能出来たTHE ORIGIN、その功績は何時までも讃えられるでしょう。お付き合い頂き有難うございました!
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